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今晩は。

2009-02-05 19:04:00 | 日記
2月5日の日本民話

*(クローバー)*十二支の動物とタヌキの戦い*(クローバー)*
               奈良県の民話



 むかしむかし、十五夜の月の美しい、ある夜の事です。

 ネズミ、ウシ、トラ、ウサギ、タツ、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、ニワトリ、イヌ、イノシシの十二支にえらばれた動物たちが、草原に集まって十五夜の月をめでる歌あわせの会をしました。

そこヘシカがやってきて、歌あわせの審判をすることになりました。
どの動物たちの歌もお月さまの美しさをうたっていて、とても見事なできばえです。

シカの審判も公平で、不満をいうものはいませんでした。
歌あわせがおわると、十二支の動物たちは一品ずつ持ちよってきた料理で宴会をひらいて、シカをねぎらいました。

それから何日かあとに、また歌あわせの会がもよおされることになりました。
すると審判に、タヌキが名のり出てきました。

タヌキはシカのようにごちそうが食べられると思って、名のり出たのですが、ちゃんと審判せずに口から出まかせばかりいうので、すぐに追いだされてしまいました。

ごちそうにありつけなかったタヌキは、くやしくてたまりません。
そこでキツネ、クマ、オオカミなど、十二支に入っていない動物たちを味方につけて、十二支の動物たちをやっつけることにしました。

ところがこの作戦が、十二支の動物たちにもれてしまったのです。


 十二支の動物たちは、


「それならこちらから、タヌキ軍団のこもる古いお城へのりこもう」
と、相談がまとまりました。

ふいをつかれたタヌキ軍団は、城内になだれこんでくる十二支軍団にビックリ。
十二支軍団の先頭をきって、ネズミ隊が城の中へ走りこんでいくと、タヌキ軍団のネコ隊がとびだしてきて追いたてました。

ネズミ隊が逃げてくるとイヌ隊がでていって、こんどはネコ隊が城の中へ逃げこんでいきました。
合戦は五分五分でしたが、あまり信用のないタヌキ軍団からは、うらぎり者が次々にでて、ついには大将のタヌキも城から逃げだしてしまいました。

けれども、タヌキはあきらめることをしません。

今度はテングを仲間にして、十二支軍団にひとあわふかせようとしましたが、十二支軍団の竜が大あばれをしたので、テングは長い鼻をへしおられて逃げてしまいました。
戦いにやぶれたタヌキは、


「こうなったら、さいごの手だ」


と、オニに化けましたが、十二支軍団の陣地に近づいていくと、鼻のよくきくイヌに正体をかぎわけられてしまったのです。


はげしくほえたてられ、かみつかれそうになって、タヌキはあたふたと逃げていったという事です。


         おしまい *(チョキ)*