感情むき出し、愛に生きる男 映画「つやのよる」阿部寛
http://news.biglobe.ne.jp/entertainment/0105/san_130105_8978697259.html
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井上荒野の原作小説を基にした主演映画「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」(26日公開)で、阿部寛(48)が初めて行定勲監督(44)とタッグを組んだ。演じるのは、奔放な妻に振り回されながら愛のために生きる男だ。
「包丁をとぐところから始まるし、最初に台本を読んだときは暗い話だなあと思いましたよ(笑)。だけど撮影に入ってから、どんどん松生(まつお)という男が好きになった。生命力が湧いてくる感じがしたんです」
妻子がいた松生春二(阿部)は、艶(つや)という女性と大島に駆け落ちしたが、彼女の不貞に悩まされてきた。その艶が病に冒され、昏睡(こんすい)状態に陥る。松生は艶を失うことに耐えきれず、艶が関係を持った男たちに彼女の死期が迫っていると伝えることで愛を確かめようとする。
スクリーンに映る阿部の顔はやせこけ、目が血走っている。役のために最大11キロやせたという。
「世界の中心で、愛をさけぶ」(平成16年)などで知られ、新たな群像劇に意欲を燃やす行定監督の流儀に舌を巻いた。「寄り添うように低姿勢で入ってきてくださる。何かを押しつけようとはせず、『こういう案もありますけど、どうでしょうか』という進め方をしてくれるので、ありがたいし、やりやすい。誰からも『一緒にやりたい』といわれるのが分かる」
艶のいとこの妻役に小泉今日子(46)、艶がストーカーをしていた男の恋人役に真木よう子(30)、松生の元妻役に大竹しのぶ(55)など、豪華女優陣が並ぶ。その女優たちと阿部が直接やりとりする場面はほとんどないが、「完成作を見て、一緒にやったという不思議な一体感があった」と話す。
大島に行ったのは初めてで、東京から近い割には明らかに違う空気に、「松生が家族からできるだけ近場に離れようとしたのも分かる。役の精神と大島の存在がマッチしていた」。
昨年は主演作「テルマエ・ロマエ」が大ヒットし、反響の大きさに驚いた。「ローマやトロントで上映したときも感じましたが、国を超えて万人に喜んでもらえた作品が僕の中に一つできたんだなと誇りに思いましたね」。11月に次女が生まれ、「ますます働いていかなければお父さんは、という感じ」と笑う。
今作は役者心に訴えかけるものを感じた。「クールな男とかローマ人とか詐欺師の役はあったけど、感情をむき出しにする役を久々にやったので、これからも一歩も引かず、精神的に激しい人物をまた演じてみたい欲が湧いてきました」(市川雄二)
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