風に吹かれて、気の向くまま

人生折り返し地点を過ぎた下町男の思いつき。

本棚から一掴み7

2007年02月04日 | 本棚から一掴み
あなたは区町村が出している広報を、呼んでいますか?  下町男です。



た~ま~に、目を通すぐらいなんだよな…。

『となり町戦争』三崎亜記
江口洋介と原田知世主演の映画 『となり町戦争』 の原作である。


広報で突然始まった戦争を知り
『特別偵察業務』に任命された男と、役所の女性職員の物語。


通勤に便利で、たまたま住んでいた町が、広報で『となり町との戦争のお知らせ』が、「水道工事のお知らせ」と同じレベルで書かれている事から物語が始まるのだが、主人公が心配するのは、通勤の心配だけ。


開戦日を過ぎても、町の中で銃撃戦が行われるでもなく
爆音を聞く事も無く、戦争を体感する事が無いまま時は流れていくが…


そんな中で命じられた『特別偵察業務』


次第に戦争の意味を知ろうとするが、
戦争と云う政策に対する、地方行政の長の思惑や
日常の利害のみを心配する各住民を目の当たりにする。

そんな自分勝手な住民が多い中
開戦に対し疑問を投げかける若者も居るが、行政側に押さえ込まれてしまう。

見えなかった戦争が、次第に感じる様になっていく。
命じられた業務を通じ、知合った役所の女性職員『香西』との間に芽生える恋心。

戦争と云った振興事業。
戦争の意味とは…、地方自治とは…?



各住民考える事は、てんでバラバラ。
自分の利害のみを心配している所を読むと
今の日本の状況と、大して変わらないなと…。


その内




…あなたの街も、開戦するかもしれませんよ。

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