
フィリピンで本格的に事業を手伝うようになって1年が過ぎ、このとんでもない国で事業を食えるものにするというのはどれ程大変なのかという事を、毎日勉強しています。
こうやって、実態ある事業運営に真面目に取組んでいると、人と会った際に、実は外見だけで中身のない会社や個人がもろに分かってくるので面白いです。
素晴らしい立地に洒落たオフィスを持ち、大勢の従業員「らしき」人間を取り揃えて
「フィリピンのコンサルティング業務を行っております!」
などと言われても、その人と成りを見れば、立回りや感覚で愕然とすることばかりです。
私たちは仕事の現場でスーツやネクタイを使うことはほとんどありません。ユニフォームをつける訳でもなく、ただ自然体の構えでいつも対応しています。
要はコンサルティング業を営むのであれば、顧客が目的達成するサポートを身代わりになるくらいの責任と誠意を持って対応し、法的に保護した上で成果をあげる牽引役をしなければならないはずです。
ところが、ポッと出のイカシたビジネスマンは、カッコはつけるものの中身は丸でないため、
無知な人からは有能に見られ
有能な人からは詐欺師にしか見られない
という面白いギャップが楽しめます。
私はこのフィリピンで、生死にかかわるドン底を経験したことがあります。
フィリピンで投資ビジネスを一人で切り開こうとした前回の大統領選挙前、実は普通の人間なら立直り不可能な大失敗を経験しました。金額で言えばビリオンの世界です…。
だからこの国の恐ろしさもよくわかるし、商売の難しさも分かります。
そして、人をコンサルティングする事がどれ程責任があり、リスクがあり、困難さを極めるのかもよくわかります。
今すばらしい仲間に恵まれ、毎日私の得意分野で尽力させていただく中で、現地のあらゆるコンサルティングをさせていただいていますが、日本人のコンサルティングに対する意識は、昔の自分同様、本当にワキアマな方が多い事に驚くばかりです。
それは単なる個人で冒険してる方に限らず、大きな会社組織であっても空いた口が塞がらないということは本当に多々あります。
例えば「やってはいけない事」と言うのは、何も泥棒や殺人などの凶悪犯罪だけではありません。何気なくみんなやってるからいいやと思っても、本来違法なものだとしたら外国人は真っ先にやられてしまいます。
フィリピンは売春が違法だという事を知らない人すらいますから怖いです…。
外国人がここで事業をするというのは、そういった
何がダメなのかということを知った上で、更にシビアな対応を追求し体制をとれなければ、手を出してはいけないのです。
すぐに有名な誰々を知っているとか、億の話を口にする人がいたら、必ずその人のやった実態事業を確認してみましょう。
ネット上の情報だったり、架空のよもやま話しだったり、まず生身の人間で実績をあげた人はいないと思います。
そういう日本人が喜びそうなデータと絵に書いた儲け話で、毎日多くの投資家がカモられているのです。
欲の皮を突っ張った投資家が騙されるのは勝手ですが、真面目に事業をしている側からすれば、迷惑以外の何者でもなく、騙す側も含めてこのフィリピンには近寄って欲しくないというのが本音なのです。
現在私は、facebookで「フィリピンに行こう」というグループを管理していますが、皆さんの情報やアドバイスは、非常に内容が明確で正確性の高い投稿ばかりです。
このような媒体である程度の予習をした上で、実践の現場に足を踏み入れると、フィリピンでの即死を免れるかもしれませんね。
人間は頭で理解しても、過去の習慣には叶いません。
相手を信用するという関係の上で取引が成立する日本では、常に相手が嘘を言う事を前提に行動はできないでしょう。
簡単に言えば、タクシー一つ満足に乗れない、道路一つマトモに渡れない自分に何ができるのか、今一度考えた方がいいでしょう。
そこが親日国かどうかなど全く関係がないのです。
俺は日本が好きだと言って笑う人に癒された瞬間、ビジネスでは負けてる可能性は大ですから。