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台北賓館ろう城事件

2008-11-06 16:33:00 | Weblog
台北賓館は台湾の国家招待所(迎賓館)で、中国北京の釣魚台賓館に相当する建物です。台北賓館は戦後国民党統治時代で、長い間非公開とされていたが、民進党の陳水扁政権により、2006年6月4日から年に数回の頻度で一般公開が行われるようになりました。今日は中国の陳雲林と台湾総統馬A級会見の場所になりました。

今日(11月6日)午後から、陳の訪台や対中降伏政策を推進する馬英九政権に反対する群衆は民進党党首蔡英文の呼びかけで、十万人ぐらいの人を集めて、台北賓館を包囲して「台湾中国、一辺一国(台湾と中国は別々の国家だ!!)」という主張を強く言い張る活動が行います。

昨日晶華ホテル(GRAND FORMOSA REGENT TAIPEI)で陳雲林が7時間も足止められた経験があったから、前車の轍を踏まないため、今回の会見時間は予定の午後4時半から午前11時に急遽に変更しました。そしてたった五分間で終わりました。陳雲林も「貴方」で馬総統を呼んで、正式の呼称を回避しました。

最初、馬政権は「平日なら、デモ隊の参加者がそんなに多くないでしょう」と予想して、会見の時間を木曜日の午後に設定しました。しかし、抗議者の人数が予想より大幅に上回るから、馬政権は急遽に会見の時間を変更して、時間も短縮しなければなりません。

このようなやり方で会見を強行することができましたが、どういう風に抗議者の不信感を払拭するか、今後重要な問題になるでしょう。そして、合法の抗議活動なのに、警察隊の違法の取り締まりにより、デモの参加者を興奮させる行為もちゃんと警察の責任を問わなければなりません。

おとといの抗争で「台湾の歌」という平和の曲を流れるだけ、取締りの対象になってしまいました。警察は民家に突入して、音楽を止める以外、営業停止(音楽会社)を強制しました。そのため、人権団体、教育団体、弁護士団は声明を発表して、警察の違法行為を抗議します。そして、弁護士たちはすぐ台北地方検察署に告発しました。しかし、当事者の警察局長は全然反省色なしから、多くの人の反感を買いました。

台湾と中国違うところは、政府に堂々として抗議することができることです。デモを通じて、人民の声を当局に伝わることができます。しかし馬A級はひたすら陳との会見を強行しように専念して、中国の特使と一緒に台湾人民の声を聞く機会を避けました。飾り物としても失格ですね。






台北賓館について
台北賓館の前身である台湾総督官邸が完成したのは、1901年(明治34年)のこと。当時の統治者であった日本政府の威信をかけて建設された、台湾を代表する豪奢な建物です。設計師は台湾銀行宿舎などを手がけた福田東吾と、國立台湾博物館や自來水博物館などを担当した野村一郎の2人。ローマ、ギリシャ様式の円柱などを多用したバロック風の二階建てで、1階は会議室やパーティールームなどの接待フロア、2階は要人ならびにゲストのプライベートフロアに分かれています。屋根裏には展望室もあり、接待や閲兵式などの観覧に使われたそう。内装は英国ヴィクトリア様式ですが、明石総督が官邸として使っていた時代の資料によると、洋間の床に畳を敷いた“和室”があったりと、建物としては素晴らしくても住むには落ち着かなかったのかもしれませんね。戦前は皇太子時代の昭和天皇、戦後の近いところではクリントン大統領や、ダライ・ラマもここを訪れ、政府の歓待を受けました。

http://www.tabitabi-taipei.com/more/2006/0606/


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