久しぶりに当たりの本を読んだ。中山七里の「さよならドビュッシー」
かなり読み応えがあった。「音楽」と「スポ根」と「ミステリー」
これだけしっかり音楽のことを書いていて、これだけしっかりミステリーの本なんてなかなか他にない。凄かった。
400ページ超えの長編だけど、読み始めて50ページ位でこの本が好きになった。
「世界中の誰にでも、世の中のあらゆる困難にも打ち勝つ唯一無二の方法があるのを知っとるか」
ルシアは首を横に振った。おじいちゃんはあたしにも問い掛けたが、あたしも同じだった。
「それはな、………」
このくだりがとても好きだ。世の中のあらゆる困難にも打ち勝つ方法。
凄い単純なことだけど、それは多分本当のことだと思う。
この本のミステリーとしての醍醐味はやっぱりタイトルだ。
読み始める時はなんで「さよならドビュッシーなんだ?」から入るけど、読み終わった後は「この本のタイトルはさよならドビュッシー以外にないな」と思えてくる。
この読んだ人にしかなんかよくわからない感じ。なんかいいミステリを読んだなと思うひと時を味わいたい方はオススメです。