すそ洗い 

R60
2006年5月からの記録
ナニをしているのかよくワカラナイ

初カルチャーショック小説・少年版江戸川乱歩選集「蜘蛛男」

2010年10月02日 | 書籍

「里見芳枝と申します」

本を読むのが嫌いな子供だった。
家には親心で買い揃えていてくれた子供向きの「世界文学全集」とかゆーのがあったのだが、全く面白くなかった。
記憶に残っているまぁまぁオモロかったんは「いやいやえん」と国語の教科書に載っていた「ちっくとたっく」ぐらい。
いやいやえん―童話 (福音館創作童話シリーズ)
中川 李枝子
福音館書店

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ある日 小学3年生の頃 父親が「本を買うたる 漫画以外のやつで 何か選べ」と本屋に連行された
仕方なく 嫌々 ちょっとは 興味のそそるもんを探していたら
突然目の前の飛び込んできた本があった
石膏像の中から血が流れ蟻が群がっている表紙



少年版江戸川乱歩選集「蜘蛛男」

ん?ん?ん?これは?これは?これは?
ナイスな表紙の箱から本を出してパラパラめくると
「うぉ~!!これは これは これは!!」とゆーナイスな挿画がびっしり!



「里見芳枝と申します」

子供心にイケナイ感 大人的なエロの世界が垣間見える 推理サスペンス
「江戸川乱歩」ってエロ グロ これだ これだ
と飛びついた
とにかく挿画の女子が「チャーミング」「コケティッシュ」とゆー言葉がぴったり
エロ子供だった僕の一番のモチベーションは当然エロだ
そして挿画の全てが素晴らしく
内容も 本などほとんど読んだことがない阿呆な子供には充分過ぎるガッツな内容



 

江戸川乱歩ってなんだか素敵!!
漫画以外の図書は買ってくれる親だったので おねだりしてそのシリーズ少年版江戸川乱歩選集を全部買ってもらったのだが
やっぱし 素ん晴らしい挿画とガッツな内容の「蜘蛛男」を超えるやつはなかった
そもそも明智小五郎とゆー探偵にあまり興味が湧かなかった
やはり その頃から興味の対象は
ヒトゴロシのヒトがどのやうなガッツで猟奇な殺し方をしてくれるかが大きなポイントだ

 



漢字がもう少し読めるようになり 少年版では飽き足らなくなった僕は春陽文庫版の江戸川乱歩もんを揃えた これも表紙買いだった
でもやっぱり 初めて見た読んだ 少年版江戸川乱歩選集「蜘蛛男」のショックには敵わない



大人になって 古本屋で少年版江戸川乱歩選集「蜘蛛男」を買い直したが 現在納戸の本棚から行方不明なのです

ネットで探していたら その挿画を描いたナイスな挿画家さんがわかりました
不二本蒼生さんどす
不二本蒼生美術館
貴重な画像はこちらからいただきました
少年版江戸川乱歩選集「蜘蛛男」本文イラスト講談社1970年・不二本蒼生

  
少年版江戸川乱歩選集

  蜘蛛男    中島河太郎文・解説 
         藤本蒼挿画 45年7月
  一寸法師   氷川瓏文・解説 
         佐々木豊挿画 45年7月
  幽鬼の塔   山村正夫文・解説 
         坂口武之挿画 45年7月
  人間豹    山村正夫文・解説
         稲垣三郎挿画 45年8月
  三角館の恐怖 氷川瓏文・解説 
         篠崎春夫挿画 45年9月
  幽霊塔    中島河太郎文・解説
         長谷川晶挿画 45年10月



〇大衆文学資料  少年版江戸川乱歩選集

何はともあれ 読み物には全く興味を示さなかった 阿呆な子供に「小説」「文学」の門戸を開いてくれた 江戸川乱歩先生・中島河太郎先生 
そして何より不二本蒼生先生には感謝しまくりなことだけは確かです

最近 入手した江戸川乱歩全集 第5巻 押絵と旅する男 (光文社文庫)に「蜘蛛男」が入っています
大人版の「蜘蛛男」はまだ読んでいなかったっけ



江戸川乱歩全集 第5巻 押絵と旅する男 (光文社文庫)
江戸川 乱歩
光文社

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蜘蛛男 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
江戸川 乱歩
東京創元社

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