フェンダームスタング

考えてみれば１０年近く、当ブログでこのギターをネタにした事がありませんでした。
それもその筈、私自身がこのギターをアンプを通して鳴らした事が一度しか無く
試奏用アンプがマーシャルＪＣＭ９００しか無かったので
初めて弾く人間にとって鳴らすのは難しかったと思います。
（６５年製だったかしら？１２年も前の事で）
生音はジャニ子さんのスタジオに置かれてあるレンタル用の７７年かしら？のムスタングを
何度か弾かせて貰った事があります。

元々、高級モデルとしてフェンダー社がジャズマスターやジャガーを推していたのに対し
スチューデントモデルとしてデュオソニックやムスタングがリリースされたのですが
安価だったポプラ材なりコンター加工を省いたり
製作コストを削減したモノのようですね。
６０年代中盤にリリースされるも人気が出ず廃盤になりましたが
ここ日本ではギターヒーローＣｈａｒが偶然使用した事により爆発的人気で
フェンダーに大量オーダーしたとか。
その馴染みで特にカッティングを多用する音楽やかき鳴らす系にマッチしているようですね。
ニルバーナのカートコバーンやアニメ「けいおん」の上手（かみて）の女の子が使用してましたね。
本当は憧れのストラトキャスターを所有していたのにスタジオで盗まれ（盗み返したとか）
当時ＵＳＡモノはこのムスタングを持っていた事からムスタングを使用し
Ｃｈａｒ人気で大量に需要が出来きフェンダー社を驚かせたとか。
そしてＣｈａｒ本人がこのギターで作曲した事で
名曲「シャイニングユー、シャイニングデー」や「スモーキー」が作られ
偶然の産物で人気が出てＣｈａｒ伝説の象徴となったギターですね。

♫ Smoky / CHAR


昨年、私自身がＣｈａｒの初ライブ（武道館）を観に行った時も
アンコールでやった上記の曲はこのムスタングを使用していました。
Ｃｈａｒは長い間マッチレスを愛用していますね。

私自身は６４年モノのムスタング用らしきヴィンテージＰＵを所有しています。
が、取り付ける事も無く・・・鳴るのでしょうかね？

弾かせて貰って、ショートスケール？（ミディアムスケール？）とスリムなネックが
とても弾きやすく、Ｃｈａｒ本人が語っていた通り「シャイニング～」の名リフが誕生したり
メジャー9thコードを多用するようになった理由が分かるというか。
そして、非常に狂いやすいけど稼働域の広いアーミングをストラトと違い
簡単にしやすい、アームブリッジ。
コレも「スモーキー」の出だしのアーミングに生きた気がします。
出力が低いＰＵなので例えばハードロックとかに向くとは思いませんが
今は亡きフェンダージャパンが大量に売りましたよね。
（木材がポプラからバスウッドに変わった事もありましたが）
そして、７０年代後半～８０年代前半、少年ジャンプ誌等で大々的に広告され
売れまくったと聞く二光の通販ギターがトムソンのムスタングモデルでしたね。
（弾いているアフロヘアのおっちゃんの写真が印象的でした）

Ｃｈａｒ本人はＢＳの冠番組でアルフィーの坂崎幸之助氏とのセッショントークで
お互いのギターを交換した時、「スイッチを逆位相設定した時の、コノショボい音・・・」
「でも、何だかんだ言っても、やっぱフェンダーだよ。」と
日立の「スプレンダー」を持ってきた坂崎氏に話していましたな。

ここ日本においてＣｈａｒがギター盗難に遭った事が幸か不幸か
名曲が産まれ本人のトレードマークとなり
フェンダーＵＳＡに憧れた世代の方々が今でも憧れのギターとして
購買意欲に駆られたり、使用しているウチに本人のプレイやサウンドがマッチしたという
面白い運命を辿ったというか。
フェンダーの代表機種のストラトキャスターが廃盤になるという危ない時期があったというのに。
（そういえば元バンドメイトのＷ氏が漸く憧れのヴィンテージムスタング（焼けたホワイト色）を購入したとか。）