ぬりえ

職員オリジナルの絵です。

2004夏【河童の雨乞い】

2005-09-07 12:17:29 | インポート
kappa1①むかーしむかしある村の近くに、一匹の河童が住んでおったそうな。この河童、村の作物を荒らすわ、人を沼に引きづりこむわで、村人をたいそう困らせておった。





kappa2②通りすがりの旅の坊様が、河童にいたずらをするわけを問うと、「おらぁ、だーれも仲間がいねぇ。寂しくてつい悪さをしてしまう。坊様、おら、もう独りぼっちは嫌だ。人間に…人間にうまりかわりてぇ」





kappa3③その年の夏は日照り続きで、毎日毎日村人たちは祈祷師を呼んで、狂ったように雨乞いをしておった。そこへ、あのいたずら河童が現れた。





kappa4④河童に気づいた村人たちは、日頃の恨みをはらそうと、よってたかって河童を打ちのめし、縛り上げた。けれど、河童はおとなしくされるがまま。今にも死にそうな様子で、雨乞いをさせてくれと頼んだ。





kappa5⑤河童は縛られたまま、やっとのことで体を起こし、のどからしぼりだすような声で祈り始めた。「神様、おら、村の衆に償いてぇ。おらの命とひきかえに、村に雨を降らせて下され。おねげえだ」





kappa6⑥河童の雨乞いは何日も続き、あたまの皿の水も干上がり、祈りの声は途切れ途切れ…。すると…。





kappa7⑦ぽつり、ぽつり。なんと不思議、空には雨雲がたちこめ、大粒の雨が降り出した。「河童の雨乞いが天にとどいた~」村人は大喜び。





kappa8⑧河童は坊様が教えてくれた「人のためになることをする」という言葉を思い出しながら、「これでおらあ、人間になれるかなぁ」そうつぶやいて息を引き取った。





kappa9⑨村人は沼の近くにほこらを建て、いつまでも河童の雨乞いの話を語り伝えたそうな。


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