京の一枚

『平家物語』の舞台を訪ねて 長楽寺(ちょうらくじ)~建礼門院出家の寺~


清閑寺から元来た道を通って清水寺に戻る。


ここから清水坂-三年坂-二年坂-石塀小路を通って長楽寺、八坂神社に向かうわけだが、1.7kmくらいの道のり。


素敵なお店が軒を連ねているので、覗いていくのも楽しいだろう。


円山公園脇の坂を登りきると見えてくるのが建礼門院徳子ゆかりの長楽寺。


清盛の娘・徳子は壇ノ浦で子の安徳天皇らと共に入水したが、長い髪が熊手にからみつき、源義経らに助けられた。


因縁の黒髪を剃り落とし、尼になったのがこの長楽寺だ。


徳子は剃髪の際、お布施を何も持っていなかったため、わが子安徳天皇の形見の直衣を幡に縫い直し、上人に渡したという。


寺内にはこの幡を復元したものが展示されている。


一番印象的だったのが、建礼門院像だ。


長楽寺蔵の建礼門院29歳の画像(普段は非公開)をモデルに近年作られたものだが、憂いを帯びた瞳とバックに架けてある「祇園精舎の鐘の声・・・」の平家物語の冒頭の書の掛け軸に心を絞めつけられる。


像の横には無邪気に遊ぶ安徳天皇の絵が。


境内には建礼門院の供養塔と伝わる十三重の石塔がひっそりと建っている。


ここには、彼女が剃髪した時の黒髪が埋めてあるそうだ。


収蔵庫には後白河法皇が寂光院の建礼門院を訪ねた「大原御幸」の大きな絵が飾ってある。


毎年5月には筑前琵琶でかなでる『平家物語』の集い(有料)が行われるそうだ。


建礼門院ゆかりの寺で聞く『平家』の調べは格別の趣があるだろう。


建礼門院は長楽寺より大原の寂光院に移り、安徳天皇や平家一門の菩提を弔いながら余生を過ごした。






住所:東山区円山町


拝観時間:9時~17時。


木曜休み(特別拝観中は除く)


拝観料:500円


TEL075-561-0589




長楽寺ホームページ: http://www.age.ne.jp/x/chouraku/




※このページの掲載情報は、取材時のものであり、現在のもの、歴史上の事実とは異なる場合がございますので、ご了承下さい。


参考としてご覧頂きますようお願い申し上げます。


※写真は全て過去のものです。





















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