問題解決に必要な要素EQ
EQは「Emotional Intelligence Quotient」の略で、日本では「こころの知能指数」といわれています。
1989年に米国イェール大学のピーター・サロベイ博士とニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー博士によって、初めて論文で発表された理論です。
EQは、「人 の態度や物言いなどのあらゆる言動は、その時々における自分自身の感情の状態に大きく左右されている。したがって、このことを意識してうまく利用すること ができるのは一つの能力であり、この能力は誰もが備わっているもの。だから、適切な訓練によって、その発揮能力を高めることができる。」という概念です。
つまり、「自分の『今の感情の状態』を認識し、それをコントロールすることができれば、自分にとって適切な行動をとることができるし、前向きな感情を生み、前向きな行動をつくりだすことができる」
また、「相手の『今の感情の状態』を認識することができて、相手に対して配慮できる言動がとれれば、対人コミュニケーションはとてもうまくいく」・・・ということなのです。
「人には感情があって、理屈通りには動かない。
でも、性格は変えられないが、行動は変えられる!」
と言っているのが、EQです。
今の時代に、なぜEQが必要なのか?
同じようなバックグラウンドの人なのに、人生において成功する人とそうでない人がいるのは何故でしょうか?
些細なことでつまずいて人生を台無しにしたり、仕事で失敗したりする人は、ただ単に運が悪かっただけなのだろうか?
特に優れた知能を持ち合わせているわけでもなく、また平凡な学歴なのに、成功を収めている人は、何が誘因となっているのだろうか?
私達がEQに興味を抱いたのはこんな事がきっかけでした。
社会が抱える感情の問題
現在の社会はコミュニケーション手段が発達しました。
携帯電話やメールなど、人と人のコミュニケーションは容易になりましたが、そのことによって様々な能力を学ぶ機会も失ったといえます。
- 相手との良い関係を作ろうと努力できる時間
- チームで強力して作り上げる達成感
- 助け合う心
- 迷惑をかけてはいけないというやさしさ
- 自分の行動が人に与える影響の範囲
- 言葉だけでは伝わらないしぐさや感覚
- きもちの良い挨拶
- 言葉の雰囲気で伝わる感謝の気持ち
地域社会や家庭が支えてきた感情教育の基盤が揺らぎ、こうした多くの経験を得る環境が減ってきました。
感情のコントロールが不得意な人が増えたことにより、パワハラやセクハラ、暴力などの軽犯罪、モンスターペアレンツ、キレる親や子供など、多くの社会問題を引き起こしています。
感情を動かす多くの機会が生活の中で少なからず減ってきているのは事実です。
教育が抱えるの問題
家庭での教育、学校での教育など。
企業が抱える人材の問題
企業は多くの問題を抱えていますが、そのほとんどは人材に関するものです。
早期離職、機能不全な組織、コンプライアンス違反・・・
企業の人材開発担当者は、会社の将来を担う人材の教育という面を託されていますが、これまでの企業研修だけでは限界があることにも気づいています。
それは、そのほとんどの研修がテクニカルを中心としたものであり、それらが発揮できるかどうかは、個人の基礎能力に依存しているのが現状です。
また一方で、職場風土を改善し、生産性の高い組織を作っていくことが求められていますが、人間関係やモチベーションを改善するにはテクニカルスキルだけでは限界があるということも同時に感じています。
EQはこれを解決します。
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