平機関区の作業日誌

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旧金山トンネルを訪ねて

2007年12月16日 | 無題
お世話になっているdoraさんと、常磐線の竜田-富岡間に残る旧金山トンネルを見に行ってきました。

常磐線のいわき以北には、電化に伴い新しいトンネルに切り替えられたことで、使われなくなった旧トンネルが随所にあります。
そのなかでも旧金山トンネルは最も長く、明治時代の日本鉄道の社紋が残ることで有名で、いつかは訪問してみたいと思っていました。


先ずは富岡側からです。
このような枯れ草のなかを悪戦苦闘しながら進み、ようやく見えてきました。


煉瓦積みの立派なポータルです。
その昔、ここをD50やC51、木造ナハ22000などが通ったのでしょうね。


入り口の真上には、金山隧道と書かれた額がありました。
道の字の左には小さな文字が彫ってあるようでしたが、判読不能でした。


内部はこのような感じです。
上側は鍾乳石のような白い膜に覆われていて、下側は表面が煤で真っ黒になった煉瓦が見えます。


こちらは竜田側の入り口で、富岡側とは意匠が異なるのが分かります。
現在の味気ないコンクリート造りのものと比べ、とても凝った造りになっています。


日本鉄道の社紋は、石で出来ているようです。
周りの煤けた煉瓦と比べ、その白さが引き立っています。


左側には、このような表示板も残っていました。


中の路盤は通常のバラストではなく、コンクリート造りになっていて、枕木も左右のレールで分かれた小さなものが埋め込んでありました。


これは、トンネルを出てしばらく富岡側に行ったところに残るスイッチバック引込み線跡の築堤です。
このような構造物があることに今まで気づかずにいましたが、地元にお住まいのdoraさんにご教示いただきました。
常磐線の北部は殆ど単線ですが、戦時中の石炭輸送のため、各所に列車行き違いのための設備が設けられたそうで、金山トンネルの富岡側にも短い複線区間の跡が残っています。
この引き込み線は、その複線区間の富岡側にあり、末端に向けて上り勾配になっています。
これはおそらく、旧金山トンネルは中間付近がサミットになっているので、行き違いのために退避した上り列車が一旦バックし、勢いを付けてトンネルを抜けるために設けられたのではないでしょうか?
いずれにせよ、新たな発見でした。

ご一緒していただきましたdoraさん、お疲れさまでした。


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3 コメント

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お疲れさまでした。 (dora)
2007-12-17 19:18:55
当日はお世話になりました。

いやいや、ものすごい薮でしたね。
もうしばらくは行かなくてもいいと思いましたが、でも、一度は見てみる価値はあると思わせるものでした。

1人ではなかなか行きづらい場所なので、今回はいい機会でした。
ありがとうございました。

ちなみに、
富岡側の坑門は石造りなんですよ(w
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今度は・・・。 (工房5丁目)
2007-12-17 20:41:58
いわきを過ぎると電化で切り替わった旧トンネルがいくつもありますね、この間、常磐線で初めて仙台まで行ったときにいろいろ発見しました。機会があったら、今度は降りて探検して見たいと思います。
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トンネル探検 (平機関区)
2007-12-17 23:36:50
doraさん:
こちらこそ、ありがとうございました。
ある程度の覚悟はしていましたが、あれほどとは思いませんでした。
でも、苦労して辿り着いた甲斐はありましたね。

富岡側は、写真を改めてよく見てみたら、確かに石積みですね。失礼しました。


工房5丁目さん:
トンネルをはじめ、煉瓦積みの橋桁や駅の倉庫、路盤跡もあちこちに残っていますね。
お出でになる際にはご案内しますので、ぜひご一報ください。

某サイトによればJRに限らず、原ノ町や木戸あたりの山間部には林鉄の遺構も残っているようで、こういうのを訪ねて歩くのも面白そうではありますが、あまり深みに嵌らないように自制しています
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