家にばかり籠っているとやはり旅心が疼く
今年はコロナだけではなく身の回りにもいろいろとあった
行きたい気持ちはいつも今回はやめとこう・・・と
この繰り返しを続けているうちにもう12月
せめて旅日記を繙いてみよう
1993年 6月4日~6日
元伊勢というものが存在することを知ってからいつか訪ねてみたいと思っていた
丹後一宮の籠神社もそのひとつ
古くは丹後の吉佐宮と呼ばれ第10代崇神天皇の御代
ご祭神の天照大御神は宮中からお遷りになり豊受大神とともにお祭りされた
その後天照大御神は現在の伊勢の地へ鎮座されるまで
20数回にわたり各地を転々とされた
その地の跡を元伊勢という
籠神社のすぐそばに「股のぞき」で有名な傘松公園がある
天下の名勝天橋立が天に掛かる橋のように見えるというのだけど
台石の上に立って「股のぞき」するにはちょっと勇気がいる
グループや団体で来ている人たちはどさくさに紛れて歓声をあげながら代わる代わる覗いている
誰もいないようなときを見計らって覗いてみた
感想は.....天に掛かる橋・・・とはいえ奇妙な感覚に襲われたこと
天に掛かるというよりは天に昇るという方がしっくりする
大江山の酒呑童子で有名な大江町に元伊勢神社と呼ばれる三社がある
内宮皇太神社、外宮豊受神社、天岩戸神社がそれで伊勢神宮の元宮と言われている
丹後には三社よりも格式が高い元伊勢の籠神社があるのに
三社の存在を面白いもんだと思いながら
その内宮に行った時のこと
当時、皇太子殿下と雅子さまのご成婚が間近にあり
当局が不穏分子等にピリピリしていたこともあってか
県外ナンバーの愛車は不審者としてどうやら警察に通報されたらしく
お参りして回る後をお巡りさんがチェックして回っている
最初は自分が見張られているとは全く気がつかなかった
なんで後ついて来るんだろう・・・と
そしてやがて軽く職務質問された
「お巡りさんも大変ですね」と余裕をみせて天岩戸神社へ
途中「一願さん」といわれる遥拝所があり
見事なピラミッド型山容の日室岳を拝す
夏至には山頂に太陽が沈むとのこと
外宮でもお巡りさんが来るのかなあと思っていたら
ここでは宮司さんが話好きなのかどうなのかいろいろと質問の雨
端々に危険分子なのかどうなのか
探りを入れて見極めようとしているフシが感じられた
時期が時期だけに得難い経験ではあった
次の日綾部の大本本部に立ち寄ってみたがみろく殿をちらっと拝しただけ
信者ではないので中まで入り込む勇気がなかった
開祖出口なお、聖師出口王仁三郎についてはかなり興味があったので
貪るように何冊もの本を読んだ
日本の近代宗教史を語るのに大本を知らずして語ることは出来ないのではないだろうか
京の町を素通りして琵琶湖へ行き湖に浮かぶ竹生島へ
神聖な場所であることを期待していたのだけど
世俗さをいっぱい抱え込んでいる島だった
考えてみれば聖地と言われるところは多かれ少なかれ荒らされているもの
なぜなら人は皆聖地へと赴くものだから
翌日、多賀大社を訪れるとちょうど御田植祭の日
この日の記録に
「祭りというもの、自分の中にあるものとどうも噛み合わない なぜなんだろう」とある
10年を経た今となっては何のことだか全くわからない
長浜は賑やかな街
豊太閤のゆかりの地
久し振りに観光を楽しんだ
2004年5月14日(金)