腫瘍内科学教室BLOG

杏林大学医学部腫瘍内科学教室

腫瘍内科研究会「精神腫瘍学の目指すもの」を開催しました。

2011年07月14日 | 講演・学会

 

2011年6月10日、埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科 大西秀樹教授をお招きして、

腫瘍内科研究会「精神腫瘍学の目指すもの」を開催しました。

 

大西先生は、がん患者さんやご家族のメンタルケアを行う外来だけでなく、

ご遺族を対象にした遺族外来を開設なさった第一人者でもあります。

 

 

                        

 

  

今回は、大西先生が長年診療してこられた患者さん、患者さんのご家族、

ご遺族の方のそれぞれの症例をもとに、ご講演をしてくださいました。

 

初めに、がん患者さんの症例のお話をして下さいました。患者さんは、

病気や治療のストレスや仕事や家庭等のストレスをかかえて、意欲がなくなる、食欲がない、

めまい等の症状がおき、精神的にも辛い思いで治療を受けているとおっしゃってました。 

 

また、ストレスは、患者さんだけでなく、ご家族やご遺族にも出てくるそうです。

ご家族の場合、介護疲れや治療決定、経済的な事からストレスを感じてしまい、

第2の患者とも呼ばれるそうです。

 

                      

 

 

ご遺族の場合には、遺族外来を訪れて医療的な心身の訴えだけではなく、

人生について先生に相談されることも少なくないようです。

一般的には慰めの言葉であっても、遺族の中には傷ついてしまう場合や周囲からの心ない、

また配慮のない言動に傷ついて悩んでいる人も多くいるそうです。

 

 

                         

 

 

がん患者さんが、最期まで心おだやかに生きるためには、腫瘍内科医、精神科医、コメディカル等の

医療スタッフ全員がご家族や患者さんを支援する事が大事になってくるそうです。

支援するという事は、基本的な事であるけれども、基本的で当たり前な事を行う事が、

今後の医療をレベル高くするために必要であるとお話して下さいました。 

 

大西先生は、新聞や雑誌等のメディアに取り上げられているご活躍ぶりからも分かるように、

とても気さくな先生でした。

 

大西先生、貴重なご講演ありがとうございました。

 

 

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腫瘍内科研究会「緩和ケアの考え方」を開催しました。

2011年07月04日 | 講演・学会

2011年6月1日、埼玉医科大学国際医療センター緩和医療科 奈良林 至教授をお招きして、

腫瘍内科研究会「緩和ケアの考え方」を開催しました。

 

                               

 

 

WHOが示す緩和ケアの定義や、緩和医療と緩和ケアの違いといった緩和ケアの

基礎的な知識を踏まえながら、「緩和ケアは非がん疾患を対象としないのか?」

「緩和ケアは、がん治療をしている間は提供しなくてよいのか?」「緩和ケアは、全てのがん診療医が

身につけるスキルか?」等、緩和ケアにまつわる6つの疑問について講演して下さいました。

 

                            

 

早期に緩和ケアを行う事や患者さんだけではなくご家族にもケアを行う事が必要であり、

そしてがん治療を行う全ての医師は緩和ケアスキルを身につける事が

非常に重要となってくるというお話でした。

 

緩和ケアの実践には医師だけでなく様々な職種との連携が必要となってきます。

今回は医師や医学部の学生だけでなく、薬科大の学生や看護師の方にもご参加いただきました。

 

                           

 

奈良林先生、貴重な講演をありがとうございました。

 

    

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腫瘍内科研究会「がん治療における精神的側面」を開催しました。

2011年07月04日 | 講演・学会

2011年5月20日、埼玉県立がんセンター 精神腫瘍科 和田 知未先生をお招きして、

腫瘍内科研究会「がん治療における精神的側面」を開催しました。 

 

がん患者さんの50%が精神障害を患い、がん治療だけではなくメンタル面のケアが必要となります。

がん患者さんががんと告知されてからの心の変化やうつ病・せん妄・適応障害といった

3大精神障害について等、がん治療における精神的側面についてお話して頂きました。

 

                            

 

 

 

症例を元にしながら、精神障害の症状から、原因、治療方法、そして患者さんへの

接し方について学びました。精神腫瘍学は合併症の減少に繋がっていったり、

患者・患者家族のQOL(Quality of Life)をあげる効果がある可能性もあるそうです。

 

                            

  

 

和田先生は関西ご出身で、親しみやすい関西弁で、医学部学生に質問を投げかけながら、

細かく分かりやすく講演をして下さいました。

医学部6年生の北田くん、夏目くん、奥村くんも真剣に講義を聴いていました。

 

精神腫瘍学は新しい分野ですが、これからより発展していく分野であると思います。

 

和田知未先生、貴重な講演をありがとうございました。

 

 

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