2012年4月18日、5月16日と2回に渡り、
国立がん研究センター中央病院 精神腫瘍科 藤森麻衣子先生をお招きして、
腫瘍内科医局研究会「がん医療におけるコミュニケーション」を開催しました。
第1回目は、がん医療におけるコミュニケーションの概要と医療の現場を座学中心の講義、
第2回目は、DVDやロールプレイングで講義をして下さいました。
今回は、第2回目の講義を聴講した学生2名に感想を頂きました。
今回、藤森先生の講義を聴いて、臨床現場でのコミュニケーションの重要さが
より分かった気がします。がんの告知と患者さんの心理についての話から始まったのですが、
がんの告知をされた患者さんは、生活が出来ないくらいの心理状態になってしまうそうです。
大部分の方は、そこからせん妄うつ病になってしまいます。この分かれ道のどちらに向かうのかは、
医療従事者の影響が大きいと思いました。がんの告知の仕方や、その後の対応で患者さんの
がん・死に対する不安や恐怖が大きくなり、これらの精神症状が出てくるのだと思います。
ここで重要なのがコミュニケーションです。今回は、この手段も講義・体験を行いました。
目線や距離感について実際に体験してみると、その影響力を身で感じる事ができ、簡単なことですが、
とても大切だと思いました。他にも、知識だけでは患者さんに伝えたい事が伝わらない。
心があっての知識なのだと感じました。
今後、臨床の現場で働きたいと思っているのですが、知識が必要なのは当たり前なのですが、
この心というものもしっかり養っていきたいと思いました。
がんの告知によって、自殺や心疾患で亡くなるリスクが増大することに驚いた。
その為、がんの告知による適応障害や、大うつ病の発症による自殺防止をするために、
患者の気持ちを考えながら言葉を選んで伝えるコミュニケーションスキルを身に付けることが重要で、
さらにその後の精神ケアも大切であることを知った。
診察において距離感(パーソナルスペース)や目線により、患者に圧迫感を与えてしまうことがある。
実際に体を動かし、体感することで、楽しく理解できた。
藤森麻衣子先生、貴重な講演をありがとうございました。
杏林大学医学部腫瘍内科学教室のホームページ
http://www.mokuniv.com