SWORD中央ラボ分室

『アストロミゼット』HPブログ出張版
自企画の紹介が主ですが「小サイズ可動フィギュア」の可能性も広く研究しています。

【開発記録】ハンドル問題

2018-10-09 12:56:48 | Laboratory
『グラニ』の商品生産と通販発送準備を進める金曜の夜の事、知人からメールが届く…。

「新作のバイクのアレ、ハンドルのグリップはABS埋め込みじゃ無くても良かないか?」





…そー言われてみると、その通りかも!?

これまではフィギュアにハンドルを握らせる時、力余ってグリップを折ってしまうのではないか?という危惧の下、グリップにもジョイントに使われているABS棒を埋め込む事で強度を高めていたのですが、以前にも述べてはきたのですが、改めて考えるとこれが意外とデメリットが多い…。

1・白色しか用意できない…以前には市販されていた黒色のABS棒が手軽には入手しづらくなっている事。

2・塗装の難点…ABS自体は決して「塗装できない素材」ではありませんが、やはり市販の模型用塗料を用いた場合塗膜の定着が悪く、またグリップという用途上どうしても塗装が剥げ落ちやすくなってしまう事。

3・サイズの問題…どういうわけか3㎜のABS棒は径のサイズにばらつきが多く、これまでもジョイントとして用いるのを敬遠してきた経緯がある事。

…等々、特に3に関して、現在使用しているABS棒が3㎜となっているものの、実際には約3.2㎜ほど太さがあります。
ミゼットはベータ、イプシロン共に本来グリップサイズが2.5㎜となっており、0.7㎜のサイズ差は少々手首の構造に負担を強いてしまいます。


そこまでデメリットを抱えてまでABS埋め込みにこだわるべきか?
指摘を受けて少し考えてしまいました。
ではABSのメリットは?と言えば、それを用いる事による強度…ですが両端をつなげたロの字構造と、わずか1㎝弱のグリップのスパンを考えれば、強度的には(楽観は禁物ですが)充分なのではないか?とも考えられるのです。

それならハンドルは埋め込み無しのオールレジン製にしてしまえ!…という結論になりそうでしたが…、おっとそれでは2の問題が解決していないぞ?






…で、この短い時間で考えました。

「それならば、カラーレジンの棒を埋め込んでしまうのはどうか?」と。
そこで思いついて、こんな素材を調達してきた。

「メッシュパイプユニット」という模型用のデコレーション素材で、柔軟性を持ったガラスチューブだそうな。
おあつらえ向きに径のサイズは2.7㎜、これくらいならば許容範囲だ。
何よりも表面の網目の模様がいかにもグリップ向き♪フォルム的には申し分ない。
もちろんこれをこのまま埋め込むのではなく、着色したレジンで複製を取ってそれを使おうという寸法だ。
恐らく複製に際して、ほんの僅か縮小するであろう…だがそれも込みで丁度良いサイズに仕上がってくれるものと予想できる。

できれば現在用意している発送分にはこれを導入したい…時間が限られているので早速型を取って複製の準備を…




…だが思いつきは良かったものの、事はそうすんなりとは行ってくれなかったのである…(続く)

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