オールドレーシングカー談義

1950~1970年代のレーシングカー、その他のマシーンについて語り合うブログです

ムスタングの魅力(その3)

2009-04-30 | デザイン

F1は、しばらくポリティカルな問題が続くと思います。大勢に影響無しとなるのか、根本的に構造が変わるきっかけとなるか。静観して、話題を変えてみましょう。
 ブログ「消え行くアメリカ車たちを追って」のhiroさんのブログ(04/21付け)で、ムスタングⅡのことが書かれていました。私自身、ムスタングⅡは無闇に小型化してあるべき姿を見失ったモデルだと思ってました。良いクルマだとは云えないと思います。が、コンパクトなパーソナルカーとしては、それなりの良さを持ったクルマだったのですね。年間30万台が売れたとは知りませんでした。しかし、改めて感じたのは、初代ムスタングに比べて「線が細い」ことです。初代の上にトレーシングペーパーを被せてなぞった様に見えます。その例えからすると、現在のモデルは初代にオッカナビックリクレイを盛ってリバイバルさせている?初代の魅力は、「コンパクト、カジュアルでクラスレスでありながら、男性的で力強いスタイル を持っている」。しかも安価であったことだと思い知らされます。男性的なスタイルであることを、女性ドライバーは気にしない。ワゴンRの時と同じかと思います。女性ドライバーは、アメリカでも路上でいじめられるのかしら。
 そこで、例によって並べ遊びをやってみました。初代ムスタングの男性的スタイルの魅力が、浮かび上がる気がします。

 
1955 THUNDERBIRD   今見ると、コンパクトでPopな魅力にあふれていますね

                 
                 1963THUNDERBIRD あっという間に大型化

 
1964 MUSTANG   大型化したサンダーバードを見直して、コンパクトに原点回帰した事が分かる。

                   
                 1969 MUSTANG MACH1 またもあっという間に大型化

                                        
                                     1969 マヴェリック  GMタッチでデザインしたポニーカー
                 大ヒットしたが、今は忘れられている?

 
1974 MUSTANGⅡ   もう一度コンパクトに原点回帰。でも線が細い。

                 
                1979 MUSTANG パーソナルカーとしては、これで良い?
                           でもムスタングかな?

               
               1988 プローブ 本当はムスタングになる予定だったが、
                  ムスタングではないかも。GMデザインのヨーロッパ
                  コンプレックスが、フォードにも及んだといいますか。

 
1993 MUSTANG   初代の精神のみを受け継いで新しいスタイルを創造?その意気や良し。

                
             1991 プレリュード   アレレ,ムスタングに影響を与えたかな。
                  この様に洗練することが正しいか。迷ったでしょうね。

 
2005 MUSTANG   初代のリバイバル。レトロ路線は難しい。私は、苦しくても1993年型の道を推し進めるべきだったと思います。

 レトロ路線が好ましいリバイバルとなるか、単なるフェイクになるかの境目は、紙一重ですね。次回のムスタングのモデルチェンジは、非常に難しいでしょうね。VWグループは、ゴルフベースのファンカーであるAUDI-TTとニュービートルの内、TTは、独自に発展させました。しかし、ニュービートルのモデルチェンジはどうするのでしょう。同様に非常に難しいと思います。
 1964年、1974年、1993年、2005年と較べると初代の男性的スタイルの力強さが際立っています。これを越えるには、精神のみを受け継ぎ、独自のスタイルを創造することが重要では。
  一方で、初代サンダーバードのPopな魅力も良いですね。ビートルズ以前のポピュラーソングの楽しさと言いますか。
                                  4月28日
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              ニュービートルと初代AUDI-TT
 こうして見ると、どちらもゴルフベースのファンカーなんですね。AUDI-TTは、スポーツカーとして発展させようとモデルチェンジしました。しかし、ニュービートルは、どの様な方向でモデルチェンジすれば良いのやら。
                                     4月30日




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3 コメント

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Unknown (hiro)
2009-04-28 16:06:16
FVAさん、こんにちは。
確かにマスタングⅡは線が細い・・・コレは否定できない事実ですね。既に元があるものをデザインするというのは、簡単な様で、逆にかえって難しいのではないでしょうか?現行モデルも、正に仰る通り、おっかなびっくり・・・デザインした印象があります。

ところで、プレリュードを持ってきたFVAさんのセンス!私も、あのプレリュードが出た当時、何処と無くマスタングとの共通点を感じ、いずれ登場するであろう次期マスタングの何かを見た思いがしたものでした。

79年のマスタングは、当時の一般的な車って感じですね。ヘッドライトが角型になり始めた頃のデザインです。コレは、一度もカッコイイと思った事がありませんが、実は非常に軽快で良い走りをする車で、アメリカでは根強い人気がありました。

私も、先代のコンセプトで、もう少し「美的センス」を持って洗練させれば、むしろ現行のレトロデザインよりも、遥かに良いと思いました。レトロとは言え、所詮ニセモノはニセモノです。

マスタングという車、男性的でありながら、本当に老若男女問わず支持された車で、事実80歳位の女性のお客さんもいらっしゃいました。そして、それがカッコイイんです。そういう車、意外と無いですよね?

当初、同じセグメントで登場したカマロでも、そうは行きませんでした。

因みにマスタングⅡって、何かに似てませんか?

後に登場する初代のアコードは、かなりデザイン的に影響受けていると思うのです。マスタングⅡの生産第一号が、本田宗一郎氏に寄贈されている事実もありますし・・・(当時ホンダが日本でフォードの販売を行っていた関係からと思います)。

そして、アコードといえば、後にクラスレスの車として、アメリカで大人気を博すことになりました。
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長かったですね (FVA)
2009-04-28 22:33:27
どうも、コメント有難うございます。随分ながながとかかりましたが、ムスタングについて一通り語った様な気がします。安物の大量生産車の筈なのに、色々な事を考えさせる車です。交通システムとしてだけでなくエモーショナルな面を強く持つ車というものの面白さですかね。しかし、80歳のお婆ちゃんの運転する姿を想像するだけで楽しいですね。多分ベージュのコンバーティブルかな?
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コンパクトでマッチョなものは難しい (片山)
2011-01-13 23:22:11
1979のムスタングは14年持続して販売できたのでこれも名車です。ただ、都会的すぎるわけですよ。初代ムスタングはアメリカ的な大きいスケールの風景の中で映えるシンプルさが魅力なのです。
レトロデザインはビクビクしながら線を引くのでこういうシンプルさを持てないのです。
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