オールドレーシングカー談義

1950~1970年代のレーシングカー、その他のマシーンについて語り合うブログです

スズキ、VWとの提携解消(追3)

2011-10-01 | ビジネス・政治

スズキ、VWとの提携解消 自己資金で自社株買い取り

 スズキは12日開いた取締役会で、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)との資本・業務提携を解消することを決めた、と発表した。両社は2009年12月に提携したが、筆頭株主としてスズキを傘下と見なすVWと、独立性を主張するスズキの認識の溝が埋まらず、対立が目立っていた。
 VWはスズキ株約19.9%を持ち、スズキもVW株約1.5%を持つ。東京都内で記者会見したスズキの鈴木修会長兼社長は「独自でコツコツやって現在の規模になった。他社に依存しないのが哲学で、それを曲げることはできない」と述べた。スズキは自社株を自己資金で買い取り、VW株も同社の意向に沿って売却する方針だ。
 ただ、VW側はまだ提携解消を決めていない。VWの広報担当者は朝日新聞に「スズキとの提携を重視しており、現段階では株式を売却する予定はない」とコメント。今後の協議が難航する可能性もある。
 スズキは1981年に米ゼネラル・モーターズ(GM)と提携したが、GMの経営悪化で08年に解消。VWとの提携に切り替えるなど、巨大メーカーから技術・資本面で協力を得て独立路線を維持してきた。 ただ、世界販売3位のVWは、1位のトヨタ自動車、2位のGMを追い上げている。スズキをグループ企業の一つとしてVWの世界戦略に組み込もうとする意向が強く、両社の関係は急速に冷え込んだ。
 スズキは当面は独立路線を維持し、ハイブリッド車など環境対応車の開発を進める。ただ、巨額の開発投資を賄うため、将来はVWに代わる提携先が必要になる可能性もある。小型車開発のノウハウが豊富で、インドなど新興国に強いスズキが、新たなパートナーを求めるかどうかに注目が集まる。(橋本幸雄)------- Asahi.Com
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ギクシャクしていたスズキ、VWの提携が解消の方向に進みました。VWは、スズキのローコスト生産技術、ハンガリー、インド等の生産拠点が魅力だったでしょう。スズキは、VWの環境技術、EV・エンジン技術が取り入れられると考えたでしょう。様々な面で相互補完が期待出来る提携だったと思います。魅力的な提携だと思いました。過去のブログでもそう書きました。ところが、VWは、スズキをセアトやシュコダの様な関連子会社と同等の存在と見做したのでしょう。対してスズキは、VWと同等の立場を主張した。最後までスズキはVWの子会社となることを拒否した。その表れが、スズキがFIATとエンジン提携を行おうとし、VWはそれを違反と見做した。その時点でスズキは、破談と判断した。その様な意識のズレは、提携直後に表れた。スズキは発売直前だった初の大型乗用車「キザシ」を中止し、VW系に置き換えると報じられた。ところが、早い時期にVW系モデルを導入することは、子会社化を認めることになる。敏感にその事を感じたスズキの経営陣は、あえてキザシを発売した。キザシは高級車と報じられていましたが、決してそうではなく、カムリ、アコードクラスのベーシックセダンです。昔のFORDギャラクシーなどのBread&ButterCarに相当します。そのクラスにスズキがパサートをVWの代わりに米国市場で発売し、失敗することは意外に大きな痛手になる。その後、ハンガリー、インドの工場でVW小型車を生産することは話し合われたでしょうか。何も実現していません。最初から意識のズレは、明確だったのでしょう。スズキ経営陣のサバサバした表情がその事を物語っていると思います。
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提携時のブログ ----->  ココ
結局、スズキの「強気」の背景には何があるか。2000億のキャッシュを出せるという財務体質の強さがひとつでしょう。更に、スズキがVWと提携した理由が、VWのエコ技術、エンジン技術にアクセス出来ることにあった訳です。しかし、「子会社」と見做すVWの態度から、容易にアクセスさせて貰えないと判断したのかもしれません。一方で軽乗用車をOEM供給しているマツダが、低燃費技術を出してきた。これを相互供給の形にすることもあり得る。EVは、同じくOEM供給の関係にある日産と電池規格に協力する手もある。ハイブリットは、自社のシリーズハイブリット(私、結構これが好きなんですが)がある。エコ技術は、そろそろ正解はどれかという段階に入ってくるのでVWに縛られない方が良いかもしれない。
 そんな事も考えます。マスキー法の時に、GMが3元触媒を出した時期にさしかかっているかもしれません。正解となったものを効果的に取り入れた方が良いかもしれない。
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 フランクフルトショーを見てみると。VWがUP!シリーズを生産開始したのが目立ちます。コンセプトカーから生産車への移行が早いなと思います。通常のエンジンから始まっています。しかし、天然ガス版、EV版も控えている。ルポ、ポロの名を使わず、新しい名にしたところが、時代の変革を意識していることを覗わせます。これを見ていると、VWはSUZUKIにUP!を生産させたかったのだなと思います。ポロ、ルポでコスト高に苦しみ、結局ブラジルを生産拠点にして、フォックスを輸入しました。そこで、UP!では、スズキのハンガリー工場で作ることを考えていたのでは?ということです。更に、スズキのインド工場で作ってインド市場での遅れを挽回する。
 しかし、スズキにしてみれば、これはスイフトの生産を阻害しかねない。スイフトで車作りのレベルを上げ、評価を高めた。ここでスイフトを縮小、廃止してしまえば、それこそ子会社になり兼ねない。これは絶対阻止しなければいけない。キザシを販売開始し、スイフトを守った段階で提携は、行き詰まりになったのでは。ところで、UP!シリーズを見ていると日産Be-1を思い出してしまいました。次期車種を出す時、コンセプトカーで新しい試みを行い、市場反響を見ます。その後市販バージョンを出す。似てますね。デジャブーというやつですか。ピエヒは日本を敵視しつつ日本の価値を認めていた。
suzuki スイフト
          VW UP!EV(天然ガス版もあり)
VW UP!
FIAT パンダ2011

 更にFIATパンダの新型を並べてみると。似てません? 背後にピニンファリナ(どうなったのかな)が控えているのかしらん。2代目日産マーチへのモデルチェンジの時、FIAT・UNOとバッティングを演じてしまったジウジアーロのことを思い出してしまいます。日産が3代目マーチのモデルチェンジに際してBe-1を先行して出した理由も、そんな所かな。
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上記の両社のモデルの比較を続けてみると

  VWパサート

   SUZUKIキザシ   同じ様でいてちょっと違う。アッパークラスとも言えるパサートに対して、Bread&ButterCarのキザシ。キザシの代わりにパサートを米国市場で売ったら、失敗したかも。
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VW、スズキの反論書に回答 協議に進展なし  2011.9.30 19:00

 スズキは30日、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)から、スズキが出した資本・業務提携をめぐる反論書の回答を電子メールで受け取ったことを明らかにした。スズキの広報は「内容はコメントするほどものではない」(同社広報担当)としており、協議の進展はなかったもようだ。
 VWは今月11日、スズキが伊フィアットからディーゼルエンジンの供給を受けることは、VWとスズキの提携での契約に違反しているとスズキに通告。これに対し、スズキは22日に「提携契約の違反はなく、スズキの名誉を傷つける」との反論書をVWに出した。30日までに契約違反とした通告を取り下げるよう求めていた。
 回答が文書ではなく簡易な電子メールだったことは、スズキが契約違反しているとの認識をVWが変えていないことを示しているともいえ、対立はさらに長期化しそうだ。
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VWはスズキを手放す考えが無いみたいです。余程スズキ(ハンガリー工場、インド工場?)が欲しいのでしょう。タフな交渉になるのでしょう。株式の公開買い付けまで行くのでしょうか。
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