諏訪山岳会公式ブログ

諏訪地域の山好き、クライミング好きが集まって、ウラヤマからヒマラヤまで四季を通じてオールラウンドに活動しています。

北穂高岳 滝谷ドーム中央稜

2021年08月31日 | アルパインクライミング
日時:2021年8月28日~29日
メンバー:F見、O石(記)

夏の終わりに、憧れの滝谷へクライミングに行って参りました。
8月28日
上高地からのんびり入り横尾から涸沢に正午に到着。
ここまでは快晴の空の下、快適に進むも、午後から降り出した雨の中、南稜を登って北穂の幕営地に着いたのは既に15時を回っていました。雨のせいか気分も盛り上がらず体力が随分と奪われました。


8月29日
夜明け前に早々にテントを出発。
涸沢岳に向かう縦走路のクサリ場を降りて、滝谷に降りる分岐にAM6:00着。
明瞭な踏み後を頼りに凹角のクライムダウンを交えて3尾根を下り
登攀終了点のT1から懸垂で25m下がるとT2。


T1の真新しい捨て縄が人気のほどをうかがわせる。


そこから少しトラバースするとドーム中央稜の取りつき点につきました。ここまではトポ通りの明瞭なアプローチで助かりました。


AM7:00
登攀開始。1ピッチ目Ⅴ-40m O石リード
凹角から入りそのままチムニーを経てバンドでビレイ。今回はオールナチュプロにも対応できるよう♯0.4~♯4まで2セットのカムを持ち込みましたが、途中に豊富なハーケンがあり、カムの出番は無し。後にも先にもここのビレイ点で2つ使っただけでした。


2ピッチ目 Ⅳ40m F見リード
階段状のカンテを右から入り垂直のカンテを左に出て急なスラブを登る。




3ピッチ目はリッジを50mほどトラバースして(O石リード)

4ピッチ目 Ⅳ40m F見リード
ここは凹角を直上しチムニーを越えて右に出る。




最終の5ピッチ Ⅳ 40m O石リード
やはり凹角を登り小ハングを右に…とトポにはあるがそのままクラックを交えて直上してAM8:40終了。


夏の快晴でも始終アウターシェル無しでは登れない寒さが滝谷の厳しさを物語っていました。

このルートは夏にクライミングシューズで登るよりも、冬にアイゼンを交えてガシガシ挑むところに神髄があるように思わせる正統アルパインルートに感じました。

そもそも冬にここまでたどり着くことさえチャレンジングなので、自分にはハードル高すぎですが…

申し分ないコンディション且つ我々以外他にパーティもいない貸し切りの贅沢な1万尺クライミングを堪能しました。

鳥も通わぬ岩の墓場 滝谷
有名なこのフレーズを耳にしてからずっと触りたかった滝谷。
ほんの一部ですが触れることができ感無量です。

北穂高岳 滝谷ドーム中央稜
ありがとうございました。

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