稲を刈る夜はしらたまの女体にて 平畑静塔 「天狼」
「天狼」とある限りは、静塔の句集には未収録の句だと思う。
句は上五で切れるのだろう。《稲を刈る/夜はしらたまの女体にて》
《稲刈の夜もしらたまの女体にて》と一元で詠み下す手もあるだろうけど、
「も」がウルサイ気がしなくもない。
能村登四郎にも同様の句がある。
梅漬けてあかき妻の手夜は愛す 能村登四郎 『咀嚼音』
静塔の句には、「夜は愛す」なんて甘い言葉はないが、
性愛的イメージは、静塔の句の方が強い印象を受ける。
癒しというか、贅沢、満足の行く娯楽も少なかった時代、
稲刈りで疲れていても、その夜は男女間の肌の触れ合いこそが癒しだったのだ。
こんなことを書くと、いい齢をしてと思われるかもしれないけれど、
家族が共にいる時は「母」「嫁」でも、夫婦だけの時は「女」であって欲しい。
僕がどうこう言うこととは違うかもしれないが、
周りの話を聞く限り、今の夫婦は性的交わりが少なすぎると思うんだけど。
能村登四郎の句とて、《梅漬けてあかき妻の手/夜は愛す》
ということは、その紅く染まった手だけではないわけで、
その先は夫婦の根源の営みへと行き着くのだろう。
愛妻俳句といえば、やはり中村草田男だろうけれど、
このおっさん、ようもここまでという感じがする。
妻抱かな春昼の砂利踏みて帰る 草田男
妻二タ夜あらず二タ夜の天の川 〃
虹に謝す妻よりほかに女知らず 〃
お弟子さんのT中宏さんに訊ねたことだけど、
それだけ、草田男が純粋だったということでしょう、とのことだった。
ご自身は「あんな句、恥しうて、私は作りませんけど」だったけど。
「妻よりほかに女知らず」、本当としても、白々とよう言うわと思ってしまう。
民主党のホープ・細野豪志とニュース23の新キャスター山本モナの路上キス、
【活動報告】 山本モナと路上キス、その後…… なんて様にならない。
男と女の関係は、いつの世も、いつの夜もミステリアスである。
28日。
爽やかな一日。
夕食。
炒飯と搾菜でビール1本。
夜は、体育振興会の協賛金のお礼・プログラム配布の段取り、
結局、町内の運動会の練習には参加出来ず。
家に帰ってから、お茶漬け一杯。