みちのくの蚯蚓短かし山坂勝ち 中村草田男 『来し方行方』
字余りが効果を上げていると言われている句である。
確かに、「山」「坂」「勝ち」2・2・2が短かめの蚯蚓のシナリを感じさせる。
「みちのくの」での打ち出しの句は多い。
みちのくの淋代の浜若布寄す 山口青邨
みちのくの雪深ければ雪女郎 〃
みちのくの伊達の郡の春田かな 富安風生
みちのくの星入り氷柱われに呉れよ 鷹羽狩行
いずれもいい句だと思うけど、何か「みちのくの」と打ち出すだけで、
そこそこの俳句になりそうだから不思議なものだ。
ところで、ここに挙げる句は、主にこの間発売になった、
『角川俳句大歳時記 夏』から拾っているんだけど、
この「蚯蚓」の項(502頁)に、
空き缶の蚯蚓に雨の降り始む 梅田津 「遠矢」
とある。誤植ですよね?
29日。大阪句会へ。
京都からの7人出席を含めて、21人での句会。
京都支部句会とは違って、合評と言っても和気藹々の雰囲気。
今日の表題句は出句の中の一句。
もう海の見えぬ花付胡瓜かな
と、どちらがいいのか、まだ迷っている。
終了後、大阪ガスの施設内でのイタリア料理へ。
ビール、赤ワイン等、ふんだんに戴き、更には追加料理まで。
厨さん、お世話様、ありがとうございました。
あと、梅田のスナックでカラオケ。
愚(フォーク系)、和人(デュエット曲)、厨(ど演歌)、僕(何でもあり)、
全部で相当曲、歌ったように思う。
終電より少し早い阪急電車で帰路に。
30日。超結社の勉強会へ。
「子規の絶筆三句」の謎を解く、そんな感じのこと。
発表者が高校の校長先生をされている方(俳人)ということで、
さすがに話は上手く、興味深い発表だった。
後半はその発表に対するディスカッション。
岡山のN美さんから頂戴した大冊で予習していったので、
少しは議論の中へ入っていくことが出来た。
僕はあの三句は絶筆となったけど、辞世ではないとの判断。
終了後、「樽」→「米」→「京めん」といういつものコース。
一人帰り、二人帰りして、最後はいつものようにT中宏さんと僕の二人だった。