ここセントシュタイン城下町では最近、創作の英雄物語がちょっとした流行らしい。吟遊詩人が街角で物語詩を歌ったり、もちろん書物にもなったりしている。
しかし、中にはハマりすぎている者も居るようで・・・。
「ホントうちのダンナには困っちゃうわ」
リッカの宿屋に配達に来た、精肉店の女房がぼやいた。
「どうしたんですか?」
リッカが伝票にサインしながら首を傾げると、彼女は溜息をついて答えた。
「ほら、最近伝説の勇者の物語とか、けっこう流行っているじゃない?うちの人も夢中になって読んでいたんだけど、それが高じて、自分も冒険まがいの小旅行にちょいちょい出かけるようになっちゃったのよ。・・・って言っても、『伝説の装備』って称したガラクタ武器防具を買ってくるだけなんだけどね」
「そうですか・・・。じゃ、お店は?」
「別にあの人が留守でも、ちゃんとやってけるんだけど、問題はそこじゃあないのよ」
と、女房はまた大きく溜息をつく。
「うちのダンナったら、ガラクタ装備一式集めてようやく終わったと思ったら。大魔王を倒すには、『女神の羽衣』も必要とお告げがあった、なんて言い始めてね~。今度の旅はちょっと長くなる、とか何とか言っちゃって」
「それはたいへんですね」
リッカも女房と同じように憂い顔になると、精肉店の女房は、ふとリッカをじっと見つめて言った。
「そうだわ、ここ、凄腕冒険者もたくさん集まるのよね!ねえリッカちゃん、その中の誰かに、何か女神サマの羽衣っぽい物、手に入れてきてもらえない?そうすれば、うちの人も気が済むと思うのよ~」
「じゃあ、とびきり最高の冒険者に頼んでおきます☆それに最高のエージェントも居ますし♪」
リッカはそう満面の笑顔で答えたのだった。
その日の午後、スタッフの憩の時間、ちょっとひと休みタイムに、リッカはその話題を出した。
「・・・という訳なんだけど、ロクサーヌさん、何かそれっぽいの入荷してない?」
するとロクサーヌ、いくらか面目無さげな口調で答えた。
「あらあ・・・私としたことが。『あくむのころも』はあるのですけれど、呪われた物ではいけませんわね・・・」
ミミは、装備品袋をがさがさ探してから溜息をついた。やっぱり、ない。昨日まではばっちりあった、「セレシアのはごろも」が。よりによってサンディが今朝、「おねーちゃんとたまにはおそろコーデでお出かけ~♪」と借りていったのだ。
「ごめんねリッカ・・・」
ミミが申し訳なさそうに謝ると、リッカも劣らず申し訳なさそうに首を振った。
「ううん、私こそ、勝手に安請け合いしちゃって、ごめんね・・・。すぐ断ってくるから」
「待って、リッカ」ミミはふと思い立って、言った。「『あくむのころも』があれば、錬金でどうにかできるかも!ロクサーヌさん、いい?」
「もちろんですわ☆」
こうしてミミは、クエスト「女神の羽衣っぽいもの」を引き受けた!
まずミミは、「あくむのころも」を、「せいじゃのはい」を使って「セレシアのころも」に錬金するという、地味な作業から始めた。
「え~と、これを『セレシアのはごろも』に錬金するには・・・」
「『しんかのひせき』一つと『天使のはね』が七つが必要でございますお嬢様」
カマエルが答える。
「あ~、そういえば、けっこう錬金たいへんだったっけ・・・」
材料の数が足りないので、素材を集めに行かなくてはならない。と、そこへ。
「ミミ、『天使のはね』なら、何枚かあるぞ」
そう言って手に天使のはねを持っているイザヤールが現れた。
「イザヤール様、それはどこで・・・」
と、聞くだけ野暮だった。カウンターの端で、ラヴィエルが手を振っている。
こうして無事天使のはねは手に入ったが、しんかのひせきに使う「天使のソーマ」が一つ足りなかった。よりによって昨日、長寿の薬として田舎のお母さんに送ってあげたいという青年に、渡してしまっていたのだ。
「なんか今回はタイミングが悪い気がするの・・・」
しょげるミミを慰めるように、イザヤールは彼女の頭をなでた。
「そういう日もあるさ。私も手伝うから、気長に材料集めに行こう」
「・・・はい」
そうだよね、天使のはねはラヴィエルさんのおかげで順調に手に入ったし。悪いことばかりじゃないよね。
「そうですよね。それに、天使のソーマの材料も、星のカケラが一つ足りないだけだし・・・あ」
ミミは、星のカケラの材料を探して道具袋をひっかき回して、固まった。
「『よるのとばり』が、一つ足りないの・・・」
そうだった、一昨日、ハロウィンの衣装に使いたいって女の子に、あげちゃったんだった・・・。
でもでも、よるのとばり一つを探しに行けばいいんだから。そう考えることにして、ミミはイザヤールと共に、それが採取できるオンゴリの崖に向かった。
ところが。オンゴリの崖に着くと、ある筈の場所に、よるのとばりはなかった。
「え、なんで?」
イザヤールと顔を見合わせてからなんとなく振り返ると、辺りを歩いている何体かのトロルの服が、真っ黒だった!
「オ・・・オラたちの間では最近、よるのとばりを着るのが、と、とれんどなんだな・・・」
トロルのうちの一人が言った。
何でこのタイミングで流行っちゃうの~。思わず涙目になるミミ。
「ミミ、泣くな、グビアナ砂漠にもよるのとばりはあるからっ」
イザヤールは慌てて言って、アギロホイッスルを吹き鳴らした。
幸い、グビアナには辛うじて一枚よるのとばりは落ちていて、ミミもひと安心した。
「これからは、もっとちゃんと錬金材料ストックしておきます・・・」
彼女がしゅんとして呟くと、イザヤールは苦笑して答えた。
「いや、おまえはいつもちゃんと集めているじゃないか。今回はたまたま頼まれごとが多くて、重なってしまったから仕方ないさ」
それでも釈然としない表情のミミに、イザヤールは囁いた。
「では明日から、しばらく錬金素材集めに集中しようか。・・・二人きりで」
「え・・・いいんですか、イザヤール様?」
「もちろん」
明日から、しばらくイザヤール様と二人きりで旅・・・。ミミのしょげた顔はみるみる晴れやかになり、嬉しそうにイザヤールの腕に自分の腕を絡め、頬を寄せた。
そんなこんなでいろいろあったが、ようやく「セレシアのはごろも」は完成し、リッカは大喜びだった。
「ありがとうミミ、ロクサーヌさん!さっそく、お肉屋の奥さん呼んでくるね!」
精肉店の女房も、セレシアのはごろもを見てとても喜んだ。
「あら~、キレイなもんだね~。これならうちの人も納得するわ、ありがとう、ミミちゃんたち」
一緒に来てうちの人に渡してくれる?と彼女に頼まれ、ミミたちがぞろぞろとついていくと、精肉店の亭主は、皮の鎧に身を固めて、ちょうど出かけようとしていたところだった。
「あんた!出かける必要なくなったよ!ほら、女神サマの羽衣!」
女房が「セレシアのはごろも」を差し出すと、亭主は目を丸くしてから、それを手に取り、しげしげと見つめて言った。
「ううむ、これで大魔王を倒す装備が揃った!後は、空飛ぶ絨毯を残すのみだ!」
それを聞いてその場に居た全員、ずっこけた。
「あんた!いい加減にしてよ!」女房は泣き出した。「アンタは勇者サマじゃないのよ!・・・それとも何、あたしとの生活が不満だから、そんな逃避をしてるわけ!」
すると、亭主は驚いたように目を見開き、そしておずおずと答えた。
「バカ言え・・・違う、俺はな・・・俺は」彼はうつむいた。「俺は、ただ・・・おまえが自慢できる男に、なりたかったんだ・・・」
「バカはあんたよ」女房は泣き笑いした。「あたしは、あんたが肉屋の亭主やってくれれば、それでいいの!」
「そうか・・・すまねえな・・・」
彼は照れくさそうに頭を掻き、呟いた。
「悪かった。ちょっと英雄物語に夢中になりすぎちまって、頭に血が上ってたみたいだ」
勇者を目指すのも諦める気はないがほどほどにするよ、そう言って亭主は頭を下げた。
「まったくこのひとったら懲りないわ」女房は鼻をすすりながらも、笑って言った。「ホントにほどほどにしなさいよね」
そして夫婦は、巻き込んだお詫びにと、野外での旅に必要な「干した燻製肉」をたくさんくれた!
こうしてミミは素材集めの旅の食糧を手に入れ、ロクサーヌはあくむのころもがセレシアのはごろもに代わりホクホクし、リッカはこれまで以上に上等の肉を宿屋に卸してもらえることになり、めでたしめでたしと相成った。
「ミミ、私からもありがとう。私からのお礼」
リッカは干した果物をたくさんくれた!ミミは更に旅の食糧を手に入れた!
「イザヤール様、ありがとうございました。ラヴィエルさんにもお礼言ってきます」
ミミはにこにこして彼に頭を下げ、カウンターのラヴィエルのところに走っていった。
イザヤールはその後ろ姿を微笑んで見つめていたが、ふと、「勇者」について思いを巡らせた。
先ほどの亭主は、「勇者」の使命だと、装備品を集めることでその気分を味わっていた。・・・私は、あの亭主を笑えない。神の命令というだけで、何が起こるかもわからないままに、せっせと星のオーラを集めていた、我々天使たち。
盲目的にただ役目を果たそうとした点では、あの亭主と何ら変わりなかったのだ・・・。
一見他愛ない人間の行動に、僅かにほろ苦い寓意を見いだし、イザヤールは唇の端にそのほろ苦さを載せた。
だが。大いなる意思に翻弄されるとしても。儚い抵抗をして、もがくにしても。何れにせよ。
己の良心の欲するままに生きよ。
おそらく、それでいいのだ。
彼は、笑みからほろ苦さを消して晴れやかな笑顔になり、ミミの後を追って妹の居るカウンターに向かった。〈了〉
しかし、中にはハマりすぎている者も居るようで・・・。
「ホントうちのダンナには困っちゃうわ」
リッカの宿屋に配達に来た、精肉店の女房がぼやいた。
「どうしたんですか?」
リッカが伝票にサインしながら首を傾げると、彼女は溜息をついて答えた。
「ほら、最近伝説の勇者の物語とか、けっこう流行っているじゃない?うちの人も夢中になって読んでいたんだけど、それが高じて、自分も冒険まがいの小旅行にちょいちょい出かけるようになっちゃったのよ。・・・って言っても、『伝説の装備』って称したガラクタ武器防具を買ってくるだけなんだけどね」
「そうですか・・・。じゃ、お店は?」
「別にあの人が留守でも、ちゃんとやってけるんだけど、問題はそこじゃあないのよ」
と、女房はまた大きく溜息をつく。
「うちのダンナったら、ガラクタ装備一式集めてようやく終わったと思ったら。大魔王を倒すには、『女神の羽衣』も必要とお告げがあった、なんて言い始めてね~。今度の旅はちょっと長くなる、とか何とか言っちゃって」
「それはたいへんですね」
リッカも女房と同じように憂い顔になると、精肉店の女房は、ふとリッカをじっと見つめて言った。
「そうだわ、ここ、凄腕冒険者もたくさん集まるのよね!ねえリッカちゃん、その中の誰かに、何か女神サマの羽衣っぽい物、手に入れてきてもらえない?そうすれば、うちの人も気が済むと思うのよ~」
「じゃあ、とびきり最高の冒険者に頼んでおきます☆それに最高のエージェントも居ますし♪」
リッカはそう満面の笑顔で答えたのだった。
その日の午後、スタッフの憩の時間、ちょっとひと休みタイムに、リッカはその話題を出した。
「・・・という訳なんだけど、ロクサーヌさん、何かそれっぽいの入荷してない?」
するとロクサーヌ、いくらか面目無さげな口調で答えた。
「あらあ・・・私としたことが。『あくむのころも』はあるのですけれど、呪われた物ではいけませんわね・・・」
ミミは、装備品袋をがさがさ探してから溜息をついた。やっぱり、ない。昨日まではばっちりあった、「セレシアのはごろも」が。よりによってサンディが今朝、「おねーちゃんとたまにはおそろコーデでお出かけ~♪」と借りていったのだ。
「ごめんねリッカ・・・」
ミミが申し訳なさそうに謝ると、リッカも劣らず申し訳なさそうに首を振った。
「ううん、私こそ、勝手に安請け合いしちゃって、ごめんね・・・。すぐ断ってくるから」
「待って、リッカ」ミミはふと思い立って、言った。「『あくむのころも』があれば、錬金でどうにかできるかも!ロクサーヌさん、いい?」
「もちろんですわ☆」
こうしてミミは、クエスト「女神の羽衣っぽいもの」を引き受けた!
まずミミは、「あくむのころも」を、「せいじゃのはい」を使って「セレシアのころも」に錬金するという、地味な作業から始めた。
「え~と、これを『セレシアのはごろも』に錬金するには・・・」
「『しんかのひせき』一つと『天使のはね』が七つが必要でございますお嬢様」
カマエルが答える。
「あ~、そういえば、けっこう錬金たいへんだったっけ・・・」
材料の数が足りないので、素材を集めに行かなくてはならない。と、そこへ。
「ミミ、『天使のはね』なら、何枚かあるぞ」
そう言って手に天使のはねを持っているイザヤールが現れた。
「イザヤール様、それはどこで・・・」
と、聞くだけ野暮だった。カウンターの端で、ラヴィエルが手を振っている。
こうして無事天使のはねは手に入ったが、しんかのひせきに使う「天使のソーマ」が一つ足りなかった。よりによって昨日、長寿の薬として田舎のお母さんに送ってあげたいという青年に、渡してしまっていたのだ。
「なんか今回はタイミングが悪い気がするの・・・」
しょげるミミを慰めるように、イザヤールは彼女の頭をなでた。
「そういう日もあるさ。私も手伝うから、気長に材料集めに行こう」
「・・・はい」
そうだよね、天使のはねはラヴィエルさんのおかげで順調に手に入ったし。悪いことばかりじゃないよね。
「そうですよね。それに、天使のソーマの材料も、星のカケラが一つ足りないだけだし・・・あ」
ミミは、星のカケラの材料を探して道具袋をひっかき回して、固まった。
「『よるのとばり』が、一つ足りないの・・・」
そうだった、一昨日、ハロウィンの衣装に使いたいって女の子に、あげちゃったんだった・・・。
でもでも、よるのとばり一つを探しに行けばいいんだから。そう考えることにして、ミミはイザヤールと共に、それが採取できるオンゴリの崖に向かった。
ところが。オンゴリの崖に着くと、ある筈の場所に、よるのとばりはなかった。
「え、なんで?」
イザヤールと顔を見合わせてからなんとなく振り返ると、辺りを歩いている何体かのトロルの服が、真っ黒だった!
「オ・・・オラたちの間では最近、よるのとばりを着るのが、と、とれんどなんだな・・・」
トロルのうちの一人が言った。
何でこのタイミングで流行っちゃうの~。思わず涙目になるミミ。
「ミミ、泣くな、グビアナ砂漠にもよるのとばりはあるからっ」
イザヤールは慌てて言って、アギロホイッスルを吹き鳴らした。
幸い、グビアナには辛うじて一枚よるのとばりは落ちていて、ミミもひと安心した。
「これからは、もっとちゃんと錬金材料ストックしておきます・・・」
彼女がしゅんとして呟くと、イザヤールは苦笑して答えた。
「いや、おまえはいつもちゃんと集めているじゃないか。今回はたまたま頼まれごとが多くて、重なってしまったから仕方ないさ」
それでも釈然としない表情のミミに、イザヤールは囁いた。
「では明日から、しばらく錬金素材集めに集中しようか。・・・二人きりで」
「え・・・いいんですか、イザヤール様?」
「もちろん」
明日から、しばらくイザヤール様と二人きりで旅・・・。ミミのしょげた顔はみるみる晴れやかになり、嬉しそうにイザヤールの腕に自分の腕を絡め、頬を寄せた。
そんなこんなでいろいろあったが、ようやく「セレシアのはごろも」は完成し、リッカは大喜びだった。
「ありがとうミミ、ロクサーヌさん!さっそく、お肉屋の奥さん呼んでくるね!」
精肉店の女房も、セレシアのはごろもを見てとても喜んだ。
「あら~、キレイなもんだね~。これならうちの人も納得するわ、ありがとう、ミミちゃんたち」
一緒に来てうちの人に渡してくれる?と彼女に頼まれ、ミミたちがぞろぞろとついていくと、精肉店の亭主は、皮の鎧に身を固めて、ちょうど出かけようとしていたところだった。
「あんた!出かける必要なくなったよ!ほら、女神サマの羽衣!」
女房が「セレシアのはごろも」を差し出すと、亭主は目を丸くしてから、それを手に取り、しげしげと見つめて言った。
「ううむ、これで大魔王を倒す装備が揃った!後は、空飛ぶ絨毯を残すのみだ!」
それを聞いてその場に居た全員、ずっこけた。
「あんた!いい加減にしてよ!」女房は泣き出した。「アンタは勇者サマじゃないのよ!・・・それとも何、あたしとの生活が不満だから、そんな逃避をしてるわけ!」
すると、亭主は驚いたように目を見開き、そしておずおずと答えた。
「バカ言え・・・違う、俺はな・・・俺は」彼はうつむいた。「俺は、ただ・・・おまえが自慢できる男に、なりたかったんだ・・・」
「バカはあんたよ」女房は泣き笑いした。「あたしは、あんたが肉屋の亭主やってくれれば、それでいいの!」
「そうか・・・すまねえな・・・」
彼は照れくさそうに頭を掻き、呟いた。
「悪かった。ちょっと英雄物語に夢中になりすぎちまって、頭に血が上ってたみたいだ」
勇者を目指すのも諦める気はないがほどほどにするよ、そう言って亭主は頭を下げた。
「まったくこのひとったら懲りないわ」女房は鼻をすすりながらも、笑って言った。「ホントにほどほどにしなさいよね」
そして夫婦は、巻き込んだお詫びにと、野外での旅に必要な「干した燻製肉」をたくさんくれた!
こうしてミミは素材集めの旅の食糧を手に入れ、ロクサーヌはあくむのころもがセレシアのはごろもに代わりホクホクし、リッカはこれまで以上に上等の肉を宿屋に卸してもらえることになり、めでたしめでたしと相成った。
「ミミ、私からもありがとう。私からのお礼」
リッカは干した果物をたくさんくれた!ミミは更に旅の食糧を手に入れた!
「イザヤール様、ありがとうございました。ラヴィエルさんにもお礼言ってきます」
ミミはにこにこして彼に頭を下げ、カウンターのラヴィエルのところに走っていった。
イザヤールはその後ろ姿を微笑んで見つめていたが、ふと、「勇者」について思いを巡らせた。
先ほどの亭主は、「勇者」の使命だと、装備品を集めることでその気分を味わっていた。・・・私は、あの亭主を笑えない。神の命令というだけで、何が起こるかもわからないままに、せっせと星のオーラを集めていた、我々天使たち。
盲目的にただ役目を果たそうとした点では、あの亭主と何ら変わりなかったのだ・・・。
一見他愛ない人間の行動に、僅かにほろ苦い寓意を見いだし、イザヤールは唇の端にそのほろ苦さを載せた。
だが。大いなる意思に翻弄されるとしても。儚い抵抗をして、もがくにしても。何れにせよ。
己の良心の欲するままに生きよ。
おそらく、それでいいのだ。
彼は、笑みからほろ苦さを消して晴れやかな笑顔になり、ミミの後を追って妹の居るカウンターに向かった。〈了〉
移動中におはようございます☆暑いか涼しいかビミョーです。
確かにセレシアのはごろもってば本人着用のより裾短めですね。呪われて縮んだ、とか・・・?(ないない)
ヨシヒコ終わりましたね~。どれが「重要なお知らせ」だったのかいまいちわからなかったヘボい津久井です。DVD化の話・・・?「板尾○マン最終回」とかじゃあるまいな・・・。
裾が長いと戦闘に不向きだからかな?
でもそれを言ったらエンプレスローブとかもっと不向きだし・・・
うーん謎だ
そういえばもうすぐ勇者ヨシヒコ最終回が始まりますね
ただいま眠気と格闘しながら起きています
(;=ω=)ネムイ・・・