ヒーローズみたいな暴れかたをするイザヤール様を書きたかった筈が・・・(爆)小ネタだらけでございます。書いてて楽しかった〜。
天の箱舟のメンテナンスや掃除は、ミミとイザヤールも定期的に手伝っている。とはいえ、構造上まだまだ謎が多く、サンディの私室に至ってはまだまだ謎が多すぎるくらいに多かった。
そのサンディが、「ちょっと部屋の片付けをする」と言って、いったいどこにしまっていたのか、数えきれないほどの衣装やアイテムやガラクタにしか見えない物まで、箱舟の三両目の通路に山と積み上げた。それを分別して、使うかとりあえずまたしまうか捨てるか決めると言う。そしてその整頓の手伝いを、ミミとイザヤールに頼んできた。
ミミはリッカと一緒にウォルロに出かけていて一時間ほど後に合流する予定だったので、たまたま手が空いていたイザヤールがひと足先に手伝いを始めることになった。やはり手伝いに巻き込まれ、いつもより更に渋面なアギロも一緒だ。
出かける前にミミは、すぐに帰ってくるから、と言いつつ、まるで数日離ればなれになるかのようなテンションで瞳をうるうるさせていて、イザヤールがからかうつもりで「ちょっと寂しいがキスをしてくれたら待っていられる」と言うと、彼女は真っ赤になってかすかに震えながらも、本当に実行してしまったのだった。そして、あたふたしながらはぐれメタル並のスピードで「いいい行ってきます!」と走っていってしまった。可愛いが少し可哀想なことをしてしまったと彼は反省したが、その実あまり反省してはいなかった。
そんな経緯もあってイザヤールの巻き込まれにもかかわらず掃除手伝いテンションはさほど低くはなかったが、毎度のことでうんざりしているアギロはそうはいかなかった。
「ここまで溜め込む前に片付けられねえのか?これなんか完全にゴミじゃねえか!」
菓子の箱をつまみ上げ、アギロがぼやく。
「あーっ、それ捨てちゃダメー!プラチナのエンゼルスライムマークを五枚集めたら、謎の宝箱をプレゼントしてくれるんだからー!」サンディが叫んだ。
「プラチナのエンゼルスライムマーク?そういえば、この前リッカが食べていた菓子の箱に似たようなマークが付いていたな。プラチナではなくてミスリルカラーだったが」イザヤールが呟いた。
「マジでー?!それは一枚で謎の宝箱と交換してもらえる大当たりマークなんですケド!リッカはそれ、どーしたの?交換してもらえた?」
「いや、ウォルロ村の知り合いの子供が欲しがっていたので渡していたぞ」
「そんなあ・・・。宝箱の中身がわかるチャンスだったのにー!誰かにあげちゃうなんで超あり得ないー!」
ぼやくサンディをとりあえずスルーして、イザヤールはぺたんこになった哀れなスライムに似たものをつまみ上げた。
「サンディ、マニキュアがくっついたスライムが潰れているぞ?」
「失礼しちゃうんですケド!それはスライムの形をした敷物だし〜!うっかりマニキュアこぼしちゃって、後で綺麗にしようとして忘れてたー。イザヤールさん、超スッゴい除光液と、このデッキブラシでキレイにしといて!」
言葉と同時に、瓶とデッキブラシが飛んでくる。それを難なく受け止めながら、イザヤールは言った。
「しかし、そのネーミングセンスはどうにかならないか?なんだか敷物や床やデッキブラシまで溶かしてしまいそうで不安だ」
「イザヤールさん、天の箱舟ナメてない?そのデッキブラシだって、剪定した世界樹の枝で作った優れモノなんだからね!」
「スライムの敷物はどうなんだ?」
「え?・・・え〜と・・・」
「不安なのか!」
敷物の件は後回しにすることにして、イザヤールとアギロとサンディは、とりあえず必要な物を箱にどんどん放り込む作業を続けた。サンディが必要と主張する物が多すぎて、なかなかはかどらなかったが。
やがてイザヤールは、一つの美しい結晶の石を拾い上げた。錬金の素材ではないようだ。
「おや?これは?」
「あ〜それ?なんかルーラストーンとかいうヤツらしいよー」巨大バトルレックス(ドランゴ)ぬいぐるみをクッションの上に放り投げながらサンディは答えた。「持っているとルーラが使えるんだって。行き先のマークになるポイントには、おねーちゃんの『ルーラの行き先にできる青い木』と似たようなチカラがあるらしいワヨ」
「ほう、便利そうだな。使わないなら、譲ってくれないか?」
「残念でした〜。同じ結晶の柱が設置してある場所にしか使えないのヨ」
「なら何故持っている・・・」
役には立たなそうだがミミに見せてやったら喜ばれそうだなと考えながら、イザヤールがルーラストーンをかざして眺めていると、かすかな、本当にかすかな声がどこかから聞こえてきた。
『くそっ・・・このままでは・・・役目を果たせぬ・・・ここで果てるわけには・・・次々魔物が・・・きりがない・・・』
サンディやアギロの声のわけがない。イザヤールが首を傾げていると、突然ルーラストーンが激しく輝きだした!
「えっ?!ちょっとイザヤールさん?!」
「うおっ、なんだこの光は?!サンディ何をしやがった!?」
「テンチョーヒドすぎっ!アタシじゃないし!」
サンディとアギロの声が遠くなり、イザヤールの姿は箱舟内から消えた。
ルーラでの着地のように地面に降り立ち、周囲の状況に不思議現象に馴れ過ぎているイザヤールもさすがに驚いた。辺りが魔物でぎっしり埋め尽くされていたのだ。モンスターハウスとやらか、と思って周囲を見回すと、空と両側に切り立った崖が見える。どうやら広い渓谷の底のようで、その中で魔物がひしめくように押し寄せているのだった。
なんだここはと考える間もなく、すぐ近くで、兵士らしい者が魔物に囲まれて追いつめられているのが見えた。なんだかよくわからないが、危機に陥っている者を放っておくわけにはいかない。魔物たちは、アンクルホーンやうごくせきぞうなどお馴染みのものから、書物などでしか知らないものまで様々だった。そして、とにかく地面が見えないくらいとんでもない数が居た。
剣で攻撃を、と思ったところでイザヤールは、箱舟掃除中にいきなりここに来てしまったことを思い出した。体の装備は白いTシャツに天使時代から愛用のズボンにブーツで、動きやすいが守備力は期待できない。そしてよりによって手にしているのは武器ではなくデッキブラシなのである。装備袋は外出しているミミが持っているので、装備を変えようも無いのだった。
デッキブラシだろうとなんだろうと、人命救助が優先とばかりに、イザヤールはデッキブラシを棍のように使って、とりあえず周囲の敵をなぎ払った!彼の力が高いせいなのか、デッキブラシが世界樹の枝からできている為なのか、おそらく両方のせいで、それなりの棍並の威力を発揮して、周囲のいわゆる雑魚モンスターは倒れた。デッキブラシを振り回し次々撃退していくので、辺りがモンスターが落としたゴールドやアイテムだらけになっていく。
モンスターたちがイザヤールに気付いてこちらに向かってきたので、イザヤールは「天地のかまえ」をして、攻撃してくる全ての敵にカウンターをくらわせて突き進んだ。幸い手持ちの道具袋には回復アイテムいくつかと秘伝書のいくつかは常備している。兵士のところにたどり着くと、イザヤールは膝を着きかけている彼を引っ張り起こした。
「しっかりしろ、諦めては負けだ!」
超ばんのうぐすりを兵士に与え、彼をかばうように再びモンスターたちの方に向き直る。かなり倒してきた筈のモンスターたちは、無限増殖しているかのようにじりじりと詰めよってきている。
棍のスキルでは、全体攻撃はしにくい。イザヤールは近くにあった岩を拾っては次々と投げつけ、辺りの魔物を全滅させた。兵士は奇跡が起こったかのような顔でその様子を眺め、お礼を言った。
「ありがとうございます!あなたが来てくれなかったら、どうなっていたことか・・・!しかし、そんな軽装備で手強い魔物たちをいともあっさり撃退してしまうとは、あなたはいったい・・・。まさか、お持ちの武器は、一見デッキブラシに見えますが、実は凄い武器だとか?!」
「いや、本当にデッキブラシだ」
「ええー?!何故そんなことに?!」
「私もさっぱりわけがわからない。だがとにかく、この状況を切り抜けるぞ!」
「デッキブラシで?!そんな無茶な!」
またモンスターたちが近寄ってくるのが見えたが、もう辺りに投げ付けられる岩は無い。イザヤールはデッキブラシの持ち方を変え、自分に言い聞かせるかのように呟いた。
「これには、頭がついている。ということは、これは、ハンマーの一種だな?うん、そうに違いない!」
「命の恩人に失礼なのは重々承知していますが、言ってる意味がわかりませんー!」叫びながら兵士は涙目で剣を構える。
デッキブラシをハンマーと強引に決めたイザヤールは、押し寄せるモンスターたちに「ライドインパクト」を放った!絶叫と共に辺りのモンスターたちは再び一掃される。
「えええー!デッキブラシスゲー!!」兵士は叫んだ。
「おお、本当になんとかいけたとはな」イザヤールは改めて世界樹の枝製デッキブラシに感心した。「ライドインパクトが使えたということは・・・」
また新たなモンスターの大群が押し寄せてきた。イザヤールは、ハンマースキル「ビッグバン」を放った!デッキブラシでこの技を発動させたのは、おそらく彼が全ての異世界ひっくるめて初だろう。
それでもアンクルホーンやうごくせきぞうや異世界で見かけるキラーパンサーなどは倒れていなかった。どうやら自分たちの世界にいるものより強いようだとイザヤールは表情を更に厳しくし、ここで、辺りに山積しているいい武器に気付き、兵士に言った。
「落ちているゴールドを集めるのを手伝ってくれ!」
「買収するつもりですか?!ムリですようー!」
「いいから急げ!」
瞬く間に千ゴールド以上集めると、イザヤールはスーパースターの秘伝書を手に高らかに言った。
「さあ今宵はじゃんじゃん行くぞ!」
ゴールドシャワーが炸裂し、さすがのキラーパンサーたちも倒れた。しかし、まだうごくせきぞうがしぶとく残っている。イザヤールは唇を引き結び、呟いた。
「こんなとき、剣が有れば・・・。さすがにこれを剣と言い張るにはムリが有りすぎるしな・・・」
「こ、これを使ってください!」
兵士が自分の剣を貸してくれたので、イザヤールはさっそく渾身のギガブレイクをし、遂にうごくせきぞうも撃退した!
「ありがとうございました!このご恩とデッキブラシのことは生涯忘れません!」兵士は言った。「今は伝令で急ぎますが、後ほど必ずお礼を・・・」
「いや、いい!忘れてくれ!」
兵士が行ってしまうと、イザヤールはまた強い光に包まれ、その場から姿を消した。
イザヤールは天の箱舟に戻っていた。
「あ〜イザヤールさん、無事帰ってきてよかったー!ルーラストーンが暴走してたみたい!呼び戻すのたいへんだったワヨ!ミミに大泣きされるとこだった!・・・そうそう、異世界で会った人の記憶は消しといたからね」
そんなわけで、異世界で「デッキブラシの救世主」として伝説になることはなんとか免れたイザヤールだった。〈了〉
天の箱舟のメンテナンスや掃除は、ミミとイザヤールも定期的に手伝っている。とはいえ、構造上まだまだ謎が多く、サンディの私室に至ってはまだまだ謎が多すぎるくらいに多かった。
そのサンディが、「ちょっと部屋の片付けをする」と言って、いったいどこにしまっていたのか、数えきれないほどの衣装やアイテムやガラクタにしか見えない物まで、箱舟の三両目の通路に山と積み上げた。それを分別して、使うかとりあえずまたしまうか捨てるか決めると言う。そしてその整頓の手伝いを、ミミとイザヤールに頼んできた。
ミミはリッカと一緒にウォルロに出かけていて一時間ほど後に合流する予定だったので、たまたま手が空いていたイザヤールがひと足先に手伝いを始めることになった。やはり手伝いに巻き込まれ、いつもより更に渋面なアギロも一緒だ。
出かける前にミミは、すぐに帰ってくるから、と言いつつ、まるで数日離ればなれになるかのようなテンションで瞳をうるうるさせていて、イザヤールがからかうつもりで「ちょっと寂しいがキスをしてくれたら待っていられる」と言うと、彼女は真っ赤になってかすかに震えながらも、本当に実行してしまったのだった。そして、あたふたしながらはぐれメタル並のスピードで「いいい行ってきます!」と走っていってしまった。可愛いが少し可哀想なことをしてしまったと彼は反省したが、その実あまり反省してはいなかった。
そんな経緯もあってイザヤールの巻き込まれにもかかわらず掃除手伝いテンションはさほど低くはなかったが、毎度のことでうんざりしているアギロはそうはいかなかった。
「ここまで溜め込む前に片付けられねえのか?これなんか完全にゴミじゃねえか!」
菓子の箱をつまみ上げ、アギロがぼやく。
「あーっ、それ捨てちゃダメー!プラチナのエンゼルスライムマークを五枚集めたら、謎の宝箱をプレゼントしてくれるんだからー!」サンディが叫んだ。
「プラチナのエンゼルスライムマーク?そういえば、この前リッカが食べていた菓子の箱に似たようなマークが付いていたな。プラチナではなくてミスリルカラーだったが」イザヤールが呟いた。
「マジでー?!それは一枚で謎の宝箱と交換してもらえる大当たりマークなんですケド!リッカはそれ、どーしたの?交換してもらえた?」
「いや、ウォルロ村の知り合いの子供が欲しがっていたので渡していたぞ」
「そんなあ・・・。宝箱の中身がわかるチャンスだったのにー!誰かにあげちゃうなんで超あり得ないー!」
ぼやくサンディをとりあえずスルーして、イザヤールはぺたんこになった哀れなスライムに似たものをつまみ上げた。
「サンディ、マニキュアがくっついたスライムが潰れているぞ?」
「失礼しちゃうんですケド!それはスライムの形をした敷物だし〜!うっかりマニキュアこぼしちゃって、後で綺麗にしようとして忘れてたー。イザヤールさん、超スッゴい除光液と、このデッキブラシでキレイにしといて!」
言葉と同時に、瓶とデッキブラシが飛んでくる。それを難なく受け止めながら、イザヤールは言った。
「しかし、そのネーミングセンスはどうにかならないか?なんだか敷物や床やデッキブラシまで溶かしてしまいそうで不安だ」
「イザヤールさん、天の箱舟ナメてない?そのデッキブラシだって、剪定した世界樹の枝で作った優れモノなんだからね!」
「スライムの敷物はどうなんだ?」
「え?・・・え〜と・・・」
「不安なのか!」
敷物の件は後回しにすることにして、イザヤールとアギロとサンディは、とりあえず必要な物を箱にどんどん放り込む作業を続けた。サンディが必要と主張する物が多すぎて、なかなかはかどらなかったが。
やがてイザヤールは、一つの美しい結晶の石を拾い上げた。錬金の素材ではないようだ。
「おや?これは?」
「あ〜それ?なんかルーラストーンとかいうヤツらしいよー」巨大バトルレックス(ドランゴ)ぬいぐるみをクッションの上に放り投げながらサンディは答えた。「持っているとルーラが使えるんだって。行き先のマークになるポイントには、おねーちゃんの『ルーラの行き先にできる青い木』と似たようなチカラがあるらしいワヨ」
「ほう、便利そうだな。使わないなら、譲ってくれないか?」
「残念でした〜。同じ結晶の柱が設置してある場所にしか使えないのヨ」
「なら何故持っている・・・」
役には立たなそうだがミミに見せてやったら喜ばれそうだなと考えながら、イザヤールがルーラストーンをかざして眺めていると、かすかな、本当にかすかな声がどこかから聞こえてきた。
『くそっ・・・このままでは・・・役目を果たせぬ・・・ここで果てるわけには・・・次々魔物が・・・きりがない・・・』
サンディやアギロの声のわけがない。イザヤールが首を傾げていると、突然ルーラストーンが激しく輝きだした!
「えっ?!ちょっとイザヤールさん?!」
「うおっ、なんだこの光は?!サンディ何をしやがった!?」
「テンチョーヒドすぎっ!アタシじゃないし!」
サンディとアギロの声が遠くなり、イザヤールの姿は箱舟内から消えた。
ルーラでの着地のように地面に降り立ち、周囲の状況に不思議現象に馴れ過ぎているイザヤールもさすがに驚いた。辺りが魔物でぎっしり埋め尽くされていたのだ。モンスターハウスとやらか、と思って周囲を見回すと、空と両側に切り立った崖が見える。どうやら広い渓谷の底のようで、その中で魔物がひしめくように押し寄せているのだった。
なんだここはと考える間もなく、すぐ近くで、兵士らしい者が魔物に囲まれて追いつめられているのが見えた。なんだかよくわからないが、危機に陥っている者を放っておくわけにはいかない。魔物たちは、アンクルホーンやうごくせきぞうなどお馴染みのものから、書物などでしか知らないものまで様々だった。そして、とにかく地面が見えないくらいとんでもない数が居た。
剣で攻撃を、と思ったところでイザヤールは、箱舟掃除中にいきなりここに来てしまったことを思い出した。体の装備は白いTシャツに天使時代から愛用のズボンにブーツで、動きやすいが守備力は期待できない。そしてよりによって手にしているのは武器ではなくデッキブラシなのである。装備袋は外出しているミミが持っているので、装備を変えようも無いのだった。
デッキブラシだろうとなんだろうと、人命救助が優先とばかりに、イザヤールはデッキブラシを棍のように使って、とりあえず周囲の敵をなぎ払った!彼の力が高いせいなのか、デッキブラシが世界樹の枝からできている為なのか、おそらく両方のせいで、それなりの棍並の威力を発揮して、周囲のいわゆる雑魚モンスターは倒れた。デッキブラシを振り回し次々撃退していくので、辺りがモンスターが落としたゴールドやアイテムだらけになっていく。
モンスターたちがイザヤールに気付いてこちらに向かってきたので、イザヤールは「天地のかまえ」をして、攻撃してくる全ての敵にカウンターをくらわせて突き進んだ。幸い手持ちの道具袋には回復アイテムいくつかと秘伝書のいくつかは常備している。兵士のところにたどり着くと、イザヤールは膝を着きかけている彼を引っ張り起こした。
「しっかりしろ、諦めては負けだ!」
超ばんのうぐすりを兵士に与え、彼をかばうように再びモンスターたちの方に向き直る。かなり倒してきた筈のモンスターたちは、無限増殖しているかのようにじりじりと詰めよってきている。
棍のスキルでは、全体攻撃はしにくい。イザヤールは近くにあった岩を拾っては次々と投げつけ、辺りの魔物を全滅させた。兵士は奇跡が起こったかのような顔でその様子を眺め、お礼を言った。
「ありがとうございます!あなたが来てくれなかったら、どうなっていたことか・・・!しかし、そんな軽装備で手強い魔物たちをいともあっさり撃退してしまうとは、あなたはいったい・・・。まさか、お持ちの武器は、一見デッキブラシに見えますが、実は凄い武器だとか?!」
「いや、本当にデッキブラシだ」
「ええー?!何故そんなことに?!」
「私もさっぱりわけがわからない。だがとにかく、この状況を切り抜けるぞ!」
「デッキブラシで?!そんな無茶な!」
またモンスターたちが近寄ってくるのが見えたが、もう辺りに投げ付けられる岩は無い。イザヤールはデッキブラシの持ち方を変え、自分に言い聞かせるかのように呟いた。
「これには、頭がついている。ということは、これは、ハンマーの一種だな?うん、そうに違いない!」
「命の恩人に失礼なのは重々承知していますが、言ってる意味がわかりませんー!」叫びながら兵士は涙目で剣を構える。
デッキブラシをハンマーと強引に決めたイザヤールは、押し寄せるモンスターたちに「ライドインパクト」を放った!絶叫と共に辺りのモンスターたちは再び一掃される。
「えええー!デッキブラシスゲー!!」兵士は叫んだ。
「おお、本当になんとかいけたとはな」イザヤールは改めて世界樹の枝製デッキブラシに感心した。「ライドインパクトが使えたということは・・・」
また新たなモンスターの大群が押し寄せてきた。イザヤールは、ハンマースキル「ビッグバン」を放った!デッキブラシでこの技を発動させたのは、おそらく彼が全ての異世界ひっくるめて初だろう。
それでもアンクルホーンやうごくせきぞうや異世界で見かけるキラーパンサーなどは倒れていなかった。どうやら自分たちの世界にいるものより強いようだとイザヤールは表情を更に厳しくし、ここで、辺りに山積しているいい武器に気付き、兵士に言った。
「落ちているゴールドを集めるのを手伝ってくれ!」
「買収するつもりですか?!ムリですようー!」
「いいから急げ!」
瞬く間に千ゴールド以上集めると、イザヤールはスーパースターの秘伝書を手に高らかに言った。
「さあ今宵はじゃんじゃん行くぞ!」
ゴールドシャワーが炸裂し、さすがのキラーパンサーたちも倒れた。しかし、まだうごくせきぞうがしぶとく残っている。イザヤールは唇を引き結び、呟いた。
「こんなとき、剣が有れば・・・。さすがにこれを剣と言い張るにはムリが有りすぎるしな・・・」
「こ、これを使ってください!」
兵士が自分の剣を貸してくれたので、イザヤールはさっそく渾身のギガブレイクをし、遂にうごくせきぞうも撃退した!
「ありがとうございました!このご恩とデッキブラシのことは生涯忘れません!」兵士は言った。「今は伝令で急ぎますが、後ほど必ずお礼を・・・」
「いや、いい!忘れてくれ!」
兵士が行ってしまうと、イザヤールはまた強い光に包まれ、その場から姿を消した。
イザヤールは天の箱舟に戻っていた。
「あ〜イザヤールさん、無事帰ってきてよかったー!ルーラストーンが暴走してたみたい!呼び戻すのたいへんだったワヨ!ミミに大泣きされるとこだった!・・・そうそう、異世界で会った人の記憶は消しといたからね」
そんなわけで、異世界で「デッキブラシの救世主」として伝説になることはなんとか免れたイザヤールだった。〈了〉
ミミちゃんの戦闘場面がなくイザヤール様が単独で戦うのは珍しい気が。彼大抵、自力で脱出できる囚われの姫ポジションなのでw
サンディの記憶操作でデッキブラシの救世主という伝説になることは間逃れたイザヤール様ですが、実は朧げながら覚えられていたりしてw
ルーラストーンが暴走して変な所に飛ばされると言う話はDQ10のクエストにもありますw
〜もう許してやれよ…〜
ククール「イザやん、どうしたんだ?」
リリン「アプリのDQライバルズにサンディや11のグレイグやホメロスが追加されるって聞いて」
クク「イザやん元気出せよ
イザやん「ククール君のハゲ!」
リリ「ハゲはあんたでしょ⁉︎
イザやん「だってククール君、DQH2に出演しているしやDQRで僧侶デッキのリーダーだし!
しかも中の人が3DS版のDQ8やDQRのCMナレしていたし…」
クク「なんかすまん」
イザやん「私なんかDQ11に出られたと思ったら!DQ10で9をプレイしたリリンのフレにこんな人いた?って言われたんだぞ⁉︎私何かした⁉︎」
クク「方舟で俺のリリンを斬っただろ!」
リリ「///⁉︎
イザやん「ごめんなさい!リリンの殺気が怖くてつい!
シェルル「ククールの奴、またリリンを自分のものみたいにぃ!ムシャムシャ」
リッカ「きゃー!折角飾ったお花食べてる!
いらっしゃいませこんばんは☆そっか、デッキブラシって剣にできたのか(違)ひのきの棒が剣扱いなのはきっと、棍というよりチャンバラ木刀のイメージなんでしょうね。
イザヤール様一人バトルになったわけは、女主が一緒だと単なる追加クエストもどきになってしまうからというメタな理由です(笑)
10にもあったんですねルーラストーン暴走ネタ☆やっぱり何かしら事故や事件起きそうですよね、DQのお約束?
異世界の兵士「何故だろう、デッキブラシを見かける度に、猛烈な感謝の念が湧いてくる・・・」
師匠、まさかのあんただろツッコミ狙いですか?(笑)悪口は数あるでしょうに何故よりによってその言葉チョイスw
デルカダールの将軍コンビ相変わらず大人気ですねえ☆
何をしたどころか、ムービーや箱舟シーンやガナサダイ戦忘れられてるなんて・・・師匠・・・。
彼氏さんエディブルフラワーですか?(違)そこは八つ当たりでなく取り返しにいらして〜!