ミミは、錬金の素材集めが好きだった。一人でも、誰かが一緒でも。いつも何かしら新しい発見があるし、パーティーメンバーで賑やかに出かけるのも楽しい。そしてもちろん、イザヤールと二人で出かける時は、冒険と言うには申し訳ないくらい幸せな気分だ。
今日もイザヤールと二人きりだった。サンディが、「あ~、素材集めって名目のデートデショ、いーワヨ、ジャマ者は寂しく消えるワ~」そう言って行ってしまったのだが、その後ろ姿はやけにウキウキしていた。どうやら、友達とショッピングに行く約束をしているらしい。手にケーキバイキングの割引券も、しっかり持っていた。
とはいえ、どんなに慣れている土地でも、油断は禁物だと、ミミは嬉しくてふわふわしがちな気持ちを引き締めた。しかも、今日来ているのは、二人にとって辛い思い出の地、ガナン帝国領だ。
セントシュタインで近所の主婦に「つけもの石」を頼まれ、まずジャーホジ地方に行ったのだが、あいにく今日は良いものがなかった。それでもう一つの採取地であるここへ来たという訳だ。
ガナン帝国城の地下深くの、「閉ざされた牢獄」には、イザヤールの師であったエルギオスの憎悪の念が未だに残り、はびこる魔物を強力にしている。本人は救われたのに、この憎悪の念が消えるにはまだまだ時間がかかるという。
イザヤールは、ミミが隠そうとしても隠しきれない憂いを、ほんの僅か浮かべていることに気が付いて、そっと手を伸ばして彼女の手を握りしめた。
「辛い思いをさせたな・・・私はもう、大丈夫だから」
ここも、辛い思い出ばかりではない場所にするには、こうしてもいいか?
そうイザヤールは続けて囁き、辺りに魔物の気配がないことを確認してから、ミミを抱きしめた。
「私も・・・もう大丈夫です・・・。イザヤール様、今こうしてここに、一緒に居てくれるから」
ミミは彼の胸に頬をぴったりと付けて囁き、彼女もまた彼にしっかりと腕を回した。・・・今こうして、生きて、二人でここに、居られている。だから、もう・・・大丈夫。
濃い紫の瞳を幸せそうに輝かせ、彼女はイザヤールを見上げた。
「それに、ここ、辛い思い出ばかりじゃないんです。アギロさんやカデスの星のみんなに会った場所だし、大賢者さんが眠っている場所だし、それに、カデスの牢獄、最近レストランになったんですよ!とってもおいしいって評判なんです」
懸命に楽しいことを挙げていくミミの顔をじっと見つめ、イザヤールは微笑んだ。そして、もう一度固く抱きしめ、囁いた。
「・・・寄っていくか。そのレストランと、大賢者のところに」
「・・・はい」
楽しい思い出が、辛い記憶を上書きしてくれる。
無事つけもの石を手に入れると、まずはガナン帝国城の本棚に眠っている大賢者のところに寄ることにした。
「・・・たぶん眠っているとは思いますけど」
「そうかもな」
イザヤールも、クエストで大賢者に会った・・・というか、大賢者の眠っている本を見たことがある。大魔王たちを封印するため、その大魔王たちと共に本に眠ることを選んだ大賢者。人間の無限の可能性に驚かされたことの一つだった。
ガナサダイ亡き今、閉ざされた牢獄の手前の城内は、魔物の気配すら無く、静まりかえっていた。だが、一階の長い回廊を二人が歩いていると、何かの気配がした。どうやら北の宝物庫からのようだ。
他の冒険者かもしれないが、念のため見に行ってみることにした。すると。
なんとここに居るはずのない「ひとつめピエロ」が、何やらごそごそやっていた。
「くそう、大魔王様たちが封印されてる本は、どこにあるんだ?」
そうぶつぶつ言いながら宝箱を開け、中身が小さなメダルで喜び、イヤ喜んでる場合じゃ、とぷりぷりし、そしてようやくミミたちに気が付いた。
「あっ!人間め、このオレ様に会ったからにはタダで済むと思うなよ!」
そう言って杖を構えたが、宙に浮きながらも明らかに腰が引けている。そして、ミミたちが何もしないうちにこう叫んだ。
「今日のところは、忙しいから見逃してやる!命拾いしたな!・・・ルーラ!」
ひとつめピエロは捨てゼリフと共にルーラを唱え・・・
ごん。
鈍い音がして、ミミは思わず目をつぶった。
「あ~あ・・・」
天井に頭をぶつけ、特大のコブをこしらえて、ひとつめピエロはのびてしまった。
「何だったんだ・・・さ、放っておいて行くぞ」
イザヤールは呆れて呟いたが、ミミはためらった。
「でも・・・」
「どうした?」
「ホイミかけてあげちゃダメですか?・・・私もルーラをうっかり教会の中で唱えて、頭をぶつけちゃったことが一度だけあるんです。・・・何か、他人と思えなくて」
それを聞いてイザヤールは笑い、呟いた。
「・・・おまえは、本当に優しいな」
ホイミをかけてやると、ひとつめピエロは一つしかない目をぱっちり開けてから、大声で泣き出した。
「ちくしょう、こんなところに天井があるのが悪いんだ」
屋内で、ずいぶんと無茶を言う。
「おい、ニンゲン!おまえ、ギガクラッシャーってハンマー、知らねえか?あれがありゃ、こんな天井ぶち破って、風通しよくしてやれるのによう」
「ギガクラッシャー?確か材料はあったから、錬金してくればできると思うけど・・・」
「じゃあ作ってきてくれよ!礼はするから!」
「え、ええっ・・・」
こうしてミミは、うやむやのうちにクエスト「ジャマだよ天井」を引き受けた!
大賢者もレストランもお預けとなり、イザヤールは少し不満そうに言った。
「魔物の頼みを引き受けて大丈夫か?確かに間抜けそうな奴ではあったが・・・」
「やっぱり・・・いけませんでしたか?」
ミミが悲しげな顔になったので、まあ奴が悪巧みをしているなら、我々が阻止すればいいか、とイザヤールは呟いて、彼女の頭をなでた。
セントシュタインに戻り、つけもの石を届けてから、ミミはさっそく錬金を始めた。
「え~と。メガトンハンマーにオリハルコンに、ごうけつの腕輪だったよね」
ミミが言って材料を取り出すと、カマエルは満足そうに頷いた。
「正解でございます、お嬢様」
こうしてミミは呆気なく「ギガクラッシャー」を手に入れた!
「ではガナン帝国城に戻りましょう。そして、イザヤール様・・・」
「なんだ?」
「この後、カデスの牢獄のレストランで、夕食にしませんか?」
「それは大歓迎だ」
ミミたちが戻ってくると、ひとつめピエロは何やら本を手にして、先ほどの場所に居た。
「お、持ってきたか!じゃあさっそく」
ひとつめピエロはギガクラッシャーを手に取り、ふよふよ飛んで行って、そこからミミたちを見下ろして言った。
「バカなニンゲンどもめ。利用されたとも気付かないで!オレは、大魔王様たちが封印された本を手に入れた!今からこれを持って魔界に戻って、大魔王様たちの封印を解いてやる!」
「あ、あの本は!大賢者さんの・・・」
ひとつめピエロが持っている本が大賢者が眠っている本らしいことに気が付いて、ミミはいくらか慌てた。もうあの中に大魔王たちは居ないけど、でも大賢者さんが!しかし、天井は高く、取り返せそうにない。
ひとつめピエロは天井に穴を開けようと、ルーラを唱えて逃げるべく、ギガクラッシャーを振り上げた!
ごん。
ギガクラッシャーの威力は凄まじく、確かに天井は壊れた。・・・しかし、壊れた天井は大きな瓦礫となり、ひとつめピエロの頭を直撃した!再びのびてしまったひとつめピエロ。
ミミは慌てて落ちてきた本を受け止めた。だが、それは大賢者の眠っている本ではなかった。タイトルには、「犬賢者と魔玉たち」と書かれている。
「このタイトルで、勘違いしたのかな・・・?」
ミミが首を傾げると、イザヤールは肩をすくめた。
「要するに、こいつは悪事を働くには頭も力も不足ということだな」
気絶から醒めると、ひとつめピエロはしょげかえった。
「オレ・・・やっぱり大悪事はムリっぽいや・・・。悪いことやめて、ベビーマジシャンと組んで、お笑いマジックでもやることにするよ」
ゴメンな、と言ってひとつめピエロはギガクラッシャーを返してきて、更に「とんがりぼうし」をくれた!
よろよろとひとつめピエロが行ってしまうと、イザヤールがミミの頭をなでて呟いた。
「偉いぞミミ、クエストを引き受けたことで、魔物を改心させたとは」
「いえ、私は何も・・・」
結果はよかったけど、大賢者さんを危険にさらすとこでした、とミミもしょげると、イザヤールは慰めるように彼女の頬に手を当ててきた。
「彼なら自分で自分の身を守れるだろう。心配なら、今から警告に行けばいい。まあ、あのひとつめピエロが戻ってくるとは思わないが」
ミミは頷き、表情が晴れやかになった。
宝物庫から、また長い回廊をぐるりと回って、大賢者の眠る本を置いてある部屋に向かう二人。
「・・・何の気配もなくなりましたね」
ミミが呟く。呟き声も、やけに響く。
「少なくともこの階には、今や我々二人しか居ないからな」
イザヤールが答え、ふと何かに気付いたように立ち止まった。
「二人きり・・・そうか」
「え?」
イザヤールはミミの方に向き直り、見下ろしてきた。懇願するような、熱い瞳で。
「ミミ・・・ここでは駄目か・・・?」
「駄目?それって何・・・。・・・!!」
返事の代わりに、目を閉じたイザヤールの顔が、ゆっくりと近付いてきた。
頬を染めながらも、ミミも素直に目を閉じて、愛しい唇を待った。彼が、彼女のこの城での辛い思い出を、少しでも軽くしようとしてくれているのがわかったから。
今日は何の障害もなく、唇はあっさりと、優しく重なった。この陰鬱な筈の場所で、思いがけない幸福感に包まれ、恋人たちにまた一つ、優しい記憶が増えた。〈了〉
今日もイザヤールと二人きりだった。サンディが、「あ~、素材集めって名目のデートデショ、いーワヨ、ジャマ者は寂しく消えるワ~」そう言って行ってしまったのだが、その後ろ姿はやけにウキウキしていた。どうやら、友達とショッピングに行く約束をしているらしい。手にケーキバイキングの割引券も、しっかり持っていた。
とはいえ、どんなに慣れている土地でも、油断は禁物だと、ミミは嬉しくてふわふわしがちな気持ちを引き締めた。しかも、今日来ているのは、二人にとって辛い思い出の地、ガナン帝国領だ。
セントシュタインで近所の主婦に「つけもの石」を頼まれ、まずジャーホジ地方に行ったのだが、あいにく今日は良いものがなかった。それでもう一つの採取地であるここへ来たという訳だ。
ガナン帝国城の地下深くの、「閉ざされた牢獄」には、イザヤールの師であったエルギオスの憎悪の念が未だに残り、はびこる魔物を強力にしている。本人は救われたのに、この憎悪の念が消えるにはまだまだ時間がかかるという。
イザヤールは、ミミが隠そうとしても隠しきれない憂いを、ほんの僅か浮かべていることに気が付いて、そっと手を伸ばして彼女の手を握りしめた。
「辛い思いをさせたな・・・私はもう、大丈夫だから」
ここも、辛い思い出ばかりではない場所にするには、こうしてもいいか?
そうイザヤールは続けて囁き、辺りに魔物の気配がないことを確認してから、ミミを抱きしめた。
「私も・・・もう大丈夫です・・・。イザヤール様、今こうしてここに、一緒に居てくれるから」
ミミは彼の胸に頬をぴったりと付けて囁き、彼女もまた彼にしっかりと腕を回した。・・・今こうして、生きて、二人でここに、居られている。だから、もう・・・大丈夫。
濃い紫の瞳を幸せそうに輝かせ、彼女はイザヤールを見上げた。
「それに、ここ、辛い思い出ばかりじゃないんです。アギロさんやカデスの星のみんなに会った場所だし、大賢者さんが眠っている場所だし、それに、カデスの牢獄、最近レストランになったんですよ!とってもおいしいって評判なんです」
懸命に楽しいことを挙げていくミミの顔をじっと見つめ、イザヤールは微笑んだ。そして、もう一度固く抱きしめ、囁いた。
「・・・寄っていくか。そのレストランと、大賢者のところに」
「・・・はい」
楽しい思い出が、辛い記憶を上書きしてくれる。
無事つけもの石を手に入れると、まずはガナン帝国城の本棚に眠っている大賢者のところに寄ることにした。
「・・・たぶん眠っているとは思いますけど」
「そうかもな」
イザヤールも、クエストで大賢者に会った・・・というか、大賢者の眠っている本を見たことがある。大魔王たちを封印するため、その大魔王たちと共に本に眠ることを選んだ大賢者。人間の無限の可能性に驚かされたことの一つだった。
ガナサダイ亡き今、閉ざされた牢獄の手前の城内は、魔物の気配すら無く、静まりかえっていた。だが、一階の長い回廊を二人が歩いていると、何かの気配がした。どうやら北の宝物庫からのようだ。
他の冒険者かもしれないが、念のため見に行ってみることにした。すると。
なんとここに居るはずのない「ひとつめピエロ」が、何やらごそごそやっていた。
「くそう、大魔王様たちが封印されてる本は、どこにあるんだ?」
そうぶつぶつ言いながら宝箱を開け、中身が小さなメダルで喜び、イヤ喜んでる場合じゃ、とぷりぷりし、そしてようやくミミたちに気が付いた。
「あっ!人間め、このオレ様に会ったからにはタダで済むと思うなよ!」
そう言って杖を構えたが、宙に浮きながらも明らかに腰が引けている。そして、ミミたちが何もしないうちにこう叫んだ。
「今日のところは、忙しいから見逃してやる!命拾いしたな!・・・ルーラ!」
ひとつめピエロは捨てゼリフと共にルーラを唱え・・・
ごん。
鈍い音がして、ミミは思わず目をつぶった。
「あ~あ・・・」
天井に頭をぶつけ、特大のコブをこしらえて、ひとつめピエロはのびてしまった。
「何だったんだ・・・さ、放っておいて行くぞ」
イザヤールは呆れて呟いたが、ミミはためらった。
「でも・・・」
「どうした?」
「ホイミかけてあげちゃダメですか?・・・私もルーラをうっかり教会の中で唱えて、頭をぶつけちゃったことが一度だけあるんです。・・・何か、他人と思えなくて」
それを聞いてイザヤールは笑い、呟いた。
「・・・おまえは、本当に優しいな」
ホイミをかけてやると、ひとつめピエロは一つしかない目をぱっちり開けてから、大声で泣き出した。
「ちくしょう、こんなところに天井があるのが悪いんだ」
屋内で、ずいぶんと無茶を言う。
「おい、ニンゲン!おまえ、ギガクラッシャーってハンマー、知らねえか?あれがありゃ、こんな天井ぶち破って、風通しよくしてやれるのによう」
「ギガクラッシャー?確か材料はあったから、錬金してくればできると思うけど・・・」
「じゃあ作ってきてくれよ!礼はするから!」
「え、ええっ・・・」
こうしてミミは、うやむやのうちにクエスト「ジャマだよ天井」を引き受けた!
大賢者もレストランもお預けとなり、イザヤールは少し不満そうに言った。
「魔物の頼みを引き受けて大丈夫か?確かに間抜けそうな奴ではあったが・・・」
「やっぱり・・・いけませんでしたか?」
ミミが悲しげな顔になったので、まあ奴が悪巧みをしているなら、我々が阻止すればいいか、とイザヤールは呟いて、彼女の頭をなでた。
セントシュタインに戻り、つけもの石を届けてから、ミミはさっそく錬金を始めた。
「え~と。メガトンハンマーにオリハルコンに、ごうけつの腕輪だったよね」
ミミが言って材料を取り出すと、カマエルは満足そうに頷いた。
「正解でございます、お嬢様」
こうしてミミは呆気なく「ギガクラッシャー」を手に入れた!
「ではガナン帝国城に戻りましょう。そして、イザヤール様・・・」
「なんだ?」
「この後、カデスの牢獄のレストランで、夕食にしませんか?」
「それは大歓迎だ」
ミミたちが戻ってくると、ひとつめピエロは何やら本を手にして、先ほどの場所に居た。
「お、持ってきたか!じゃあさっそく」
ひとつめピエロはギガクラッシャーを手に取り、ふよふよ飛んで行って、そこからミミたちを見下ろして言った。
「バカなニンゲンどもめ。利用されたとも気付かないで!オレは、大魔王様たちが封印された本を手に入れた!今からこれを持って魔界に戻って、大魔王様たちの封印を解いてやる!」
「あ、あの本は!大賢者さんの・・・」
ひとつめピエロが持っている本が大賢者が眠っている本らしいことに気が付いて、ミミはいくらか慌てた。もうあの中に大魔王たちは居ないけど、でも大賢者さんが!しかし、天井は高く、取り返せそうにない。
ひとつめピエロは天井に穴を開けようと、ルーラを唱えて逃げるべく、ギガクラッシャーを振り上げた!
ごん。
ギガクラッシャーの威力は凄まじく、確かに天井は壊れた。・・・しかし、壊れた天井は大きな瓦礫となり、ひとつめピエロの頭を直撃した!再びのびてしまったひとつめピエロ。
ミミは慌てて落ちてきた本を受け止めた。だが、それは大賢者の眠っている本ではなかった。タイトルには、「犬賢者と魔玉たち」と書かれている。
「このタイトルで、勘違いしたのかな・・・?」
ミミが首を傾げると、イザヤールは肩をすくめた。
「要するに、こいつは悪事を働くには頭も力も不足ということだな」
気絶から醒めると、ひとつめピエロはしょげかえった。
「オレ・・・やっぱり大悪事はムリっぽいや・・・。悪いことやめて、ベビーマジシャンと組んで、お笑いマジックでもやることにするよ」
ゴメンな、と言ってひとつめピエロはギガクラッシャーを返してきて、更に「とんがりぼうし」をくれた!
よろよろとひとつめピエロが行ってしまうと、イザヤールがミミの頭をなでて呟いた。
「偉いぞミミ、クエストを引き受けたことで、魔物を改心させたとは」
「いえ、私は何も・・・」
結果はよかったけど、大賢者さんを危険にさらすとこでした、とミミもしょげると、イザヤールは慰めるように彼女の頬に手を当ててきた。
「彼なら自分で自分の身を守れるだろう。心配なら、今から警告に行けばいい。まあ、あのひとつめピエロが戻ってくるとは思わないが」
ミミは頷き、表情が晴れやかになった。
宝物庫から、また長い回廊をぐるりと回って、大賢者の眠る本を置いてある部屋に向かう二人。
「・・・何の気配もなくなりましたね」
ミミが呟く。呟き声も、やけに響く。
「少なくともこの階には、今や我々二人しか居ないからな」
イザヤールが答え、ふと何かに気付いたように立ち止まった。
「二人きり・・・そうか」
「え?」
イザヤールはミミの方に向き直り、見下ろしてきた。懇願するような、熱い瞳で。
「ミミ・・・ここでは駄目か・・・?」
「駄目?それって何・・・。・・・!!」
返事の代わりに、目を閉じたイザヤールの顔が、ゆっくりと近付いてきた。
頬を染めながらも、ミミも素直に目を閉じて、愛しい唇を待った。彼が、彼女のこの城での辛い思い出を、少しでも軽くしようとしてくれているのがわかったから。
今日は何の障害もなく、唇はあっさりと、優しく重なった。この陰鬱な筈の場所で、思いがけない幸福感に包まれ、恋人たちにまた一つ、優しい記憶が増えた。〈了〉
素敵ですね
そういえばそちらは豪雨大丈夫でしたか?
夕方頃、横浜で避難勧告が出ていたのをTVで観て津久井さん大丈夫かなと思って・・・
ちなみに家は
この豪雨で家中雨漏りだらけ
というより家の中なのに傘を差してる状態
まあ母と一緒に
「リアルドリフコントだね~」とケラケラ笑ってましたが
(;^∀^)
さらに時が経ち、何とアルマの塔でも同じ事をする始末…
Vでもどこだか忘れたが屋内ルーラしてます
何故ポケ〇ンみたいに「ここでは使えない!」って出ないのか…
【パパスの ことば…「むすこよ こういうじゅもんには つかいどころが あるんだぞ!(※元ネタはポケ)」】とか何とか出ないかなぁ…
津久井様宅の雨状況も気になりますが、ちいはゲーマー様も…
どうかご無事で~
こんばんは☆ご心配おかけしました!横浜市と言っても、津久井の居住地は丘陵地帯なせいか、おかげさまで申し訳ないくらい何事もありませんでした。ありがとうございます☆
それより、ちいはゲーマー様のお家は大丈夫でいらっしゃいますか?たいへんな状況を笑いに変えるお母様とちいはゲーマー様、とってもステキですが☆どうぞくれぐれもお気を付けて!
それにしても当サイトのバカップル、このままでは世界中のどこもかしこもイチャつき記念の場所になるのでは・・・と多少不安。
こんばんは☆ご心配おかけしましたが津久井は全く申し訳ないくらい無事です☆ありがとうございます!
ルーラ、ドラクエ内でもシリーズによっては、「しかしなにもおこらなかった!」になるのもあったような・・・気のせいもしくはファミコン版だけとか・・・?
まあぶつけてもHP減らないのがドラクエの親切設計w精神的ショックはでかいですがww
男主の場合ですと。
みそしる「イザヤール様!大発見です!屋内でルーラ唱えても、『スライムヘッド』ならぶつけても痛くないです!」
イザヤール「そんな発見する暇があったら、いい加減、屋内で唱えるとどうなるか学習したらどうだ・・・(溜息)」
_(;_ _)_
家は雨が降ると必ず雨漏りするんですが、それはいつものことだったからケラケラ笑ってたんです
・・・まあ昔に比べれば
はるかマシになったんですけどね
去年までは押し入れも雨漏りして、階段と玄関がずぶ濡れでしたし・・・
(;^∀^)
そしてうちの家族は全員『なっちゃったもんはなっちゃったんだから仕方がない』という考えなので(というよりマイペース?)
10年前、雨漏りしてるから布団を出そうと布団が入ってる押し入れを開けたら、中から滝のような雨水が大量に吹き出した時も一瞬驚きながらも
「ありゃりゃ、ドリフのコントみたいだねぇ~」
と一緒にケラケラ笑いながら片づけてましたから
・・・多分他の人が見たら笑い事では済まないですよね
(;´∀`)ゝ
こんばんは☆マイペースというより、おおらかでステキなご家族ですね☆
ご無事なら全然問題無しです~♪(問題なしっていうのも語弊がありますが・・・汗)
どうぞ風邪をお召しにならないようくれぐれもお気を付けくださいませvvv
雨漏り、ほんと厄介ですよね・・・私の部屋も昔漏りまして、焦り、まず本と原稿の心配をした覚えがあります(そこからかい!)