カマエル突撃インタビュー

カマエル「紳士淑女の皆様、ごきげん麗しゅう。本日は、もうすぐ人間になられて一周年のイザヤール様に、私カマエルが突撃インタビューをさせて頂きます！
ではさっそくイザヤール様、人間になって、特に変わられたと思っていらっしゃる事は、何でございますか？」
イザヤール「ああ、今日はよろしくな、カマエル。・・・そうだな、身体面でも、精神面でも、変わったことは多々あるので、なかなか一つには絞れないな」
カマエル「では、差し支えなければ精神面の変化を教えて頂けますでしょうか」
イザヤール「昔より、あまり悩まなくなったような気がする。悩んでいられるほど、人生は長くないからな。それに一度命を失った身としては、大概のことは大したことがないと感じるようになった」
カマエル「ははあ、なるほど。一度亡くなられた方の強みでございますね」
ラヴィエル「悩まなくなっただと？嘘をつくな。未だに、ミミに手を出すタイミングに悩んでいるだろう。悩んでいる間に、５０年くらいあっという間に過ぎてしまうぞ」
イザヤール「ラヴィエル・・・もう少し言い様があるだろう・・・」
カマエル「まあまあ、イザヤール様。では次は、肉体面の代表的変化をお願い致します」
イザヤール「やはり翼がないことだな。人間に姿が見えるようになったことは自覚していたから、なるべく普通に歩くよう気を付けてはいたが、飛ばなくても背中に翼がない違和感に、なかなか馴染めなかった」
ラヴィエル「翼より光輪をなくした方が大きかったのではないのか？頭上が寂しくなったから、一時期剃髪やめようか悩んでいただろう」
イザヤール「いつそんなことで悩んだ！さっきからなんだ！」
カマエル「ここで兄妹喧嘩はおやめくださ～い（汗）」
イザヤール「・・・ああ、すまない。後はそうだな、今のところ目立った変化は感じない。幸い、人間の病にもかからないようだし」
サンディ「おねーちゃんがさ～、イザヤールさん人間にするとき、ハシカとかいろいろワクチン射っといたからネ～」
イザヤール「何？！そうなのかっ？！」
サンディ「ミミが食べた果実にも、いろいろワクチン入ってたらしーワヨ」
イザヤール「・・・それは、大丈夫なのか・・・」
カマエル「では次の質問を・・・人間になって、剃髪する頻度は上がっていらっしゃいますか？」
イザヤール「誰だ、そんな質問をしてきたのは・・・。毎日顔を洗うついでに剃刀をあてるから、特に意識したことはない」
カマエル「あ、おかえりなさいませ、お嬢様」
ミミ「みんな～、何してるの？・・・え、イザヤール様に人間一周年感想インタビュー？」
カマエル「せっかくですから、お嬢様も何かどうぞ」
ミミ「え～と・・・イザヤール様、人間になって一番よかったと思われたことは、何ですか？」
イザヤール「それはもちろん、おまえと共に生きていけるようになったことだな」
ミミ「イザヤール様・・・（潤んだ瞳で見上げる）」
サンディ「やっぱり・・・」
ラヴィエル「この展開だな」
イザヤール「ミミ・・・少し・・・二人で出かけるか」
ミミ「はい・・・」
そんなわけでぞろぞろ去っていく一同。
カマエル「ええと・・・それでは皆様、ごきげんよう！次回は二周年でお目にかかりとうございま～す」〈了〉