せっかくなので「作品感想」カテゴリも少し増やしておきましょう。ここ数年、大河ドラマを割と見ています。見始めるきっかけになったのは、
『八重の桜』。戊辰戦争の会津に関しては石川雅之先生の漫画作品『二本松少年隊』で以前から興味を持っていましたが、大河で会津を扱うというので見たわけです。有名な白虎隊に尺を取られてやらないのでは、とちょっと危惧していましたが、ちゃんと少年隊の悲劇をしっかり扱ってくれたので満足です(二本松城周辺の当時の古戦場にツーリングにも行きました)。
日本人に昔から良くある「判官贔屓」というやつで、負ける側の物語は個人的に好きです。『八重の桜』の会津の話はまさにこれでしたし、『真田丸』もこれです。『真田丸』は本当に、今までの大河の中で一番楽しく見られた作品でした。意図的に
漫画的なデフォルメの利いたイベント描写が多かったからなのですが、これは若い視聴者層を発掘するのを狙っていると感じました。コメデイ的な掛け合いセリフが多く、大河でこんなに笑ったのは初めてでした。これからの大河はこういうのもありだな、と思わせてくれました。また、あの
『信長の野望』のコーエーさんがCGマップで協力しているというのも大きな出来事だと思います。ついにゲームの画面が大河ドラマに出るほどになったのだなあと。
しかし、ウチの親なんかは「変な大河」と言っていました。つまり、現代風のコメディ的会話に違和感を覚えるというわけです(他にも
忍者が活躍しすぎるとか色々ありますが)。これが受け入れられない層がいるのもまた事実でしょう。
『真田丸』にも残念な部分はあり、主に
合戦シーンの省エネ具合です。コーエーさんの戦場俯瞰画面にナレーションで合戦の流れを説明することで非常にわかりやすいのですが、その分迫力は抑え目で小規模な小競り合いの集合体のように見えてしまいます。せっかくCGを使えば実際に数千人を動員しなくても戦場の画面作りが出来る時代になったのだから、そこくらいは頑張って欲しかったのですが、でも、それを上回る魅力を十分に持った作品だったと思います。
個人的に好きだったのはやっぱり真田昌幸(草刈正雄)。まさに戦国時代を生き延びる小国の主(大名ですらない)の生き様を見せてもらいました。次々と仕える大名を変え、裏切りを重ねて生き延びる昌幸の立ち回りこそが
「戦国のリアル」を感じられ、とても楽しめたと思います。
そして最後は大坂の陣、豊臣方はやっぱり「負ける側」、信繁の最期も「史実に反して生き延びるくらいやるのではないか」と色々予想されていましたが、意外なほど普通の終わり方でした。でも恐らく脚本の意図は信繁も大坂組も、誰の自刃シーンも描かないことで想像の余地を残したこと。姫を徳川方に届けたあとに
スッっとフェードアウトするきりまで含め、ちょうどいい終わり方だったのではないでしょうか。ちょっと
最後の最後まで佐助頼みすぎだろ、とは思いましたけど(苦笑)。
明日は、、、どうしましょ。『シン・ゴジラ』の話か、クルマ欲しい話でもします。