ママ研究者~人生まだまだこれから~

製薬会社で新薬開発に挑む研究者。2人の息子(6&0歳)がいます。ママ研究者(今は臨床系)、日々の思いを綴ります!

医薬品 ~漆原 良一 (著)

2008-08-02 14:06:44 | お薬、疾患、健康
読んだ本。
業界研究シリーズ 医薬品 (日経文庫)
漆原 良一 (著)

流山おおたかの森の紀伊国屋をぶらぶらっと歩いているときに目にとまった本です。

医薬品業界の発展の歴史、構造、今後、について、とても分かり易くかかれています。著者は、野村證券のアナリスト(ヘルスケア部門)ですが、専門性が高いなぁと思っていたら、薬学部出身の方のようでした。
データが数値で示されており、グラフ、図なども多く、分かりやすいです。

【自分ポイント】→は、私の意見です。

○日本政府が年間に動かす予算は200兆円(2003年度)。
 このうち、約84兆円が社会保障給付費。
  このうち、年金45兆円、医療費32兆円、介護5兆円。

○厚労省による2025年度の医療費の試算
 制度改革前の試算:65兆円
 制度改革後の試算:56兆円
 → どうなるんでしょう、日本。。。

○医薬品市場は、6兆円規模でコントロールされている。
  国民皆保険のため、国家負担を減らすべく、薬価改定。
  (医師の診療報酬より、薬剤費の方が、手を付けやすい。)
  2010年以降、薬価改定は毎年?

○製薬企業だけでなく、医薬品卸、調剤薬局も集約化へ。
  医薬品卸:大手4社で8割のシェア。
  医薬品卸が、調剤薬局、ドラッグストアをカバーする事業統合へ。 

○米国では、特許が切れた翌年には、8割がジェネリックへ。
  日本では、15%程度。
 → 日本の製薬企業の売上の海外比率が高まっているので、2010年問題(2010年に大型薬の特許切れが次々に起こること。)は、本当に深刻・・・。

○健全な財務体質だが、効率性の低さが指摘される。
  医薬品開発は、ハイリスク事業であるため、多くの製薬企業の財務体質は、実質上「無借金経営」。(金融資産を必要以上に積み上げている状態。)
  薬の副作用や販売停止、被害者への補償問題などへの備えも必要。
  高い株主還元(50%)
  
  → 2007年頃から、各社、これらの貯金を、将来への事業投資にまわし始めました。新薬パイプラインの購入や、ベンチャーの買収など。明らかに、これまでとは異なる傾向が生まれていると思います。
  
ちょっと長くなるので、分割して書きます。

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