ママ研究者~人生まだまだこれから~

製薬会社で新薬開発に挑む研究者。2人の息子(6&0歳)がいます。ママ研究者(今は臨床系)、日々の思いを綴ります!

革新的新薬について・・・~その3:私にできることは何か~

2008-07-18 06:09:40 | お薬、疾患、健康
薬作りは一人ではできません。裏を返せば、どの過程に関わる人も、革新的新薬を創出に貢献できるチャンスがあると、私は思っています。

会社には様々な組織がありますが、それぞれがどういった風に、革新的新薬創出に貢献できるでしょうか。前臨床研究を例にとり、私の考えの一例を、以下に示します。

○ 薬理系 : 誰も見出していない、遺伝子の機能を見つける。
数多くある創薬の種の中から、新規性に富み、最も確からしそうなターゲットを選出する。
○ 合成系 : 誰も見出していない、新規の化合物骨格を合成する。
プロセス研究 : 天然物など、手合成が難しい化合物の合成法を見出したり、安定、安価供給に向けて、合成ルートをシンプル化する。
○ 分析、物性 : 服用しやすい製剤の開発。(経口薬、貼付薬、徐放性製剤、プロドラック化など。)
○ 動態 : 薬物間相互作用が起こらない薬。代謝のポリモルフィズムが起こらない薬(CYP2C19、CYP2C9などは、Poor Metabolizer, Extensive Metabolizer が存在します。)
○ 安全性 : 副作用の少ない薬。(QT延長など。)

また、共同研究の社内外手続き、経理、総務、人事など、間接的に創薬研究を支援する方もいます。

更に、
精力的に基礎研究を行うアカデミアやベンチャーの活性化、
患者さんの声を聞くことのできる医療従事者(医師、薬剤師、看護士)からの情報収集、
医療従事者との接点があるMRや臨床モニターによる情報収集
政府レベルでの取り組み
なども、革新的新薬創出には不可欠です。

つまり、革新的新薬を創出するためには、
 それぞれの専門性を掘り下げること
 いかに多くの方と、アライアンスしながら仕事をするかということ
の2点が、重要なポイントと言えそうです。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
このシリーズ, (ちえこまま)
2008-07-18 06:58:04
とても興味深く拝見しています!
このまま,
○セミナー等のプレゼン
○講義
○著書
につながりそうな気配.
素晴らしい!
返信する
Unknown (suikyo)
2008-07-19 00:43:14
ようやく最近のエントリを読み終わりました!
大変興味深いです。

最後の、「それぞれの専門性を掘り下げること
 いかに多くの方と、アライアンスしながら仕事をするかということ」というのは、様々な仕事に共通のことなのかもしれませんね。
返信する
Unknown (ママ研究者)
2008-07-19 11:06:56
> ちえこママさん。

ほ、ほ、ほんとうにそう思ってくれますか~
オホメのコトバ、嬉しいですぅ

> suikyoさん。

コメント、ありがとうございます。
管理職試験の勉強を兼ねて、これから、しばらく、真面目な内容が続くと思いますが、読んでくださる方の存在は励みです

(絵文字、初めて使ってみました。)
返信する

コメントを投稿