ママ研究者~人生まだまだこれから~

製薬会社で新薬開発に挑む研究者。2人の息子(6&0歳)がいます。ママ研究者(今は臨床系)、日々の思いを綴ります!

革新的新薬について・・・~その2:革新的新薬とは~

2008-07-17 17:19:51 | お薬、疾患、健康
世の中には、様々な疾患がありますが、優れた治療薬がどんどん上市されています。しかしながら、患者さんや、そのご家族が、「不便」と感じたり、「満たされない」と感じることは、まだまだ多く存在します。
すなわち、まだまだ新しい治療薬や治療法が必要とされているということです。
薬は、治療の目的に応じ、以下の3つにカテゴライズできると思います。

対症療法薬 : 病態そのものではなく、症状を和らげるもの。
根本療法薬 : 病気の原因そのものを取り除く。
予防薬 : 病気にならない、もしくは、再発しないようにする。

目指すところは、疾患が治癒し、薬や医療行為が不要となること。更に、もっと重要なことは、失われた機能が回復したり、QOLが改善することだと思います。

どのカテゴリーの医薬品が求められているかは、疾患によって異なります。

例えば、痛みやかゆみなどのように、まだまだ現存の治療薬ではコントロールでききれない領域は、対症療法薬のニーズが存在します。

一方、先日エントリーしたように 、治療的投与が可能になりつつあるリウマチなどでは、根本治療薬でないと上市されづらいと思います。

また、メタボリックなどのように、それ自体が病気ではないけれども、病気へのリスクが高いものは積極的に予防する必要があります。

私のお気に入りのweb site であるHealth Talk。そのMS(多発性硬化症)のPod Castの中に、Coping with the Fear of MS Relapse(MSの再発の恐怖と向き合うこと)や、Strategies for Living Well with MSMSとうまく付き合って生きていくためには)、などという題があるのを見ると、充足されていない医療ニーズについて深く考えさせられます。(この内容については、いつか取り上げていきたいと思います。)

慢性疾患の患者さんは、「現状のところでは治らない」「寛解しても、再発する可能性が高い。」などという現状で、気持ちを明るく持ち、うまく付き合おうと努めてらっしゃいます。私としては、できれば、Living well without MS を目指したい!です。

以上をまとめると、私が定義する革新的新薬とは、
患者さんやそのご家族の「不便」や「不満」を解消し、「希望」を与えるもの。
ということになりました。

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