3月5日・6日と、4000人を超える大きな組織の人事のご担当者20名余りを集めた2日間のワークショップのお仕事をさせていただきました。
元々11個のバラバラな組織がいっぺんに合併して、かなりな力業である程度制度や枠組みをそろえて5年。
なんとか形は整ったものの、なかなか本質的な統合が進まない状況で、この度本部と各組織との人事ご担当者が初めて一堂に集結。
何が統合の恩恵の実現を遅らせているのか? 自分たちに今何が必要なのかに焦点を当てました。
お互いの状況や心情を共有して、無意識化している対立を意識化し、それを超えて協働していく基盤を醸成することがワークショップの目的です。
キーワードは、「無意識化している対立」。
人間だれしも、表立ってチャンチャンバラバラはやりたくないものですよね。
だから、日常のふとしたことで何となく腑に落ちないことや、「そうじゃないんだよな~」と思うことがあっても、その場は飲み込んでしまうことが多いもの。だからといって、そのままそのなんとなく感じた違和感が消失するものでもなく、いつまでも、もやもやとくすぶり続ける。
会議で決まったことが現場で遂行されない理由もここにあるように思います。
そもそも、人が集められてチームという形がつくられてしばらくすると、こんな感じになるのが常なんじゃないでしょうか。
全く仕事にならないというわけでもないけど、イキイキと協働できてる感じもしない。
一緒にいるメリットを生かし切れている感じがしない。
それは5~6人の小さなチームでも、あるいは数十人~数百人の組織がいくつか集まってより大きな組織を形成したときにも同じことです。
それぞれ自分が慣れ親しんだ独自のやり方があり、目的や目標もはっきり共有されておらず、お互いに様子見で、お腹の中では色々言いたいことがあっても、深く関わり合うことなく表面的な付き合いをしながら、何となく毎日を流している。だから、みんな楽しくない、生産性もあがらない。なんとかしないと・・・と思っているけれど、どうしていいかわからない。
外部ファシリテーターとしてお仕事を頂くのって、実にこういう局面が多いんです。
そういうときの私の役割は、まず、ワークショップの参加者が役割や責任を脇においた「個人」として出会い直せる場を用意すること。
その上で、皆さんが自分の中にある違和感に正直になって、対立を避けたい気持ちを超えて、意識的に対立を直視できるようにご支援すること。
まずは、組織横断的なプロジェクトや、M&Aなど、各々異なるアジェンダをもった人たちが集ったら
そこに対立が有って当然だということ、そして、対立を超えたところにしか本質的な相互理解と協働の基盤はうまれないことをお伝えします。
「そっか、そりゃそうだよね」と納得していただけたら、私の仕事の30%は終わり(^^)
あとは、対話の場をご提供するのみ。
自分以外の人たちは何を気にしているのか? お互いの困りごとやその背景に興味を持ってよく話を聞いてみたら、
そこには必ず共通の痛み・苦しみや、同じように思い描いている希望があることに気づいていただける。
お互い自分の役割を全うしようとして一生懸命だからこそ、対立していたんだと理解できる、そうすると、これほど心強い同士は居ないと感じていただける。
そこまでいけば、あとは皆さんが自分たちでベクトルを合わせることができる。
そうわかっているから・・・
でもですね・・・、それはもう何度も経験してきてよくよくわかっていることなれど
永遠の課題は、”こうすればいい!”というやり方は、その時その場にならないとわからないということ(笑)。
今回もまた、準備した通りに進んだのは初日の午前中まででした。
お昼は、ワークショップ会場となったホテルの2階で。
大きな窓からは春爛漫の水辺の美しい景色。
お楽しみはこの辺りまで。
そのあとは、流れの中で、
「今何ができるか?」「ここで最も効果的な問いは何だ?!」と皆さん用の休み時間の10分毎に一人でブレストし
思いついた方向性に対して事務局の方にご承諾を頂く事の繰り返し。
一瞬一瞬がジェットコースターでした。
なんとか2日間を終わって、会場から皆さんを送り出し、帰りの空港まで向かう道。
「他にもっと効果的な時間の使い方があったのではないか・・・」と、悶々としていました。
私が担当者の一人なら、腰が引けて逃げ出すだろうと思えるような・・・
どこから手をつけたらいいのか途方にくれるほど、複雑に絡み合う組織課題のジャングルの中で
そこに踏み止まり、自分が大事にしたいと思っている人たちのために、なんとかしようとしている参加者の方々を
尊敬の念で見守っている私がいる一方で、
私が関わらせて頂くことはもう二度とないかもしれないから
私がここで嫌われようがどうしようが関係ない!と腹をくくって
皆さんの皮膚や筋肉を突き抜け、心臓に達するような鋭くて太い矢を何本か放たせていただきました。
それもまた、私のエゴでもあったなあと・・・皆さんを無用に傷つけたかもしれないという後悔も湧いてきます。
空港での待ち時間で、ワークショップの成果物やディスカッションの様子の写真などをスライド資料にまとめながら、だんだんと自分の力も抜けてきました。
進行途中のどこで自分が判断ミスをしたのかに気づき、なぜその選択をしてしまったのかも良くわかって
あらためて「あれが、今の自分の実力のマックスだったな」と受け止められました。
少し遅れた飛行機の出発を待つ混雑した空港で
まとめ終えた資料を事務局にメールでお送りしたら
何をするのかをほとんど問わず、私を信頼して全てを委ねるという大きなリスクを取り
現場での度重なる急な変更に快く同意して無理を聞いてくださった事務局の皆さまに
あらためて心から感謝が湧いてきました。
晩御飯は立ち食い蕎麦。
ちょっと、ホッとするひと時。
夜遅く帰宅して、翌日はぐったり疲れ切って、ほとんど使い物にならず。外も土砂降りの雨。
そして更に翌日の早朝、ふと妙案が浮かびました!
早速事務局の方にラインでアイディアをお知らせしつつ、妙に納得したのは
あの日あの現場で私が巧く完結できなかったからこそ
皆さんが膨大な時間とエネルギーを掛けたワークショップの空気を風化させずにこの先につなげて展開していかれる道筋が開かれたのだということ。
「巧くいかないことは、巧くいくことの一部」。
今日全く別の場面で、ある方が教えてくださいました。ほんとほんと☆そのとおり!!
あの日あの場で、わかりやすく、小さくまとまる巧い終わり方にならなくて、ほんとよかった。
皆さん、これからが本番です。
喧々諤々、やってくださいませ~(^^♪
元々11個のバラバラな組織がいっぺんに合併して、かなりな力業である程度制度や枠組みをそろえて5年。
なんとか形は整ったものの、なかなか本質的な統合が進まない状況で、この度本部と各組織との人事ご担当者が初めて一堂に集結。
何が統合の恩恵の実現を遅らせているのか? 自分たちに今何が必要なのかに焦点を当てました。
お互いの状況や心情を共有して、無意識化している対立を意識化し、それを超えて協働していく基盤を醸成することがワークショップの目的です。
キーワードは、「無意識化している対立」。
人間だれしも、表立ってチャンチャンバラバラはやりたくないものですよね。
だから、日常のふとしたことで何となく腑に落ちないことや、「そうじゃないんだよな~」と思うことがあっても、その場は飲み込んでしまうことが多いもの。だからといって、そのままそのなんとなく感じた違和感が消失するものでもなく、いつまでも、もやもやとくすぶり続ける。
会議で決まったことが現場で遂行されない理由もここにあるように思います。
そもそも、人が集められてチームという形がつくられてしばらくすると、こんな感じになるのが常なんじゃないでしょうか。
全く仕事にならないというわけでもないけど、イキイキと協働できてる感じもしない。
一緒にいるメリットを生かし切れている感じがしない。
それは5~6人の小さなチームでも、あるいは数十人~数百人の組織がいくつか集まってより大きな組織を形成したときにも同じことです。
それぞれ自分が慣れ親しんだ独自のやり方があり、目的や目標もはっきり共有されておらず、お互いに様子見で、お腹の中では色々言いたいことがあっても、深く関わり合うことなく表面的な付き合いをしながら、何となく毎日を流している。だから、みんな楽しくない、生産性もあがらない。なんとかしないと・・・と思っているけれど、どうしていいかわからない。
外部ファシリテーターとしてお仕事を頂くのって、実にこういう局面が多いんです。
そういうときの私の役割は、まず、ワークショップの参加者が役割や責任を脇においた「個人」として出会い直せる場を用意すること。
その上で、皆さんが自分の中にある違和感に正直になって、対立を避けたい気持ちを超えて、意識的に対立を直視できるようにご支援すること。
まずは、組織横断的なプロジェクトや、M&Aなど、各々異なるアジェンダをもった人たちが集ったら
そこに対立が有って当然だということ、そして、対立を超えたところにしか本質的な相互理解と協働の基盤はうまれないことをお伝えします。
「そっか、そりゃそうだよね」と納得していただけたら、私の仕事の30%は終わり(^^)
あとは、対話の場をご提供するのみ。
自分以外の人たちは何を気にしているのか? お互いの困りごとやその背景に興味を持ってよく話を聞いてみたら、
そこには必ず共通の痛み・苦しみや、同じように思い描いている希望があることに気づいていただける。
お互い自分の役割を全うしようとして一生懸命だからこそ、対立していたんだと理解できる、そうすると、これほど心強い同士は居ないと感じていただける。
そこまでいけば、あとは皆さんが自分たちでベクトルを合わせることができる。
そうわかっているから・・・
でもですね・・・、それはもう何度も経験してきてよくよくわかっていることなれど
永遠の課題は、”こうすればいい!”というやり方は、その時その場にならないとわからないということ(笑)。
今回もまた、準備した通りに進んだのは初日の午前中まででした。
お昼は、ワークショップ会場となったホテルの2階で。
大きな窓からは春爛漫の水辺の美しい景色。
お楽しみはこの辺りまで。
そのあとは、流れの中で、
「今何ができるか?」「ここで最も効果的な問いは何だ?!」と皆さん用の休み時間の10分毎に一人でブレストし
思いついた方向性に対して事務局の方にご承諾を頂く事の繰り返し。
一瞬一瞬がジェットコースターでした。
なんとか2日間を終わって、会場から皆さんを送り出し、帰りの空港まで向かう道。
「他にもっと効果的な時間の使い方があったのではないか・・・」と、悶々としていました。
私が担当者の一人なら、腰が引けて逃げ出すだろうと思えるような・・・
どこから手をつけたらいいのか途方にくれるほど、複雑に絡み合う組織課題のジャングルの中で
そこに踏み止まり、自分が大事にしたいと思っている人たちのために、なんとかしようとしている参加者の方々を
尊敬の念で見守っている私がいる一方で、
私が関わらせて頂くことはもう二度とないかもしれないから
私がここで嫌われようがどうしようが関係ない!と腹をくくって
皆さんの皮膚や筋肉を突き抜け、心臓に達するような鋭くて太い矢を何本か放たせていただきました。
それもまた、私のエゴでもあったなあと・・・皆さんを無用に傷つけたかもしれないという後悔も湧いてきます。
空港での待ち時間で、ワークショップの成果物やディスカッションの様子の写真などをスライド資料にまとめながら、だんだんと自分の力も抜けてきました。
進行途中のどこで自分が判断ミスをしたのかに気づき、なぜその選択をしてしまったのかも良くわかって
あらためて「あれが、今の自分の実力のマックスだったな」と受け止められました。
少し遅れた飛行機の出発を待つ混雑した空港で
まとめ終えた資料を事務局にメールでお送りしたら
何をするのかをほとんど問わず、私を信頼して全てを委ねるという大きなリスクを取り
現場での度重なる急な変更に快く同意して無理を聞いてくださった事務局の皆さまに
あらためて心から感謝が湧いてきました。
晩御飯は立ち食い蕎麦。
ちょっと、ホッとするひと時。
夜遅く帰宅して、翌日はぐったり疲れ切って、ほとんど使い物にならず。外も土砂降りの雨。
そして更に翌日の早朝、ふと妙案が浮かびました!
早速事務局の方にラインでアイディアをお知らせしつつ、妙に納得したのは
あの日あの現場で私が巧く完結できなかったからこそ
皆さんが膨大な時間とエネルギーを掛けたワークショップの空気を風化させずにこの先につなげて展開していかれる道筋が開かれたのだということ。
「巧くいかないことは、巧くいくことの一部」。
今日全く別の場面で、ある方が教えてくださいました。ほんとほんと☆そのとおり!!
あの日あの場で、わかりやすく、小さくまとまる巧い終わり方にならなくて、ほんとよかった。
皆さん、これからが本番です。
喧々諤々、やってくださいませ~(^^♪