魅央屋「DVD-PGの集まる店」

ここの筆者「水華ミオ」。注・ここで紹介しているゲームは全て18歳未満購入禁止の商品です。ご意見等は本店のBBSまで。

●そらのいろ、みずのいろ

2009年12月11日 | ☆3以下
図鑑No.157
●そらのいろ、みずのいろ
原作『Ciel』
原画『Tony』
ブランド『mints』
主な属性『青春/夏休み/水泳部/ひと夏の思い出/スワッピング』
■ヒロインのみフルボイス。アニメ無し。パスワード。3800円(税別)
※PS2推奨。


『男女四人が全力で駆け抜けた、最初で最後の夏休み』


 このゲームはダブル主人公ダブルヒロイン。ちょっとストーリーの説明がやりずらいので、最初に登場人物から入ってくらはい。

◇登場人物紹介。
『最所弌(さいしょはじめ)』‥‥このゲームの主人公その1。
 幼少から女顔の「かわいい子供」だったため、大人達からはちやほやされていたが、同年代の子供からは無条件で嫌われていた過去がある。そんな経験からヒロインいわく「ルー大柴」といわしめる「三枚目のピエロを演じる」事を処世術にしてきた少年。今では処世術も板について、酔っ払いのような度の過ぎた奇行に走る事もしばしば。
 今でも童顔は相変わらずだが、水泳部で鍛えた肉体美と伸びた身長が実にアンバランスな成長を遂げさせた。
 「主人公その2」の「海野十三」とは親友であり悪ノリ仲間である、学内ではイチと十三で「殺し屋コンビ」と呼ばれている。元ネタは座頭イチとゴルゴ十三だろう、たぶん。
 夏休みに入ったのだが、補習で通常と変わらず学校に通うハメになった弌。しかし、何と一学期に転校してきたスーパー美少女「水島朝」までが補習に登場。水島朝とは一緒の部活だったが、今までお近づきになる機会はなかった。ここでお近づきになろうと思わない男子はいないだろう。そして、攻めの人生の弌は「実は下の名前すら知らなかった美少女」に猛烈アタックをかけまくるのだった。

 水泳部のことを「遊泳部」と呼び、ろくすっぽ練習はせず、ただブーメランパンツをはいて遊び場にしている。人生を軽く生きているようにみえるが、最近苗字が変わったりして、複雑な家庭環境にあったりもする。


『水島朝(みずしまあさ)』‥‥ヒロインその1。一学期に転校してきたファションモデルに国民的美少女にグラビアアイドルをたしたような文句ない容姿をした娘。
 髪は黒のストレートロングで、タッパ180ある弌(はじめ)と頭半分しか変わらない高身長。一部のスキもないナイスバディ。競泳用水着のしめつけにも屈せず、激しく女を主張する釣り鐘型の爆乳。さらに、白いワンピース状のセーラー服から伸びた御御足(おみあし)は殺人的である。
 転校当初は水泳部という事もあり、美少女の水着がタダでみれると全学園の野郎どもの視線を独り占めにしていたが「性格がキツい」「無愛想」と、一学期でほぼ全ての悪い虫を撃退してしまった為、今では彼女に近寄ろうとする男子はおろか女子もいない。

 でも、実際は明るくてノリのよい男前な娘。弌の奇人ぶりに主人公その1と2にだけは本当の自分をさらけ出すようになる。どこか「江戸っ子属性」を持っていて、落としたパンツを拾ってくれた男子にハンカチ返してもらった感じで礼を言ったり、男子部室で平気で着替えたりと「小さい事は気にしない主義」が青い少年二人を振り回す事も。
 実は地元の大手土建屋の娘で、下地にある彼女の性格の基礎構築は家系にある模様。
 しかし、主人公も恐れる老教師に気合いを入れられ軽くトラウマになったり、家事が得意だったり、料理で男どもから賞賛されたい願望があったりと、乙女な部分がまた魅力的なギャップを生む。


『海野十三(うんのじゅうぞう)』‥‥主人公その2。弌(はじめ)とは対極的に、見た目は白髪に丸メガネで糸目の「おっさん」である。私服も作務衣(坊さんの着る作業着)にセッタと、自分のキャラをさらに上盛りするという期待を裏切らない男。朝いわく「明治時代の丁稚小僧(でっちこぞう)」。
 服装や食事などから茶色い渋い趣味なのはわかるが、日曜日には朝のアニメから特撮モノからアイドル番組まで、正午までぎっしり子供番組フルコースを見るのが休日の醍醐味というポップ(?)な面もある。
 他人の事をもれなく「○○先生」と呼び、誰に対しても敬語であるが、冗談も真剣なので悪ノリをやりだすと、誰にも止められない独特の変態or電波ワールドを展開する。
 自分は常に真面目であります。勉強も冗談もHも真面目であります。というようなキャッチフレーズが何かの雑誌でつけられていた。
「何か面白い話はないですか?」が口癖。見た目通りどこか哲学的で記憶が得意で成績も良い。
 彼もまた「遊泳部」の一員で、鍛えられた肉体にブーメランパンツは本気か冗談かわからない。このゲーム、基本立ち絵が2人の引きの絵図らなので、プールのシーンではこのブーメラン兄弟がよく並んでいる。美少女ゲームとしてはどうなのか?(笑)。
 しかして、見た目はともかく彼も立派な発情期の男子。一番近くにいる最上級の美少女「水島朝」には、弌に負けず劣らずひかれるモノを感じていた。しかし夏休みに入って、彼が偶然目にした「畑で作業をしている素朴な少女」が脳裏から離れなくなり、様子がおかしくなる。そして、それが恋だという結論にたどり着くまで、かなりの時間を要したエピソードからしても心は健全な少年である。


『空山菜摘芽(そらやまなつめ)』‥‥ヒロインその2。プールの近くの畑で、真っ白なセーラーワンピースの制服をドロドロにしながら野菜を育てている少女。よって序盤は「畑の少女」と呼称される。彼女も1年の冬に転校してきた女子だが、朝とは違い地元の人間ではない。

 こちらはヒロイン1の朝とは対極的で、幼児体系で小柄で控え目でトロそうな女の子。古風なイカリングヘアー(両輪おさげ、と言うらしい。豆知識)。さらに白ワンピからのぞく黒ストッキングは反則的で、朝とはこれまた対極的の御御足の破壊力を持つ。

 ちなみに、ストッキングフェチの私は断然彼女の脚に票を入れる(爆)。
 朝の艶やかな生脚もいいが、真夏にストッキングというのがポイント高し。それを脱いだ直後の脚の感じとストッキングはどんな風にぃ~?! ……趣味が出てしまった。話を戻す。

 学園の畑をいじっている事から園芸部というのは想像に容易だが、実はそこで孤立を食らっている。
 というのも父親が学者で、町の大規模な堤防建設において、それを作る事によって海の生態系が崩れる危険性を示唆している人物。彼の登場で工事がたびたび中断され地元土建会社からは疎まれているのだ。
 地元には土建業が多い。工事が中断すると仕事も無くなるわけで、家では子供達がイヤになるほど親からグチを聞かされる。それが学者の娘である彼女にとばっちりとしてあらわれているのだ。

 特にヒロインその1、水島朝はその典型で、あからさまに彼女を憎悪している。
 最初のエンカウントは、彼女が「とれすぎた野菜料理」を遊泳部の三人におすそわけに来て弁当大会に。朝はケンアクなムードを醸し出している。弌はなんとか場を中和剤っている。さらに、十三が突然彼女に「愛の告白」を始めるというカオス。

 愛の告白はさておき、女子二人はあのままではイカんなと、野郎二人は「男の特性」を使って「女子二人を結託」させて、ごく自然と交流が深まり友達にさせるという、賢しい「美少女と野獣のキャンプツアー」を画策する。

 仲間になった後も、水泳大好きの3人に対して、運動オンチでカナヅチの彼女も遊泳部に参加させられ「風呂場につれてきた猫」のように結局いぢめられる(笑)。





◆ストーリー。
 夏休みが始まった時には名前も知らなかったメンバー。それが唯一無二の親友になった。
 2人の少年と2人の少女は、夏休みを余すとこまく満喫していた。プールへキャンプへ山へ海へ、毎日がイベント、毎日を全力で遊ぶ仲になっていた。

 そして夏祭りの夜、ついに二組のカップルが誕生した。

 これにより、友情に愛情が加わり、四人の絆は彼彼女らにしか理解できないモノへと、より深まっていく。

 しかし、そんな楽しい夏休みも永遠には続かなかった。なんと少女二人は、家庭の事情でこの夏限りで転校する事になっていたのだ。

 呆然とする四人だが、悲しまない事を皆で誓いあう。別れの日までは恋人。その日を迎えたら別れる。でも、約束の日までは今まで以上に身が砕けるまで楽しんで暴れ、激しく愛しあう。そんな「あの夏休みは人生最高だった」と思い出せるような夏休みにしようと各々が決意する。

 そんな中、四人はある事に気づいてしまうのだ。
 恋人が確定してから気づいた、相方の恋人の魅力に……。
 その想いは日に日に肥大化して、お互いが同じ気持ちだと気づいた時、新しい愛と友情のカタチが生まれる。それはすなわち……。


 四人の少年と少女が作ったこの夏最高の想い出は、誰にも真似出来ない最高の未来予想図を作り、それは少年達を大人にする後押しになるのだった。




 ……うぃっす。
 久々にキーボードと格闘した。過酷。疲れるっスね。

 あ、忘れてた。
 CV紹介。
『水島朝』…………芹園みや
『空山菜摘芽』……みる



 「そらのいろ、みずのいろ」が待望のDVDPG化。PC版発売の時は巻頭特集しなかった美少女雑誌が無かったほどの話題作で、特にこの原画家さんのエロスなCGを見せつけられた時は相当なインパクトがありましたな~。

 で、この「mints(ミンツ)」ブランドのゲームは初めてプレイした。
 ラインナップを見ると、今回のような話題性のあった作品を次々とロープライスでDVDPG化しているメーカーのようだが、個人的な感想といたしましては、


『システム0点! いやマイナス100点!』


 だめだぁあああああああああああああああああああ!

 伊達にDVDPGを150本以上やっていない私が言う。ついに「電脳」と「アクア」など、数々のシステム不備のメーカーを抜いて『システムワースト1位』の座を負け取ったメーカーが現れた。それがこのmintsである。
 よりによって、このゲームにこれかぁ!
 楽しみにしていたのに!
 うわぁあああああああああああああ!
 うがぁああああああああああああああああ!!(獣化)


 ……つまりね、新しいゲームを買ったのに、専用コントローラーが壊れていた。もしくは無い。そんな気持ち。
 最近で言うとモンハン3のリモコンでのプレイガイド見た時「出来るか、こんな曲芸!」と思ったのに近い。古いのだと音ゲーをフツーのコントローラーでプレイして、どのボタンがどこに対応しているかわからなくなる不快感。

 そんな具合に、いくら面白いゲームでもコントローラー無しだとゲームの価値はマイナスに転じてしまう。このmintsのコントローラーは不良品クラスのポンコツだ。


 まだこの一本だけしかやっていないのだが、mintsの基本システム。『早送り禁止』『巻き戻し禁止』『DVDプレイヤーによっては一時停止も禁止』『シナリオ間にチャプター無し』『チャプター数200以上』『CGモード、回想モード無し』


 どういう事かと申しますとね……美少女ゲームにおいての一番の事例を挙げると、1チャプターが60分で、エロスなシーンが最後の10分にあったとしたら「50分黙ってムービーを見なければメインディッシュにたどりつかない」。スキップするとエロスまで飛ばして次に進んでしまう。
 と、いう事なのだ。

 しかもこのゲーム、やたらボリュームがあり1チャプターが長くてエロスが出てくるシーンまでが遠い!
 キャラ紹介では主人公その1その2と表記したが、それはパソコン版での話で、主人公1をクリアすると、次に主人公2の視点でプレイできたらしい。
 ところがこのDVDPG版は、2つをミックスしちゃったみたい!
 1の次に2の視点でシナリオが語られるので、ヒロインとラブラブな関係になるまでがやたら長い。
 確かに重複する部分は削るにこした事はないが、DVD一枚だし、ん~、正解か不正解かは難しいけど、このシステムが不正解感をただよわす。


 前にも似たようなシステム食らった事があるけど、それはゲームがそこそこだったのであきらめもついた。
 でも、
 やはりこのゲーム、内容の方は星6クラスの力作なのだよ、困ったことに。他のゲームなら放棄しても良かったのだが、Tony氏のエロス、見たいじゃない。

 そういうことで、唯一の救いがある。それは、

『録画OK』

 助長するワケじゃないが、この作品はVTRに取らないと無理。そういう環境にない人にはオススメ度は「ゼロ」と思っていただいていいほど。実用度がほぼ皆無になるから。ヒマな人は自分でオリジナルDVDを作って使えるんだけどネ。

 この作品、何か別の作業しながらでいいからHDDに録画して、回想モードとして好きなシーンを自前で編集する以外には、よっぽどの時間と広い心を持ったストレス感じない人じゃないと付き合っていけない。

 mintsのゲームは他にも気になるタイトルがいっぱいあるんだけど、これじゃ手が出せないなぁ……。他の信頼のあるブランドが優先になる。
 長いシナリオをDVD1枚に収録したのは見事だが「本当に詰め込んだだけ」なんだよな。ガレキだ。箱から出して仕分けと陳列まで手が回っていない。なぜゲームをしているのにプラモを作っている気分を味あわないといけないのか……。「図工1」だぞワシわ!(泣)


 でも、面白い、このゲーム。CGだけではなく、シナリオも秀逸で、何でもないシーンでも言い回しが面白く退屈させない。「備蓄食料が尽きた」のを「弾切れ」などと表現するセンスは好きだ。日常では何気に言ってるし聞きもするけど、改めて文字にすると不思議と笑える文章って、普通の人なら机に向かうとなかなかパッタリと出てこないモンだからね。
 ただ、上記の理由で、とってもヒマな状況でないと、まともにストーリーを見る事は出来ないだろう。
 パスワードもシナリオくくりになっていて、「遊泳部」「台風が来た」など、シナリオ一本で30分~70分と見繕ってほしい。
シナリオ数を数えて30で挫折した。多いっス……。
 自分で文字送りできるなら、1シナリオ20分くらいで終わるんだけどね。コンシューマーでもテキスト表示が遅い角川移植(笑)でもイライラするのに、その何倍も遅いんだから程度をわかっていただけるかと。極端にテキスト送りが遅いワケではないが、1チャプターが長すぎるんだな。

 とりあえず、日常のちょっとしたヒマ潰しにやるゲームではない。がっつりヒマな時「映画百本」見るつもりでプレイする覚悟がいる。その際出来れば、VHSでもいいから録画したい。次にいつプレイ出来るかわからないので「内容を忘れる」とりあたまの方は余計にね。ざっと早送りでおさらいしないと。
 開発スタッフには一番嫌われるが、最悪別の音楽聴きながらでもプレイして欲しい。
 実際、休日フツーにプレイしていたら、四人が揃う前に日が暮れた。
 でも、


「一生で一回はプレイする価値はあるゲーム内容なのは間違いない」


 ぶっちゃけ、内容だけなら星6つの殿堂入りにしたい。
「何でもない遊びが腹がよじれる程楽しかった頃」を思い出させてくれる、素敵なゲームだす。
 それぞれが特殊な環境に生まれながら、やさぐれる事なく育ち、大人の世界では妙に出来た子供なのだが、同い年が揃うと年相応になる四人の生きる力。生命力。それが素晴らしく感じられる。
 そのシナリオに、極上のエロスを描いたCG。文句ない。

 しかし、何度も言うけど莫大な時間と電力と体力気力を消費するのは覚悟していただきたい。ロープライスだけど、ここは安かろう悪かろうである。



 総括。
 基本的にウチではDVDプレイヤーは3台あるのだが、このゲームは『プレステ2仕様』であるコトが判明。プレステ2なら早送りと巻き戻しが可能だった。
 ただ、他の2台「三菱(優良品)だと、上記の結果」「一流メーカー品(安物)では上記の結果+一時停止不可+後半再生不能」になった。
 2社で不具合が出るという事は、他のメーカーでも同様の不具合が出る確率が高い。

 以上の結果をふまえて、PS2を持っていない人には地雷かもしれない。

 比喩じゃなく、本当に専用コントローラーが必要になるとは……。

 つまり「一般のDVDプレイヤー」「PS2」「+VTRを作れる環境」では評価が全然違ってくる。つーか、ここのメーカーはいまだにPS2に合わせて作っているんかい!
 千と千尋の大トラブルをいまだに学んでいない!

 最初に言ったけど「内容100点」だけど「システム-100点」。



 という事で、

 オススメ度……☆☆。(大当たり確立10%アンダー)



 一般のDVDプレイヤーで再生するのは、不具合が出る確立大なので地雷だ、このブランド。
 これなー、内容だけなら星6つに値するんだけどなー!



 何気に夏休みモノ2連発してるな……。
09/06/06(飲み水の日、らしいよ今日は)。




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