魅央屋「DVD-PGの集まる店」

ここの筆者「水華ミオ」。注・ここで紹介しているゲームは全て18歳未満購入禁止の商品です。ご意見等は本店のBBSまで。

☆New☆●恋愛病

2009年12月11日 | ☆4
図鑑No.163
●恋愛病
原作『C-side』
原画『西崎えいむ』
ブランド『タケ・ビジョン』
主な属性『○○ロス症候群/三角関係/イケてない男子の主人公/長編ADV』
■主要キャラフルボイス。アニメ無し。字幕オンオフ。パスワード。回想モード(クリア後)。CGモード(クリア後)。その他おまけ。


『ぐだぐた男のグズグズ三角関係模様』


◇内容的に今回はキャラ紹介から。


『名護啓太』・・・主人公の幼なじみで親友。イケてない男子である主人公とは「真逆の立ち位置」。
 顔はまあ三枚目だが、社交的で自分に正直で世渡り上手。人生経験が濃密で人脈もある。男女ともに人気も高く、恋人である『塚越ななり』とは交際一年を経ても、ラブラブなバカップぶりを遺憾なく発揮する。
 主人公にとっては子供の頃からの「困っている時にいつも助けてくれるヒーロー」であり、男はこうありたいと思う反面、そんな彼が身近にいる事がコンプレックスでもあった。
 被害妄想癖のある主人公にいつもティーチャとして相談に乗り、自然と手助けをしたりする。
 根本的にイイヤツではあるが、主人公をオモチャにしようとする悪癖をも持っている。


『白瀬つなみ』・・・学園のヒロイン的存在。容姿端麗成績優秀で、クラスの女子の輪の中心には必ず彼女がいるというほどのカリスマ性を持つ。ストレートロングヘアー以外に飾り気のないシンプルな少女だが、圧倒的な美少女ぶりで、狙っている男子も多い。
 趣味は読書で、主に哲学の本を好む。
 主人公が最近ちょっと気になっている存在の女子。彼女に屋上に呼び出されて告白をされる……居眠りでそんな夢を見て、目覚めた瞬間、プリント回収に来たリアルの彼女の手を、寝惚けて握手してしまうところから本編が始まる。
 後に主人公と交際する事になるが、いざ恋人になったら「全くつかみどころがない」あえていうならそんな性格だった。それは主人公をさらに悩みの螺旋へといざない疑心暗鬼に陥れ、それは二人の温度差となる。
 告白をあっさりOKしたかと思えば、その後「じゃあね」と何事も無かったように下校していくし、恋人より友達を優先するなど、何かが違うと違和感を覚えさせる不思議な娘。
 それは肉体関係にいたっても続き、コトが終わったら、とっとと服を着て帰ってしまうというドライなところも、だんだんと主人公に空しさだけを残していく。
 そんな彼女には隠された秘密があるのだが……というのがこのゲームの見せ所。しかし、すごい名前だな、おい。


『高岡みさき』・・・陸上部で上記の『白瀬つなみ』の中学からのの親友。ショートカットの明るく気さくな娘。特徴は口癖の「まぞい」と独特の笑い方。
「私の恋人は陸上!」との公言通りのスポーツ少女。他に水泳なども得意ではあるが、球技など道具を使ったスポーツの才能は人並み以下である。色気のない序盤のパンチラ要員でもある(笑)。
 『白瀬つなみ』経由で、主人公達4人に混ざり何かとイベント事に参加するようになる。最も、彼女だけはシングルの身だが。
 しかし、夏休み中に彼女は一変する。
 元々「膝に爆弾」を抱えていた彼女だったが、ついにそれが爆発の兆しを見せ始めたのだ。手術して治療すればまた走れるようにはなるかもしれないというが、それでも最低一年間のリハビリが必要。今年の大会は当然ながら、学園生活最後の大会にも間に合わないだろうと医者の意見。近いうちに歩く事すらままなくなるので「陸上は諦めるべき」と周囲にも説得される。だが、生き甲斐を無くした彼女の傷は深く、友達にもやつあたりを始め、ついには引きこもりになってしまう。
 最終的に主人公の説得、聞き方によっては「愛の告白」ともとれる発言で、ようやく前を向き始める。だが、それきっかけで主人公に恋をして、親友に申し訳ないと思いつつ「身体だけでいいから」と、彼を求めてしまった。
 この前まで周囲に女子の気配すらなかった主人公はこの三角関係に、頭をさらにオーバーヒートせていく。


『塚越ななり』・・・主人公の親友『名護啓太』の恋人。ツインテールのロリ系。『名護啓太』とはハイテンションなバカップルぶりを繰り広げ、時には周囲を巻き込むこともしばしばある迷惑連中。
 特に、最初「ダブルデート」と称してカラオケボックスに主人公達を連れだし、2人だけで時間いっぱいまで歌い上げ、さらにアルコールを注文して酔っ払い、あげくの果てに酒乱キス魔となった 『ななり』に「出来立てほやほやの彼女」の目の前でファーストキスを奪われる惨劇。
 それからも「にぎやかし」としてイベントを盛り上げる役どころ。 色気としてはペチャパイながらの小悪魔系。
 最近ハマっている事は「ドリフのDVD鑑賞」(笑)。
 一年経ってもラブラブといっても、彼女は「浮気常套」なところがあり、まあ、それなりに色々あったらしいが、やっぱりそれを許す器を持った『名護啓太』が好きでたまらない。
 そんな彼女に、突然、悪夢のような惨劇が襲い、学校にも来なくなり生活がすさんでいくのだった。



◆ストーリー(第一章ダイジェスト的な。ネタバレあり)。


 主人公は学園二年生。まあ、イケテないグループに属するヘタレで、どもった喋り方と人見知りさ加減は究極的。学園の女子100人にアンケートしたら100人全員がリアルに「無い」といわしめさせるだろう男子である。

 季節は春。ある日、主人公は「自分のイケてなさ」を立証するべく登校中に親友『名護啓太』と賭けをする(泣)。もし、校門まで一人でも女子に挨拶されたら啓太の勝ちという「挨拶すらされない空気男子勝負」である(号泣)。負けた方は勝者のいうコトを何でも聞くというのが罰ゲーム。
 名護啓太は主人公をあなどっていた。声は啓太の方にばかり集中して、主人公など背景でしかない。
 勝負は順調に、いや鉄板で主人公の勝ちと思われた。しかし、校門まであと一歩のところで「奇跡」が起き、女子に声をかけられてしまう。
 相手は、陸上部の朝練をしていた『高岡みさき』。一年の時同じ委員会で知り合った「顔見知り程度」の少女だった。気さくな娘さんが、今日に限って主人公を発見してしまったのである。
 こうして奇跡的に勝者となった啓太の提案した罰ゲームは、学園のヒロインで主人公も気になっていた『白瀬つなみ』に告白する~、当たって砕けろ~、というモノだった。『塚越ななり』も加わり、バカップルが策略したシチュエーションで、告白タイムとなる。
 しかし、口ベタな主人公は意外にもスラスラと告白の言葉を紡ぎ出す。それは以前、昼寝中に見た「白瀬つなみに告白されて、その時の彼女のセリフをそのままオウム返しにした」という、なんだそりゃ的な、気づいたらうすら寒いセリフだった。
 しかし、奇跡は起こった。
 あの『白瀬つなみ』が告白を、女子に消しゴム貸すようなノリであっさりOKしたのだった。
 これには、慰めの言葉を定型文のように用意していたバカップルも唖然。
 こうして主人公は人生初の恋人をゲットしたのだった。

 しかし、恋人より友達を優先する彼女、デートに誘えば断られ、恋人どころか、知り合い以上にも感じられない違和感。埋め合わせとばかりに、街でばったり合ったときお茶に誘われたが、本当にお茶だけだった。
 そんなこんなで彼女の親友『高岡みさき』と喋る機会が出来た。なんでも『白瀬なつみ』は天性の「受け身体質」で、記憶の中で彼女の方から遊びに誘われた事はないという。だからお茶に誘われただけでもスゴいことだと賞賛されるも、釈然としない主人公。

 その後、デート、キス、Hと関係は順調に発展していく。しかし、最初は双手を上げて喜んでいた主人公だが、表面上は明るく振舞っているが、オフった時一瞬に見せる冷めている彼女を見ていると、自分は本当に彼女にふさわしいのか、本当に好かれているのかと疑心暗鬼に陥る。
 そんなある日「『高岡みさき』事件」が起こる。

 古傷の膝の爆弾にとうとう火がついてしまい「陸上引退」を医者から進められる『高岡みさき』。仲間4人で説得するも、彼女はどんどん自分のカラに閉じ込もっていってしまう。
 そこに救いをさしのべたのが主人公だった。主人公の稚拙だが気持ちはあふれ出ている説得に、みさきも前を向き始めて事件解決。みんな元気で元通りになったかと思われた。しかし、このことで変化したモノが一つだけあった。
 『高岡みさき』が主人公に恋をしてしまったのだ。
 こうして、女の武器をつかって迫るみさきに、とうとう肉体関係を持ってしまった主人公は、またしても悩みのタネをかかえる事となる。
 二股はよくない。しかし最近『白瀬つなみ』ともうまくいっているとはいえない。むしろ、『高岡みさき』の方が気がね無くつきあえる仲になるのではないか?
 しかし、当の『高岡みさき』は「つなみの事を大事にしてあげてね」といいつつ、主人公を諦めきってはいなかった。カラダだけの関係でもいいから、主人公には支えになって欲しいという。

 そこで主人公にとってのド○えもん、お悩み解決はこの人しかいない親友『名護啓太』に、軽蔑されてもいいから全てを話して相談する事にした。
 どんな風になじられるかと思ったが、名護は『難しいな』と一言。真剣に話を聞いてくれたのだった。
 そして、名案が出るまで回答は保留してくれという事で解散。いつも即答の名護でも出せなかった答えだったが、とりあえず「夏休み明け」にでも、学校が始まってからアドバイスが聞ければ万々歳な気持ちでいたが、それは叶わぬ夢となってしまった。

 二学期の始業式。

『名護啓太』は学校に来なかった。

 そして名護の彼女『塚越ななり』から発せられた一言。

「啓太、死んじゃったよ……」


 今、全世界で話題になっている病気と都市伝説があった。

『恋愛病』

 恋をするほど、人を殺していく病気。

 医学的には難しい名称がついているが、若者の間では『恋愛病』というのが定着した呼称であった。
 原因はウィルス説、新種の性病説など、TVでも話題が尽きないこの新種の病気は実際のところ1%も解明されていない。
 わかっているのは、ある日、健康体にあるにもかかわらず原因不明の心筋梗塞が起こり死に至る事。それも、年頃の若い男女のみに発症する病気である事。

 『恋愛病』説が生まれたのは、インターネットのたった一件の書き込みだった。
 「恋する心が精神圧迫を引き起こし、それは本人の知らぬ間に肉体にも多大なる負荷をかけ、本人が気づかぬ内に死にいたらしめる」
 その日寝る寸前まで元気だった『名護啓太』は、この病気で眠ったまま二度と目覚めることはなく、帰らぬ人となったのだ。

 『恋愛病』の信憑性はわからない。ただ現実問題としては、世界中で膨大な発症例があり、今まで増え続けてきた人間という種族が確実に減少してきているほど深刻な病気であるという事。


 主人公は親友ロス症候群に陥り、学校にだけには何とか通っているものの、何も手がつかない状態になってしまった。
 一方『名護啓太』の恋人であった『塚越ななり』も、恋人ロス症候群で心神喪失。学校にも出てこず引きこもりになってしまった。
 そんな二人が偶然出会い「同じ傷」を持つ者同士、ななりに誘われるままに関係を持ってしまう。

 こうして、グループの女子全員と関係を持ってしまった主人公も、徐々にではあるが回復の兆しをみせる。
 そこでの現実問題として、最後に『名護啓太』に投げかけて、とうとう答えを貰えなかった問題に自力で向き合わなければならなくなった。
 親友の死。それは皮肉にも、友に依存していた主人公の自立をうながすきっかけとなる。

 主人公が最後に選ぶのは、
 憧れだった最初の恋人『白瀬つなみ』か、
 自分を必要としてくれる『高岡みさき』か、
 それとも、自暴自棄になっている危うい『塚越ななり』に関わるか。

 恋の楽しさと辛さ、人の優しさと悲しさに触れてきた主人公に決断の時がせまっていた。
 その答えと結末は……?


CV
白瀬なつみ……『彩世ゆう』
高岡みさき……『不二まどか』
塚越ななり……『寧々』
名護啓太………『城崎彦太』

他『11O105』『児島さとみ』『東かりん』『渡会かずね』




 うわ、なっげぇ……。
 本編はタイトル数2なのに、圧倒的なボリューム。だけどチャプター数が多いパターンの、あまり正面から「どつきあいたくない」種類のDVDPGではあるが、『MINTS(ミンツ)』ブランドのように壊滅的ではないのが救い。ストーリーがそこそこ派手目なので、多少チャプターが長くても我慢できる。
 ミンツのは4時間ぐらいノンストップのシーンがあって、昼からやって、その1シーンで日がくれた記憶がある。それに比べてばマシもマシではある。

 このメーカーのDVDPGは初めてだな。ナンバーも1で最初の作品みたいだし。PC版の次回作予告もおまけで入っているので、次に向けてというか、関係者がここを読んだら「DVDPGはゲームであってゲームにあらずという、特殊な位置にある媒体」だという微妙なところをくんで欲しい。


 タイトルから期待した、恋したら確実に死ぬ的な「バカップルは皆死ね!」というスタッフのデスノート的な呪いな内容ではなかった。残念(爆)。


 このゲームは、第一章(前フリ)、第二章(分岐ポイント)、第三章(個別ルート)にわかれていて、道程は長い。

 あまり「変化球」「飛び道具」「目からウロコ」などの派手さはないが、しっかりしたシナリオ。安定して読む事が出来る内容。
 「君望」をプレイした人なら絶対思うのが、狙ったのは「アレ」だなというあたりは「ウゲっ」とすると思う。要は「アレみたいなゲーム」の中の一本。
 最初はやたらテレビネタやそれに類するネタが多くて「そっち系満載のゲーム?!」不安になったが、序盤以降はなりを潜めたので安心した。
 主人公の「ウザ情けない」セリフぶりが終始目にあまり、個人的に「主人公の好かれ具合」には納得と同意をしかねる。非常に腹蹴りたい。どっかいってくれ。
 その他はコメディありシリアスあり理不尽ありと、スタンダードな仕上がり。
 『恋愛病』というソースは結局手に余ったな、というのが印象。結局のところ、閃きにはこだわらず無難にまとめてしまった感。

 DVDPG初参戦だけあって「システムが典型的なダメパターン」。早送り巻き戻し禁止の「PS2仕様」。PS2以外でプレイした時のトラブルが想定されていない。DVDPGって基本的にVTR鑑賞なので、早送り巻き戻しを封じてもプラスになる事が一個もないんだよねぇ……。
 だが、標準装備ではないものの回想モードがあるのは相当ポイントが高い。そこなんだよね。

 BGMとCVのバランスが悪くて「ボイスが聞こえにくい」というのも。BGM10ならCV6、7ぐらいのバランス。小声で喋る演技の時はほとんど聞き取れない。字幕があるのが幸いだ。

 アダルトシーンは純愛ゲームのように王道系だが、結構激しい。若いネ(爆)。ただ、一日一回で終わるのは、サカンな時期にしては考えにくいケド(核爆)。



 総括。
 長いっスな……。
 ガチのDVDPG。

 一枚にこれだけツッコめればアッパレにゃ。
 休日一日では終わりまへん。
 ただ、最終ルートは3つしかないので、一度ポイントが分かればコンプリートは目の前。
 スキップ機能が合わないDVDプレイヤーの場合、パスワードのメモは必須。メモ用紙じゃなくてノートを準備した方がいい。パスワードの数、めっちゃ多いので。
 内容も、続きが見たくなる程度には仕上がっていて、特に『白瀬つなみ』の謎が解明されるまではついていこうという気になると思う。

 アダルトシーンが「シンプルがっつり」で個人的には好み。ヒロイン数は少ないが、20シーンあるので使い勝手はいいと思う。

 三角関係ドラマが好きな方にはうってつけのゲーム。

 バッドエンドが一番正解のような気がした(笑)。イケテない奴がちょっといい気になった結末、最初で最後のモテ期でした的な終わりで(爆)。むしろ本丸の方が「あ~?」って感じ(核爆)。

 結局のところ、何かしらのエンドになったらタイトル画面に戻されるので最初からプレイ、となる残酷すぎるシステム。パスワードが多すぎてメモるのメンドい。
 「チャプターサーチ」が使えない相性の悪いDVDプレイヤーだと大幅減点と感じるだろう。ちなみにPS2だと「2倍早送りは出来る」がチャプター99までしかスキップできないので、第一章の途中までしか復帰できない。300以上あるからな、このゲームのチャプター。
 ちなみに、嫌みにもこのゲーム「チャプターサーチ職人殺し」に特定のチャプター数に「エラー発生。業者にお問い合わせください」と画面いっぱいに注意書きが出るというブラフを入れている。ちょっとムカつく。

 まあ……長文でめっちゃ肩凝ったのでこの辺で。もう夜の2時回ってるし。書き出したの10時前だったぞ。

 私個人が見たゲームポイント。
◎「ボリューム」
○「安定感のあるシナリオ」
△「直球のエロス」
▽「早送り禁止」
×「主人公とのシンクロ率(自分の分身と思いたくない!)」


 オススメ度……☆☆☆☆。(大当たり確立30%オーバー)



09/11/03(文化の日、って、ここだけ月金に移動させなかったのはナゼ?)




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