魅央屋「DVD-PGの集まる店」

ここの筆者「水華ミオ」。注・ここで紹介しているゲームは全て18歳未満購入禁止の商品です。ご意見等は本店のBBSまで。

●School Days~スクールデイズ~

2008年01月29日 | ☆6殿堂入り
図鑑No.116
●School Days~スクールデイズ~
原作『オーバーフロー』
Cデザイン『ごとうじゅんじ』
アニメ製作『STACK』
サウンド『age(アージュ)』
メーカー『アイチェリー』
・フルアニメ学園ドロ沼三角関係恋愛モノ。
■フルアニメフルボイス。回想モード有り。シナリオ攻略フローチャート表付き。パスワード。DVD4枚組。アイチェリー作品図鑑付き。


『抜け出せない泥沼トライアングルラブの金字塔』

◆ストーリー。
「好きな人をケータイの待ち受けにして3週間誰にも見られずにいたら想いが叶うんだって」
 最近学園でブームになっている恋のおまじない。
 恋に奥手な主人公もそんな流行に踊らされて、毎日電車の中で見かける片想いの少女を隠し撮りしてしまった。
 主人公が恋をしている少女は隣のクラスの「桂言葉」。物静かで清楚な、どちらかと言うと上品すぎてクラスでも浮いている存在だった。
 そして、うかつにも隣の席の女子にケータイを見られてしまい、初日にして早速挫折してしまう。
 隣の席の娘は「西園寺世界」。クラスの中では「喋らなければ美少女」という、いわくアリの要注意人物だった。
 そこで「世界」は隣の席になったのも何かの縁と、主人公を応援する事を宣言。まず「言葉」の友達になり、友達の友達紹介で主人公と彼女を引き合わせる事に成功。さらに主人公は言葉とのデートの約束まで成功した。実質2人はあっさりと恋人同士になってしまったのだ。
 学園からの帰りのプラットホーム。主人公は世界にお礼がしたいと話をしていたその時、世界は突然彼の唇を奪う。
「(お礼は)こんだけでいいや……」
 あっけにとられる主人公を背に、世界は逃げるように電車に乗り込み涙するのだった。

 こうして、恋のトライアングルが幕を開ける……。


 主人公という男は。
・『伊藤誠』……どちらかといとローテンションな少年。人当たりも良く一部で人気がある。母子家庭で、母親が夜勤の看護婦という事もあり、家事はある程度こなせる。身体は小柄に見える。
 私生活はしっかりしているが、恋愛経験値はゼロで、西園寺世界のイタズラじみた行動に激しく動揺する。
 その本質は「女に溺れると堕落していくタイプ」で、作中でもよくその様子が見て取れる。


 エンディングのあるヒロイン紹介。
・『西園寺世界(さいおんじせかい)』……ダブルヒロインの一人。かなり壮大な名前の少女だが、名前負けせずテンション高めの今時っぽい娘。美少女だが、気が強く行動的でおせっかいで「小うるさいヤツ」としてクラスでは通っている。「異性を意識させない」のかもしれない悪友系フレンドリータイプ。ギャグ顔や主人公と授業中に筆談バトルをするのが印象的。
 ただ、アドバイスはせれども自身の恋愛経験はゼロ。世渡り上手に見えて、本当は無器用で精神面は普通の女子より人一倍もろく弱い場面が多く見られる。
 外広がりのセミロングにアホ毛もポイント。身長は154センチぐらいらしい。
 桂を調査して交流する内に主人公に恋心を抱いた……と、思われたが?(CV/柚木かなめ)

・『桂言葉(かつらことのは)』……ダブルヒロインのもう一人。主人公が恋心を抱く「電車で見かけるあの娘」で、世界のストーカー能力のおかげで主人公の彼女になる。
 口数は少なく引っ込み思案の清楚系。趣味は読書。
 ちょっとした豪邸に住んでいて、門限が厳しいという筋金入りのお嬢様。
 身体が弱いらしく、体育はほとんど見学。線は細いがこのゲーム1の巨乳キャラ。
 美少女の王道ストレートロングヘアーを持ち、ほとんどの生徒が中間服なのに上着を着ているのがポイント。背が高く見えるが、設定では156センチぐらいらしい。
 極度の男性恐怖症で、学校行事のフォークダンスも恐怖したという、なかなか難儀な壁を持っている。
 クラスでも浮いている存在で、イジメの対象になるようなタイプだが、こと恋愛の事になると顔付きが変わる典型的な「男で変わる女タイプ」……の時もある(性格はルートによりけりの部分が)。
 現実でも「1学期のお前と2学期のお前は同一人物か?!」という一夏の体験で豹変する女子がいたが、アレに近い「女」だろう。
 そして、執念がストーカーに変わるヤンデレ属性を秘めた少女。このゲームは「言葉ストーカールート」に入りやすいので、そのイメージが強い。
 「世界」とは対照的に精神面ではキレるとスゴいんです。
 ダブルメインなのにエンディング数が少ないなど、損な役回が非常に多い。ところで彼女が食べているという「とりラーメン」ってどんなの?(CV/遠野そよぎ)

・『清浦刹那(きようらせつな)』……このゲームの続編でifの物語「サマーデイズ」のヒロインに抜擢された、おいしい役のチビっ娘(142センチ)。古いけど、たとえるなら「ルリ系」。「世界」の幼なじみで無二の親友。お互い母子家庭なので頻繁にお泊まり会を開いている。
 顔にあまり表情がでない無機質な娘。クラス委員をしていて仕切り上手。それでいて、まるでご隠居のような感じでツッコミ入れたり、ふくみ笑いや今時ピースサインをキメに出したりする変わり種。
 実は主人公とは入学式に出会っていて、密かな恋心を抱いていたが……。(CV/山本華)

・『加藤乙女(かとうおとめ)』……これまた凄い名前であるが、名前に反してボーイッシュなポニーテールのスポーツ少女。主人公とは数少ない同じ中学出身。「言葉」と同じクラス。
 中学の時から主人公の事が好きだったらしく、言葉と主人公のウワサにヤキモキして彼女に当たってしまうイベントが多い。主人公を誘おうとして、いつもタイミングよく邪魔が入るのは「お約束」。陰険な女という意味ではナンバー1のイベントを持っている。それを見なければ「いい娘」なのだが……。
 バスケ部所属。(CV/松永雪希)

『黒田光(くろだひかり)』……世界の友達A(笑)。ツインのドーナツ頭が特徴的。ユーザーの間では通称「イカリング」と呼ばれているらしい。
 世界の友達は全員彼女が主人公と付き合っていると思い込んでいる。が、世界を愛している光は(爆)「アンタを世界の彼氏とは認めない!」と主人公を敵視してくる。
 世界が「小うるさい奴」なら光は「小やかましい奴」。自我が強いツンデレ娘。(CV/一色ヒカル)


 まあ……なんて説明しづらい名前なんだキミ達……いちいち「」つけないとゴチャゴチャになるよ。

 オーバーフローの作品『ピュアメール』『ミスイーチアザー』と来て、ついに最高のヒット作スクールデイズ見参!
 同じアニメ系だった前作『ミスイーチアザー』では、システムをまるまる移植して容量使い過ぎ、ショートシナリオなのにディスク2枚組という入れ替えメンドくせー事になっていたが、今回は字幕のオンオフ廃止や、サクラ大戦のようなリアルタイム選択肢などの排除、簡略化で容量削減に成功。前作のように、ものの十数分でディスクチェンジという「ゲーム的にどうよ?」という事態は改善された。
 PC版からほぼ完全移植といっていい出来になったので安心して欲しい。

 ちなみに万が一にも間違わないだろうが「スクールデイズ」というタイトルのゲームは、DVDPGにもう一つ存在している。あちらは「スクープ/ブラックレインボー」のスクールデイズ(生産中止)なので、奇跡でも起こらないと間違えないだろうけど一応ね。

 このゲームは全6話からなる1話完結モノ。選んだ選択肢によりクレジット(スタッフロール)の最初に表示される「サブタイトル」が変わる。
 つまり全6話だが、内容は自分の行動次第で変わって最終的に 「全20のマルチエンディング」に枝分かれするという、フルアニメ作品ながら普通のテキストゲームに負けないボリュームだ。1日2日でコンプできるDVDPGじゃないぞ。

 攻略に関しては分岐フラグが分かりにくく、難易度は低くないが、ルートに関しては「フローチャート」のヘルプがついているので、何度も遊べばコンプ出来るだろう。
 感想としてリロードしまくってやっかいだったケドね……。リロードはパスワードよりタイトルサーチで戻った方が早い。タイトルが非表示になるプレイヤーを使っている場合は、バックスキップをかけると表示される事が多い。というのがDVDPGで遊ぶときの常套手段だ。


 今年(07年)TVアニメでも話題になった通り、女子校生の暴力シーンやヤンデレ(猟奇的娘)キャラも登場するのも注目所。それとハイクオリティのアニメで展開するサービスシーンも堪能あれ。今回は(ちょっと雑だが)回想モードがあるので、攻略出来なくても最初からシーン見放題で実用度も高し!

 オーバーフローでメイン原画をしていた「西E田」氏じゃなくなって、いきなりヒット作が生まれたのも長年のファンには複雑な気もあるだろうなぁ。まあ、ようやく中○生モノから高○生作品になったオーバーフロー成長の作品ではあるが(死)。

 OP曲は前作で意外な名曲(失礼)を歌い上げた『KIRIKO』が再び担当。
 音楽は「君が望む永遠/マヴラブ」等のヒット作を生み出した 「アージュ」が担当していて、サウンドプロデューサーとして「ヨシダという生き物」氏が入っている。ボーカル曲は6曲ぐらい収録。
 2~5話のED曲が「栗林みな実」と、三角関係モノの主題歌専門かアンタは、という個人的ツッコミも。

 いや、正直文句のつけようが無いほどよく出来ている。しいて言えば4:3サイズだったら字幕は欄外に出せ、というくらい。あと、容量の都合で画質をかなり落として収録しているが、それはしょうがないという事で。

 最初はこそばゆい恋愛なんだが、誰のルートになってもトライアングル、肉体関係に争奪戦と少女達を使った昼ドラのようなドロ沼の展開になっていく。
 一応エロス無しの純愛ルートもあるけど「そっちに誘導する方が難しい」。それに美少女ゲームでサービスシーンを回避する努力ってどうよ?


 極上の恋愛モノが見たい人も、修羅場とか血とか大好きな人も、そんなのどうでもいいから極上のエロスを見せろという人もきっちり楽しめる作品に仕上がっております。
 ただ、人間の汚い部分もたくさん表現している作品なので、血とかエロとか、そういうのじゃない意味での18禁でもある。パッケージ裏に「法やモラルが違うので国内専用」とか注意書きがあるが、全くその通りだと思う。

 ほとんどが「誰かを選ぶという事は誰かを捨てる」というエンディングになる。例外もあるけど、それは見てのお楽しみで。
 モテる男はいいねぇ!(嫉妬!)
 ただゲーム的恋愛ではなく現実味のある『生々しい恋愛』というか「気分の悪くなる」ような内容なので、癒しは期待しないように。

 アニメとしても、ハイクオリティでかつエロスもバッチリ。筆談バトルなどの笑いもあり日常の演出も上手で飽きさせない。
 母親とかのサブキャラまで可愛く出来ており、制服も絶対領域がまぶしく、DVD4枚組で値段が税抜5800円。素晴らしい。

 あと、
『女のミラクルな一発逆転劇』
 など、見所たくさん。Hも濃くて薄消しで実用度バツグン。

 私が選ぶこの作品の萌えワード。
「私、大きい男子苦手なんだ」by世界。
 平均身長を割っている男子には効果バツグンのセリフである。

 製作裏話として、このゲームは当初「甲子園を目指す」野球少年の恋愛を描いたゲームになる予定だったらしい。完成したら野球の「や」の字もなくなっていたけど「よくあるコト」である。

 女性CVは「柚木かなめ」「遠野そよぎ」「山本華」「松永雪希」「一色ヒカル」「藤村美緒」「栗林みな実」「水野花さわ」「神月あおい」「鈴美巴」「草月弥生」「野神奈々」「本山美奈」「社名栞」すげー、多いナ……。

 オススメ度は……長かった……実に長い歳月だった。No.12の『MOON』をプレイしてDVDPGの可能性に感銘を受け立ち上げたこのコーナー。しかし、あらゆる有名作のダメ移植っぷりに「もう打ち切ろうかな……」と裏切られ続けたが、ついに104本ぶりにして魅央屋最高の称号、第二代殿堂入作品りだす!


 オススメ度☆☆☆☆☆ミ☆。
 リミットブレイク星6!

 ちょっとボリュームを買ったのでオマケした感もあるけど、まあ殿堂入りは文句ないだろう。
 ここからまた星6つのゲームに出会うまで100本以上プレイしないといけないんだろうなぁ。
 ……余談が多くて原稿用紙15枚分書いてしまったけど「削った」から実質20枚以上書いた最長の記事だ。そろそろやめ。


07/11/13
修正 07/12/20




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