魅央屋「DVD-PGの集まる店」

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●MOON ~DVDPG Edition~

2007年07月19日 | ☆6殿堂入り
図鑑No.12
●MOON ~DVDPG Edition~
原作『Tactics』
原画『樋上いたる』
メーカー『ネクストン』2003
主な属性『サイコサスペンス/凌辱/家族愛/Key物』。
■キャラクターフルボイス。OPにアニメあり。パスワード。音楽鑑賞。

★『あの『Kanon』『AIR』を生んだKeyのスタッフデビュー作登場』

◆ストーリー。
 母子家庭の主人公「天沢郁未」の母親は、数年前にカルト宗教「FARGO(ファーゴ)」にハマってしまい、幼い娘をほったらかして家に帰ってこなくなっていた。
 「FARGO」とは信者に「不可視の力(超能力)」を与えるという売り文句で有名なカルト宗教団体。だが、世間的にはその噂程度の事しか公表されておらず、実情は未知の組織であった。

 そして月日は流れ、成長した郁未の前に母がひょっこりと家に帰ってきたのだ。台所に立つ母の姿は、昔大好きだった「お母さん」と何一つ変わっていない。郁未はまた母親と生活できる喜びを噛みしめる。
 しかし、そんなささいな幸せさえ長くは続かなかった。

 母親は突然、常識ではありえない「怪死」を遂げた。

 母親の怪死の理由はカルト宗団「FARGO」にあると睨んだ郁未は、その謎を探るべく入団希望者になりすまして潜入調査する事を決意する。
 そして、教団の施設に向かうトラックの中で、自分と似たような境遇で同じ志を持つ少女2人と出会う。

 彼女達はこれから次々と繰り広げられる凄惨な事件を知るよしもなく、施設に足を踏み入れる。



◇ヒロイン攻略ゲームじゃないので、主な登場人物を紹介。
『天沢郁未(あまさわいくみ)』・・・女子校生で主人公。ストレートロングに着崩したブレザー系の制服が境遇に対する「やさぐれ度」を現わしている。ただ、見た目はちょいワルだが、性格は主人公らしく人あたりのいいノーマル娘。ルックスにはかなりの自信を持っている。
 ファーゴでは現在1人しかいない「クラスA」に分類され、新人では最高の扱いを受ける。

『巳間晴香(みまはるか)』・・・ソーバージュロングで中間服的制服姿の少女。身体のボリュームは3人中最強。イタズラ好きで明るく気さくな少女。序盤ではボケ倒す由依にツッコんだりイジめたりする役どころだが、本編に入るとすぐに欝状態になる。
 ファーゴの一員になった義兄を連れ戻す為、教団に潜入する。
「クラスC」に分類され、初日から非道を受けていきなり心が折れるが、目的の為にギリギリ正気を保って行動する。

『名倉由依』・・・ボブショートにリボンを頭頂で結んだセーラー服少女。2人より年下で、背が低く未発育な身体で線も細い。「貧乳」と晴香に命名される。シリアス所で突然ポケットゲームを始めたり、どこまでも天然でマイペースなキャラ。
 信者になった姉を連れ戻す為ファーゴに潜入する。
「クラスB」に分類され、最初の大きなイベントは彼女絡みになる。姉とようやく再開できた由依だったが、姉は由依の事を恨んでいるようで無視されてしまう。

『鹿沼葉子(かぬまようこ)』・・・教団で唯一「生き残っている」クラスAの信者。質素な服装で、ロングヘアにカチューシャぐらいが女の子らしいポイント。盲目的なファーゴの信者で、表情口調ともに無機質。自分の事も「A-9」とナンバーで名乗り、本名さえ捨てている有り様。
 幼い頃から施設にいて、すでに二十歳は越えているらしい。その為俗世の事には興味がなく「消費税」が出来た事すら知らない(これは90年代の作品だす)。
 同じクラスAの郁未とは毎日食堂で顔を合わせる事になり、貴重な情報源にもなる女性である。サービスシーンはないがサブヒロイン的で、彼女の衝撃の過去もイベントによって明かされ、それがファーゴの実体の一部とも言えるシーンになる。

『少年』・・・名前や詳細は不明だが、激しくド天然の男の子。郁未の部屋に寝泊まりしていて「世話役」「案内役」「監視役」のどれとも取れる、敵か味方かハッキリしない奴。
 緊迫したゲームの中で唯一のボケ役。郁未と漫才を繰り広げるという、一時の箸休めの役割も担っている。



 主人公が少女で一人称という、美少女ゲームには珍しいパターン。基本的に主人公「郁未」の視点で物語が進行するが「一方その頃……」的な仲間などのシーンが展開される場合は視点が三人称になる。

 導入部分は、それこそKey作品のような漫才が展開されるが、本線は「母を殺したカルト集団アジトに進入する」ことなので、後半になるにつれて限りなく暗く深く、サイコサスペンスらしく謎が謎を呼ぶストーリーになっていく。
 しかし、鍵作品共通ともいえる「家族」というテーマは健在。
 あなたは家族の為に死ねますか?
 そんな場面が重いテーマがふんだんに盛り込まれていて、プレイ後ざっくりトラウマになるようなダークストーリー。ヘコんでいる時などのプレイは避けて、用量用法を守ってご使用下さい(笑)。

 字幕はちょい長めに表示される。ストーリーをきっちり見てエンディングに行くには15時間ぐらいかかった。なかなかゲームしてる。基本的に一本道だが、仲間を救えたかどうかでちょっと違ったエンディングになり、ヒントコーナーでバッド展開になったキャラに愚痴られる(笑)。
 ヒントコーナーでは攻略ポイントを一点で教えてくれるので、完璧なエンディングを目指すのはそう難しくはない。

 サービスシーンは必然的な物しか出ず、ほぼ外道的凌辱シーン。あくまでストーリー重視。出てくるタイミングも突発的なので実用性はほぼ無い。
 この(元)HPは、なるべく表現をオブラートに包んで、なるべく誰でも閲覧して欲しいと思って書いている(そのわりに凌辱系が多いケド……)。だから、ちょっと、いや、かなり内容を説明しづらいデス。ネタバレという意味もあるけど、一言で言うなら、

「悲劇の中に見いだした、それなりの結末」

 これが、このゲーム最大の「見せ場」だと思ってもらえれば。
 終盤いきなり抽象的な場面も出てきて、エヴァンゲリオン以上に難解かもしれない。

「過去の傷」
 雰囲気は違えど、やはり登場キャラクターのトラウマがテーマの作品。こういうゲームをすると、プレイヤー本人の過去もえぐったりされるから危険なんだよね。
 少女達の痛々しい過去の傷を直視して、次々と起こる「弄ばれる仲間達」「おぞましい現実」を受けとめて、なお前に進んでいかなければならないこのゲーム。
 CGでは表現されないが、テキストだけならかなりの地獄絵図な描写が出てきまふ。

 プレイヤーの思い通りにはさせない、という意気込みのシナリオはDVDPGで初めてトイレを我慢してプレイに時間をさいた程圧倒的。

 クリアしてしまえば、このゲームに出会えてよかったぁ、と思える素晴らしい内容なので、ダーク系だけど出来れば頑張ってチャレンジして欲しい逸本。
 ゲームと関係ないけど、DVDの装飾がキレイ(笑)。



 オススメ度……☆☆☆☆☆ミ☆(50%オーバー+魅央屋殿堂入り)
 限界突破の星6つ!


最終更新08/8




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