杉田劇場から

2005年2月5日にオープンした磯子区民文化センター杉田劇場のスタッフが綴るブログ。公演案内の他に美味しい情報も♪

ミソラ楽団のメンバー

2023-09-27 | 旧杉田劇場

 このポスターは旧杉田劇場に貼られていたもので、時期は昭和21年3月末か4月上旬と考えられている。劇場で働いていた片山茂さんのお話によると、加藤喜美枝・和枝親子が劇場を訪ねてきたのは、昭和21年3月だったという。

 目的は観劇ではなく、自らの売り込みだった。当時は大高ヨシヲ劇団による公演が大好評で、加藤和枝を舞台に乗せる余裕はなかったが、彼女たちの情熱にほだされてとりあえず幕間に緞帳前に立たせてアカペラで歌わせたそうだ。

 その歌がとんでもなく上手かった。それを見ていたプロデューサーの鈴村義二が楽団を作らせ本舞台で歌わせることにした。その時のポスターが冒頭の写真である。「涙雨五千両」と「応援団長」という演目の間に「美空楽団」が入っている。書かれているのは楽団名だけで、これを見ただけではだれが出ているのかは不明だ。

 とりあえず、それなりの扱いだったのであろう。 

 しかし、その次に出たポスターには大きな変化が見られた。なんと、美空楽団と出演者名がカラーで書かれているのだ。

 前回が相当好評だったのだろう、かなりの特別扱いになっている。

 下段に歌と踊りの出演者が書かれている。美空一枝ちゃんという芸名で出演したのは加藤和枝(美空ひばり)である。その横に美空マー子ちゃんとあるのは、安藤正子さん。和枝ちゃんより4つほど年上で踊りを担当していた。その隣の奥村秀子という人は不明。

 こちらは楽団のメンバー。司会の美空五亀松というのは、加藤和枝の母親・加藤喜美枝の弟である諏訪重忠だ。全員が芸名の美空を名乗っているが、下の名前は本名である。

 ギターの美空タダシというのは酒匂正。アコ-ディオンの美空正雄は橋詰正雄。ヴァイオリンの美空行雄は横井行雄。トランペットの美空春雄は田中春雄だ。

 その後、特攻隊帰りの若者がドラム担当で入って来た。さらに50歳近い年配者がクラリネットで参加。後半には諏訪重忠もギターを弾いていたという。

byうめちゃん


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