杉森神社の物語(令和編)東広島市河内町~癒しの風景

田舎で0から宮司をやってみたかったんです。好んで信じて楽しみながら奉仕をしています。

12月の日記3 初詣考のつづき

2020-12-03 18:05:19 | 神職・宮司なるためのコーナー

12月3日

車の故障で午前中は西条へ!

午後、正月準備にしめ飾り作り。

 

初詣考の続き

あくまでも一神職としての考えでありますから、と前置きして

 

「年末に参拝しても問題ない」という神社側の声・・・参拝には問題はないでしょう!ただし、そういう風習を恣意的作ることに問題はないのですか?

何故、正月気分にもならないのに参拝を「促す」のでしょうか?

多くの方が感じると思われる、師走の慌ただしさと、凛とした静謐な空気に替わる元旦の違いを感じる前に参拝を促す本当の理由はなんでしょうか!

太陽の力が一番弱くなる冬至さえ、まだ来ていないのに初詣の前倒しを行うのって、新嘗祭(昔は冬至近辺で行われていた)を迎えずに正月を祝うようなものでしょう!

幸先詣推奨神社では、鏡餅を師走にお供えするのでしょうか?

年末に幸先詣を促すならば、大晦日の大祓も幸先大祓として12月前半にするのでしょうか?

しめ飾りを正月用に飾るのも正月様(歳神様、ご先祖様、田の神様)をお迎えするためのものでありますが、幸先にしめ飾りも飾り早めに正月様をお迎えするのでしょうか?それを誰が決めるというのでしょうか?そんなこと神社側で決められる問題ではないですね。

家内安全祈願、厄除祈願が正月から立春の間に多いのは、やはり昔の風習があるからこそでありますが、幸先よくすすめている神社は、これらの祈願も師走にすすめているのでしょうか?

どうも、一般人の立場で考えますと、「やっぱり歳明けてから・・・」「コロナで日本の風習をここまで壊すのはいささか・・・」と二の足を踏むのではないでしょうか?

結局、何故、12月参拝を促す必要があるのか、神社関係者以外はわからないのではないでしょうか?そう、「神社の何らかの事情」があるからではないでしょうか?

初詣とは新年になって初めて神社やお寺に参拝することなんですから、旧正月(来年は2月12日)が過ぎて参拝しても、その人によっては、いい意味で初詣となるにもかかわらず。(幸先という言い方からすると後は不幸ってことに・・・そんなこと神社側で言い切れるはずがない、言葉遊びで人を惑わせているのではないかとも思ってしまいます)

伝統を守るのならば、令和3年は家で正月様とゆっくりお過ごしくださいということが伝統を守る神社の立場ではないかと思うのです。

最近の夏詣といい、どうも恣意的な風習が作られていく今日この頃!

「神職は、使命遂行に当って、神典及び伝統的な信仰に則り、いやしくも恣意独斷を以てしてはならない。」(神社本庁憲章)

いい意味で、コロナウイルスは人の心を表にださせる術をもっているのかもしれません!

 

他の神職等から圧力がかかったときは、今日の記述は削除せざるをえないかもしれません!小心者ですから、あしからず!それも御神意かもしれませんし(笑)

そのときは、誰から圧力がかかっただけは掲載したいなあ・・・と思っています。

 

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※祭典は、どなたでも参列できます。神社ファンの方、是非、参列経験をしてみましょう!ご希望の方は、御一報いただければ幸いです。

 

12月31日 午前10時 歳末祭並びに大晦日の大祓

 1月 1日 午前 8時 歳旦祭

 1月 3日 元始祭

 1月 7日 昭和天皇祭遙拝

 1月15日 古神札焼納祭

(※大晦日、正月3が日のご朱印は受け付けていません)

 

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12月の日記2 コロナ禍による初詣考

2020-12-03 06:30:28 | 神職・宮司なるためのコーナー

12月1日

今日は、井戸埋め、池埋め等の後鎮祭。丁重にご奉仕申し上げました。

さて、昨日に続き「初詣考」

尚、神社側はあくまでも受け身の立場でありますので、すべては皆様が考え行動することであります。

また、各神社によって対応が異なりますので、ここではご参考として一人の神職としてコロナ禍による初詣について考えてみました。(幸先とは、よいことが起こる前兆。吉兆。事を始めるときに当たって何かを感じさせる物事。前兆。縁起。を言い、決してコロナ禍対応が幸先がよいと言えるのでしょうか?)

 

初詣って大昔からの日本の風習と思っていたのに・・

実は、今日のようにみんなが参る初詣は「明治以降の風習」です。新暦(明治5年12月3日が明治6年1月1日)が採用され、夜の0時が年の境と考えるようになってから、0時以降でないと初詣といわなくなりました。それまでは日が暮れれば年は暮れると考えていました。

今日でいう大晦日の夜の食事が「年取り膳」。めでたく年をとるとして食事をし、静かに家にこもり、一夜を明かすことが家家の「正月祭」の中心でありました。

昔の風習としては一家の主人だけが氏神社に籠もる(年籠り)ことがありましたが、今日のように皆が初詣することは明治以降です。特に民間での恵方詣なども交通網の発達により活発になっていきました。

尚、大社は詣で習慣(江戸時代)があったが、田舎の小社にはなかったのです。

また初詣は、午前0時ではなく、元旦に参拝することでした、旦は朝。夜中ではなかったのです。

 

昔は、満月(旧暦でいう15日)が祭日でありました。新月や朔日(月が立つ)という感覚は2~3日のズレがあり(月隠れ=つごもり)、昔はあいまいでありました。よって1日が月始めという感覚前に月を見て生活をしていました。

中国より暦が入り、暦制がつくられたことにより正月もズレが生じ、さらには明治以降に新暦になり、またもやズレが生じています。

その結果、新暦の正月1日、15日の小正月、節分と24節気の立春、さらには旧暦の正月1日が日本の中には今でも生きていて様々な行事が重層的に行われています。

今でも旧正月にお餅を食べる風習が地元の一部に残っています。

そうした伝統的な風習からすると、12月の詣というものは見受けられないのです。

確かに年末に一年のご加護を感謝して参拝することはありますが、コロナ禍対応での年内参拝には違和感が残ります。

先述の通り、日本の重層的な正月感覚に加え、神武天皇即位の日である「辛酉(かのととり)年春正月庚辰(かのえたつ)朔日天皇即帝位於橿原宮、是歳為天皇元年」と『日本書紀』にあるように正月朔日が日本建国の日(新暦によって計算しなおして現代は2月11日)であり、来年の)旧正月は2月12日となります。

どうでしょう、コロナ禍の中、いにしえに想いを致し、正月気分を長く持って(仕事上は否定されがちですが・・(笑))、

三が日に参拝を控える場合は、日本の風習に倣い、正月元旦から旧正月の間に参拝を考えられてみてはいかがでしょうか

 

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12月31日 午前10時 歳末祭並びに大晦日の大祓

 1月 1日 午前 8時 歳旦祭

 1月 3日 元始祭

 1月 7日 昭和天皇祭遙拝

 1月15日 古神札焼納祭

(※大晦日、正月3が日のご朱印は受け付けていません)

 

 

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