杉森神社の物語(令和編)東広島市河内町~癒しの風景

田舎で0から宮司をやってみたかったんです。好んで信じて楽しみながら奉仕をしています。

3月の日記9 日本の疫病の歴史と信仰その1

2020-03-09 17:28:14 | 神職・宮司なるためのコーナー

3月9日

ボールペン字の日。今日は、鷽(ウソ)が杜にきてくれました。本当です。

さて、新型コロナウイルスが世界を恐れ戦かせていますが、日本の疫病の歴史と信仰についてみていきたいと思います。結論からいいますと、疫病の終息はそう簡単には至らないということと、疫病は外からやってくるということです。その結果、飢饉が起き、免租給米などが行われています。どうすればよいか先人たちの思いを知ってもらえればと思います。

「日本の疫病の歴史と信仰」その1

10代崇神天皇 「此の天皇の御世に、疫病(えやみ)多に起り、人民死せて盡きなむとす」『古事記』

崇神天皇 「五年、国内の疾疫(えやみ)多く、民死亡れる者有り、大半なむとす」『日本書紀』(崇神天皇は夢の通り意冨多多泥古(おほたたねこ)を神主にさせ、天神地祇を定め、要所の神に幣帛(へいはく)を奉り疫病終息、国家平安となった。)

21代欽明天皇13年 「向原の家を浄め捨ひて寺と為す、後に國に疫気(えやみ)行りて、民夭(あからしま)に残(そこなは)るることを致す」『日本書紀』(仏教伝来時に疫病が流行っている。)

天平7年(735) 天然痘流行

天平9年(737) 天然痘流行「是年春、疱瘡大発、初自筑紫来、経夏沙秋、公卿以下天下百姓、相継没死不可勝計」『続日本紀』

宝亀元年(770) 「祭疫神於京師四隅、畿内十堺」『続日本紀』

宝亀2年(771) 3月「令天下諸国祭疫神」『続日本紀』(宝亀4年5年も同じ、日本全国に疫病を鎮めるための命がだされる。)

延暦9年(790) 疫病流行(『続日本紀』によれば当時(文武天皇期~延暦)の疫病発症例は全国で16例、大宰府など一定区域で7例、諸国単位で45例などが散見される。当時、薬の配給や田租の免除)

天長10年(833) 「季春、鎮花祭、謂ふ、大神・狭井の二つの祭なり。春の花の飛散する時にありて、疫神分散して癘(れい)を行ふ。その鎮遏(ちんあつ)の為に必ず此の祭あり。故に鎮花といふ」『令義解』(養老令の解説書)

承和10年(843) 疫病流行

貞観4年(862) 畿内で疫病流行

貞観5年(863) 御霊会(失脚死の御霊は、疫病を流行らせたとし、崇道天皇(早良さわら親王)以下6人を祭って鎮める「御霊信仰」となっていく。)

貞観11年(869) 疫病流行、貞観地震

元慶元年(877) 疫病流行

天徳2年(957) 疫病流行

正暦5年(994) 「為疫神修御霊会」『日本紀略』(疫病を神として祭っている)

長保3年(1001)「於紫野祭疫神。号御霊会、依天下疾疫也」『日本紀略』

長和4年(1015)「京人花園辺建立神殿、祀疫神、託宣也、今年疫病競起也」『百錬抄』

永承7年(1052) 唐神夢にあらわれ疫病発動『春記』

平安末期作『今昔物語集』巻27第11話「今昔、○○○の比、天下に咳(しはぶき)病盛りに発て、病まぬ人無く、上中下の人、病臥たる比有りけり・・・・我は此れ、古へ此の國にありし大納言、伴の善雄(貞観10年死没)と云し人也、伊豆の国に配流されて、早く死にき、其れが行疫流行神と成て有る也」

同末期作『大鏡』「このおとど(藤原道隆)は、・・・大疫癘の年こそうせ給ひき」(長徳元年・995・実際の死は飲み過ぎだったとあり)

元仁元年(1224)「関東の諸国、疫癘行はれ、諸人、是を患(うれふ)る者は薬石漿水喉に入らず、大熱狂亂して不日に死す、村里の際(あいだ)、家々に嘆悲む聲・・・国道(陰陽師)申しけるは古より以来例なき事に候はず、疫神流行すれば、人必ずこの毒気に中(あた)り、病を受けて悩み候、是、偏に上の政事穏やかならず、下の行ひ邪なれば、天地、是に感じて癘神出でて、禍災あり・・・只願くは、上に廉直の道を開き、仁慈の德政を行はせ給はば、下、必ずその惠に浴し、上下比和(ひくわ)の安泰に歸せば、天地交感し、神明、威を增し、擁護の御眸(おんまなじり)を廻し給はば、惡鬼は遠く他方に逃去りて、世は淳朴の風に歸り、人は豐樂の德に住せん。昔、一條院の御宇、長保三年に疫癘大に流行せしかば、五月九日に紫野に疫神を祭りて、社を立てて鎭めらる。・・・泰時さらば祭をいたせと仰あり。國道軈て宿所に致り、幣帛、供物、作法の如く調へて、東は六浦(むつら)、南は小壺、西は稻村、北は山内、鎌倉の四境に於いて神祭をいたしければ、癘氣、是にや依りけん、程なく疫は終りけり。」『吾妻鏡』

延徳4年(1492)「当時このごろ、ことのほかに疫癘としひと死去す、これさらに疫癘によりてはじめて死するにあらず、生れはじめしよりして定まれる定業なり」『御文』蓮如上人

天文9年(1540)「いまここに天下大疫、万民多く死亡にのぞむ。朕おおみたからの父母として、徳覆うことあたはず、甚だ自ら痛む・・こひねがはくは、疫病の妙薬たらんか」 105代後奈良天皇、疫病が流行ったときに般若心経を諸国一之宮に奉納の奥書

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3月17日 午前10時 祈年祭 大祭

3月20日 境内神社祖霊社祖霊祭

4月 1日 午前10時 月次祭 小祭

 

 

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