末吉洋文の平和研究室

帝塚山大学法学部で「国際法」や「平和学」を担当しています。

ユニセフ「ハンドインハンド募金」

2008年12月24日 | 平和
昨日は小生も1人のボランティアとしてユニセフの「ハンドインハンド募金」に参加しました。急な予定変更があり、2時間しか参加できませんでしたが、短期集中型ということを意識しつつ大きな声で頑張れたと思います。

昨今の不況ですから、多くの人々のお財布の紐が硬くなっているのではないかと思いきや、沢山の「温かい気持ち」が寄せられました。おかげさまで、こちらも心身ともにポカポカです。

この「ハンドインハンド募金」は年末の恒例行事ですが、今後は各会場において地元出身の有名人にも参加してもらい、その存在を呼び水にして盛り上げていくことなども考慮すべきではないでしょうか。

東京ではユニセフ大使であるアグネス・チャンや横綱・白鵬関をはじめとして著名人が募金を呼びかけていたのですが、地方会場を盛り上げ、結果として募金額を増やそうと思うならば、ひとつの有効な手段であると考えます。

忘年会は続く

2008年12月22日 | 日々の生活
先週月曜日のゼミの忘年会に始まり、今年の忘年会はけっこうな数になってしまっています。サンタさんにお願いすべきは「丈夫な肝臓」なのかもしれません。

土曜日はユニセフ兵庫県支部の忘年会にお招き頂きました。ボランティア連絡会の後半には竹本成会長『最後のトマト』の紙芝居版の初お披露目もありました。ボランティアの方々が分担して脚本と絵、そして朗読をされたのでした。本自体は絶版になってしまっているようですが、拝見した紙芝居も国宝級。被爆者の数が少なくなっていく現状を考えると、被爆体験を後世に伝える貴重な教材です。あの場に居合わせることができたことを光栄に思います。二次会まで楽しく、そして心豊かに過ごすことができました。

昨日は上本町で毎年行われてるワン・ワールド・フェスティバルへ。ブースを出されていたユニセフ大阪支部の方々はもちろんのこと、顔見知りの方に何名かお会いすることができました。資料を沢山もらいすぎたのでいったん駅のロッカーへ向かうなどちょっと大変でしたが、貴重な資料を収集できるとともに楽しめた一日でした。

年内の授業はおかげさまで無事に終了しました。

「その時歴史が動いた マザー・テレサ」&「情熱大陸 WFPインド代表 玉村美保子さん」

2008年12月15日 | 平和
今日はゼミの忘年会。前期からひたすら勉強を重ねてきただけに、今日はゼミ生とゆっくり話をすることができました。これから就職活動が始まるわけですが、みんなそれぞれの志望があるようで、是非とも頑張って完全燃焼の就活をして欲しいと思います。

昨日は録画しておいた「その時歴史が動いた」のマザー・テレサの特集を見ました。マザー・テレサの生涯について30分でまとめるのは難しかったのでは?とも思いましたが、上手く編集されていたように思います。ただ、「平和学」の授業ではちょっと紹介できる余裕はないかも知れません。来年度からは講義内容の大幅なリニューアルを考えていますが、果たしてどうなることやら。視聴覚教材を整理しつつ、春休み中にゆっくり考えたいと思います。

また、「情熱大陸」ではWFP(世界食糧計画)インド代表の玉村美保子さんが登場。貧困層を賄えるほどの食料生産があるというインドにおいて走り回っておられる姿が印象的でした。慢性的な食糧不足に悩むアフリカとは違って、「あるところにはある」「なんとかしようと思えばなんとかなる」というインドにおいてはまた援助の形態も違ってくる様子が伺えました。

思えば、玉村さんのような日本人職員がもっと増えていって然るべきところ。国連事務局職員の数にしても、分担金を支払っている割には職員数が少ないですからね。データを調べようと検索してみたら、かつて小生がこの問題について書いていました。

もうすぐユニセフ「ハンド・イン・ハンド募金」(23日・金)

2008年12月12日 | 平和
今年の漢字が「変」に決定したというニュースがありましたが、てっきり日本がおかしくなってきているという意味かと思いきや、第一の理由がオバマ大統領の「変革()」が印象的だったから、というもの。日本の出来事を総ざらえした上での結論かと思いきや、「えっ!?」と思いました。ま、全国公募で決めるそうなので、別にいいですが。

ところで今日はユニセフ兵庫県支部から「世界子ども白書2007」日本語版が送られてきました(いつもありがとうございます)。年次報告書も入っていたので、ちょっと見てみると、結構貴重なデータなどもあり勉強になりました。

ユニセフ予算への拠出について、日本は7位となっていますが、ひとりあたりのユニセフへの拠出額では、日本は14位に後退してしまい、ダントツでノルウェーが1位です。クラスター爆弾禁止条約の立役者でもあるこの国の国際貢献は素晴らしいものがあります。何故そこまで?仕事が一段落したら、本格的に調べてみようと思います。

ところで、ハンド・イン・ハンドという恒例行事の日が迫ってきました。各支部でも行われるのですが、東京では著名人も参加します。携帯に来たメールでは、横綱・白鳳関も参加するのだそうです。

『最底辺の10億人』

2008年12月10日 | 平和
ポール・コリアー著『最底辺の10億人』を読み始めました。最近はアフリカ問題に関する良書の出版ラッシュ。その他については、また後日紹介したいと思います。

標記の著書は、いわゆる「ボトム・ビリオン」と呼ばれている人々についての記述がなされています。貧困の根絶を実現するためには、そしてアフリカが経済成長を達成して紛争を終わらせるためには何をすべきか、のヒントが詰められています。

問題の核心に迫る記述は、お値段以上の価値を有している、ということです。来年度前期の「平和学」をより充実した授業にするためにもしっかりと読み込もうと思います。


ところで、今日は「世界飢餓人口9億6300万人…アジア・アフリカに集中」というニュースもありました。

国連食糧農業機関(FAO、本部・ローマ)によれば、2008年の世界飢餓人口が昨年比約4000万人増の9億6300万人に達するとの見通しなのだそうです。また、世界的な金融・経済危機で、飢餓状況はさらに悪化する恐れがあるということも。

このまま世界はどうなるのでしょうか。。。

隔靴掻痒

2008年12月09日 | 平和
今日は朝の1時間目「国際法(紛争処理法)」をやってから姫路へ。授業では武力紛争法のところに入りました。「戦争にもルールがある」から始めたのですが、思えば先日クラスター爆弾禁止条約の署名が各国によって行われたところ。例年のことですが、授業にあわせて国際関係が動いているのではないか、と思うほどでもあります。次回はBSで放映されていた、クラスター爆弾の番組をお見せする予定です。10分程度だったので、教材としても最適です。

ところで、韓国人被爆者提訴や大阪空襲に関するニュースを知り、何とかならないものかと思います。まさに国家の姿勢が問われているのです。司法判断としては限界があるでしょうから、そこは政治が大きく動かないといけません。日本の政治も頻繁(はんざつ)になってきているようですが、文字通り「不条理」の状況を解消しなければ、アジア諸国のみならず自国民との関係においても大きな禍根を残すことになるでしょう。

隔靴掻痒とはこのことです。

そりゃいくらなんでも・・・

2008年12月08日 | 平和
月曜日はあっという間に終わってしまいます。国際法の授業は人道的介入のところを。そして、ゼミでは平和強制部隊と生物多様性条約に関する報告がありました。来年度は判例を検討していくというスタイルにしましたが、今年は今年で一冊の本を通してじっくりと勉強することができたのではないかと思います。


ところでテレビ東京の番組で、某アイドルがヒトラーのことを「ヒトラーおじさん」として偉人として紹介していたことがヤフーのトップニュースにもなっていました。

加藤周一さんの逝去について昨日書いたばかりですが、こうした非常識な「事件」は今後、増えこそはすれ、減ることはないのかも知れません。

犠牲となった人々の苦境や無念に思いを馳せることができないほど、想像力が欠如してしまっているのでしょう。

加藤周一さん逝去

2008年12月06日 | 平和
加藤周一さんがこの世を去りました。ご冥福を祈ります。

小生が受験生の頃にはよく現代文でその文章が引用されており、悩まさせられたものです。

被爆直後の広島を、医学調査団の一員として訪れた経験や、「九条の会」の活動など、平和の重要性を身をもって訴え続けていた姿勢を我々は忘れないようにしなければなりません。

こうした知識人がまたひとりこの世を去ってしまうのは、現在の政治の混迷状況もあわせて考えると、日本の将来について不安にならざるを得ません。日本の平和主義にとっては「痛恨の極み」といえるでしょう。


本当に寒くなってきましたね。とにかく授業が終わるまでは風邪をひけません。

クラスター爆弾禁止条約

2008年12月03日 | 研究
もう12月になってしまいました。あれよあれよという間に時間は過ぎていくものですね。

今日は会議はなかったのですが、修士論文の報告会がありました。都合4時間ほど聞いていましたが、こちらも勉強になるので会議よりかはストレスが溜まりません。

院生には、これからまたまた寒くなるので風邪を引かないよう最後の最後まで頑張って論文を完成させてほしいと思います。

ところで今日はクラスター爆弾禁止条約の署名式。米国、ロシア、中国などのクラスター爆弾の主な生産・保有国が条約交渉に参加しなかったことが気がかりになりますが、「外堀」を埋めて行くしかなさそうです。

いずれにせよ、拘束力ある条約ができて、ひと段落ですね。


また今日は、劣化ウラン弾の被害調査を求める決議が国連総会で採択されました。昨年も採択されたそうですが、果たしてどれだけの効果があるのでしょうか。クラスター爆弾みたく、禁止条約はできるのでしょうか。

それにしても思うのは、総会で決議が成立するくらいなら、クラスター爆弾も含めて劣化ウラン弾の国際法上の違法性について国際司法裁判所に勧告的意見として要請できないか、ということ。1996年には既に核兵器について勧告的意見が要請されていますからね。手続的には何ら問題はないのです。