犬との思い出を書いたので猫との思い出も。
学生時代、友人の家に遊びに行く途中小学生数名が歩道にかたまっていた。私は通り過ぎようとしたが連れの友人Yがどうしたの、と彼らに声をかける。彼らは猫、と答える。みると彼らは薄茶色の仔猫を囲んでいるのだった。当時猫には人並み程度の関心しかなかった私は面倒にまきこまれるぞと警戒して先を急ごうとしたが、Yは見過ごさなかった。ほかの仔猫はいないかと歩道脇の草叢にわけいっていく。しばらくして同じ毛色の仔猫をぶらさげてきた。近くにちくわが転がっていたという。どうやら捨て猫らしい。
小学生にはどうしようもないだろう。私たちがなんとかするから大丈夫だよとかなんとかYが彼らにいう。「私たち」のなかには私も含まれるのだろうかと傍観していたつもりの私は妙に不安になる。これから訪問する友人Nが動物病院に勤務しているのでまあ相談してみようというY。なんだきみも人任せか。
仔猫を連れてN宅へ。Nは、自分の病院では保護猫預かり等はしていないのでなんとも、と困り顔。彼女はウサギを飼っているので自宅で預かることもできない。保護に積極的だったYもペット禁止アパート住まいで飼うのは無理だし、その場にいたもうひとりの友人Hは猫アレルギー。
不安的中。結局私にお鉢がまわってきてしまった。まだ仔猫だし、2匹だけだし、里親探しを他のメンバーが行うというのでしぶしぶだったが預かることにした。我が家とてペット禁止だが大家は市外に住んでいるし、隣家との音も伝わりにくいし、上階の部屋は無人だし、短期間なら大丈夫だろう。
Nが昔ウサギ用に買って使わなくなった籠をくれたので仔猫をいれて帰宅。
仔猫たちの思い出箇条書き
■段ボール箱で寝床とトイレをつくった。2匹でもトイレはひとつでいいときいたのでひとつだけにした。しかし大きい子はすぐトイレを憶えたのにちいさい子は全然だめ。カントリー調のお気に入り棚の足許で排尿。棚の足がカビてぼろっちくなる。もうひとつトイレをつくってやったら憶えた。専用のが欲しかったらしい。
■ちいさい子の具合が悪くなる。ぐったりして動かない。死んでしまうのではとおろおろ。綿棒で水を飲ませる。復活。寒いだろうと室温をやたらに上げたから脱水症状?私のばか。
■Yや研究室の友人が猫缶や猫ミルクを提供してくれる。猫たちは器に手を突っこんで猫缶を食べ、汚れた手のまま部屋中歩きまわる。雑巾持って追いかける。部屋が猫缶くさくなる。
■粉ミルクはあまり好まないようだ。液状の猫ミルク(缶入り)を買ってきてやったら大喜び。
■台所にたつと足許に集合する。
■夜寝るときはNにもらった籠に2匹まとめていれておく。今考えるとちょっとかわいそう。反省。
■顔の広いHが学内で里親希望者をみつける。預かってから1週間。講義後に譲渡するので大学に連れていく。研究室で待機。研究室の友人Sが大きい子を机に座らせてなにやら唱えると舟を漕ぎ始める。Sの超能力発覚。友人Iの膝でちいさい子がおもらし。ごめんよI。
1匹は先住猫さんのいる家にいってすぐ仲良しになったらしい。もう1匹はもらわれた酪農家のお母さんにべったりで、農作業中もウエストポーチにいれられて過ごしたそうな。どっちがどっちにもらわれたかは忘れた。
もう12年も前の話だ。今も元気ならじいさん猫かばあさん猫だ。実は性別調べるのも忘れました。