厚木野太一の「パンティストッキングのお部屋」

婦人肌着業界並びに婦人靴下業界から長引く不況に喘ぐ
冷え切った我が国経済の立て直しを図ります。

【婦人肌着革命】

2024-07-14 18:00:56 | ~婦人肌着に夢中~
肌着女装家の厚木野太一です。
前職の登山用品専門店では折しも中高年の登山ブームに乗じて山登りを楽しむほど元気なお年寄りを28年に亘って接客し、ワケ有って転職後の特別養護老人ホームでは介護職員として65才定年退職までの13年間認知症のお年寄りをケアするなど両極端のお年寄りと接するという貴重な経験をさせて頂きました。
著書の印税に加えて僅かばかりの年金では贅沢出来ないコトから現在はサ高住で夜勤専従の介護福祉士です。
食事&入浴介助とオムツ交換が出来るエッセイストでもあります。

ボクの介護職員としての信条は、
①【関わる全てのゲスト(利用者さん)を大好きになるコト】(その想いは丁寧なケアーに繋がります)
②【決してゲストに好かれようとは思いません】(好かれたいと思う行為は過剰介護に結び付きます)
③【目指す介護士像は要介護状態になった自分がこの人に介護して欲しいと思える人材になるコト】(決して実の父、母のつもりで接するコトはありません。老人虐待は実の息子、娘による場合が多いと言われています)

「三つ子の魂百まで」と言われる様に肌着女装家としてのルーツは3才の時にママと観たNHK教育テレビ【劇場中継バレエの夕べ】のプログラム『白鳥の湖』(ボリショイ劇場バレエ団ユーリ・グリゴローヴィチ版)でした。
第1幕2場、王子ジークフリードとオデット姫が出会う湖畔のシーンは、半ズボンを脱がされたタイツ姿の男の子が自らスカートをまくり上げてパンティ丸出しの沢山のお姉様に寄ってたかって虐められているとしか思えなかったのです。
何故、半ズボンを脱がされたと思ったかと言えば普段着が半ズボンに黒or肌色のタイツ、門前仲町から都電に乗って日本橋の白木屋デパート(後の東急百貨店日本橋店、1999年1月惜しまれつつ閉店)や立石のオバァの家にお出掛けする時のよそ行き用に半ズボンに白いタイツを穿いてその後も通年半ズボンで過ごしたボクは小学校卒業までの10月始めから4月の終わりまで毎日半ズボンwithタイツで登校したボクからすると半ズボンを穿かずにタイツ姿でお外に出るなんて常識的に有り得なかったからなのです。
何よりもNHKで、しかも教育テレビで下半身も露わな恥ずかしいあんなエッチぃタイツ姿を全国的に放送してイイのだろうかと子供ながら心配になったほどです。だって、制服がセーラー女子中高生が下校後、お部屋でシワにならない様にとスカートだけ脱いでセーラー服の上with黒タイツ姿でくつろぐ様子、その格好で舞台に立つ姿を想像してみて下さい。
そんなコトならボクだってして欲しいと思ったところで当時この世に生を受けてまだ3年しか経っていない幼いボクを誰が責めるコトができるでしょう。
けれど、バレエを習いたいとは即ちタイツ姿で沢山のお姉様に寄ってたかって虐められたいという本心を悟られまいと思ったボクは週1ペースでクラシックバレエの基礎レッスンが受けられるという口コミだけで申し込んだのが本格的な体操教室でした。バレエコースの女子に混じって器械体操のユニフォームで習うバレエの基礎レッスンほど虚しく味気ないモノは無くて、そんな時改めて実感したコトがあります。
即ち全く魅力を感じない体操女子ととても魅力的なバレエ女子の違いです。細かいコトを言えば色の切り返しなどがある体操女子のレオタードとモノトーンでシンプルなバレエ女子のレオタードという様に着ているレオタードだけなら好みが左右するところですが、ボクにとって見過ごすコトが出来ない大きな違いはレオタードに素足の体操女子とレオタードにタイツ姿のバレエ女子という、タイツを穿いているか否かという問題なのでした。
けれど、女性にタイツを穿いて欲しいのは勿論のコト、それを遥かに凌いで自分がタイツを穿いていたいし、下半身も露わな恥ずかしいタイツ姿を見て欲しかったのです。

嗚呼それなのにそれなのに鉄棒は手に出来たマメが痛いし、跳馬は思いの外怖くて、地味な割にはハードな鞍馬に何のワザも出来ずにただブラ下がってるだけの吊り輪だったけど、せめて床演技だけでも頑張れたコトが週1ペースで受けた手と足の基本ポジションのお稽古と相まって短いながらもその後のバレエ人生に大きく役立つのでした。
苦痛に思いながらも通った体操教室は小1から小5まで続いたけれど人前で下半身も露わな恥ずかしいタイツ姿を見て欲しい気持ちは積もりに積もってガマンの限界に達した日、バレエを習いたい旨ママに伝えると、凡そ9年前、元々ボクにバレエを習わせたくて『白鳥の湖』を観せたママは当初から決めていたバレエ教室に連絡をして3回の無料体験教室を予約したところ、クソ面白くもなかった体操教室で培った高いジャンプ力とリズム感、そして強い体幹に加えて手と足の基本ポジションと基本的なバーレッスンを完全にマスターしていたコトで3回予約した無料体験レッスンの1回目にして「タイツが有るなら穿いてらっしゃい」と言って頂いたコトが嬉しすぎて、何故なら「男の子さんは慣れるまで動きやすい服装で構いませんょ」とか余計な気遣いをされるのが一般的だからです。寧ろボクは「タイツを穿きなさい、さもないとレッスンを受けさせませんょ!!」と言って欲しいくらいなのです。
経済的な理由でバレエを習うコトが叶わなかったママは戦争中疎開先で親友になった女子のママが経営するバレエ教室に特別に男子を受け入れてくれたのは、他に同性の男子がいると萎縮して本来の自分を表現できないボクにとって絶好のシチュエーションでした。男子ばかりのボーイズバレエクラスだったら最悪です。

小6から高1までの5年間ほぼ毎日通うコトになるこのバレエ教室には同級生も通っていて顔見知りの女子にタイツ姿を見てもらうコトがこれ程恥ずかしいとは思いませんでした。そして見られているコトがとても嬉しかったのです。やっぱり女子の場合、下校して自室に入ったらシワにならない様にと先ずスカートを脱ぐと思うのですが、そうすると制服の上withタイツ姿になります。それがセーラー服だとしたら思いの外着丈が短いセーラー服withタイツ姿って王子様のタイツ姿まんまだったりするのですが、自分がセーラー服withタイツ姿で舞台に上がってスポットライトを浴びる姿を想像してみるとやっぱりハズいですよね。

この体験はその後のボクの数少ない女性経験から導き出した仮説【女性の真理】に結び付きます。
【女性の真理】とは即ち曰く、
「同性である女性の前では絶対に恥をかきたくないけれど、異性である男性の前でならイッパイ✕2恥ずかしくなりたいと思っているのが女性である」というモノです。

今でこそセクハラがやかましく言われてますが、明らかにセクハラであると自他共に認める言動だとしても、それが異性に不快感を与えたか否かが問題なワケで、ボクは普段からセクハラ発言をしたとしても異性に不快と思われないための努力は惜しみなくしているので、
「同性である女性の前で恥をかくのと異性である男性の前で恥ずかしくなるとしたら貴女はどちらを望みますか?」と異性に対して何の躊躇いもなく質問できるのです。

さて、バレエ由来のタイツフェチのボクですが、ある日突然バレエと別れを告げる時が来ます。変性すべり症という腰痛症によって高2進級目前の春休みにバレエダンサーへの道を5年で断念したのです。
バレエを習っていた頃は一年中タイツを穿いていたし、30℃を超える真夏日でも苦にしたコトは無かったのですが、バレエをやめると真夏のタイツは暑すぎて、これがパンティストッキングを穿く切っ掛けになったのでした。
アツギ㈱が1979年にストッキング革命とも言われる【フルサポーティパンティストッキング】を発売する4年前のコトでした。

ストッキングに関するボクの記憶は5才の頃からでガーターリングを使って大腿部で留めるセパレートの長靴下でした。ママはそれを【ストッキング】と言ったり【シームレス】と言ってました。左右セパレートの長靴下だからパンティ部は有りません。

クラシックバレエ由来のタイツフェチのボクとしては素肌感が全く無い超厚地のタイツ派なので余りにも薄くて透けているコトからストッキングを履く意味が全く理解できませんでした。それに関連する逸話として
バックシームがある【フルファッション】が【シームレス】に代わりつつあった頃はバックシームが無い【シームレス】は傍目ナマ足に見えてしまう感が強いコトから中々売れなかったそうです。

今では叩き上げのパンストフェチを自負する者としてこんな想いがあ、ります。
即ち、電車に乗って向かいのシートに座るナマ足女子の脚に目をやると
スネには無数の蚊に刺された跡と引っ掻きキズ、そしてカサブタ。スネに傷持つ女性は多いと言いますが、ストッキングを穿くだけで女性の脚は驚くほど美しくなります。

バレエを習っていたコトからタイツなら婦人物でも気軽に購入できるボクですが、パンティストッキングを買うとなると敷居は高くて、お世話になったバレエの先生にパンティストッキングを贈るつもりで某有名デパートメントストアーの婦人靴下売り場を訪れた時のコト、
ボク「お世話になったバレエの先生にパンティストッキングを贈りたいのですが」と言うと、
店員さん「女性と言っても身長180cm以上はあるのでしょ?」との質問に、
「そんなにあったらリフトなんかできませんょ」とボク。
「そんなコトしたら反則じゃないの?」と店員さん。
ボクは【クラシックバレエ】、店員さんは【バレーボール】のつもりで話すモノだからこんな不毛のやり取りの着地点が見つかるハズもなく、
「ポジションがセッターだから小柄なのです」と言うしかなかったボクなのでした。
そのついでに購入したのがボクのパンティストッキング購入の初体験です。
婦人靴下業界に関わる店員さんは商魂逞しく、地域開発の波に呑まれて惜しまれつつ撤退を余儀なくされた銀座5丁目【Pink Tea Club】の利用初体験の日、緊張して顔を引きつらせながら「就活中の妹にパンティストッキングのお遣いを頼まれたのですが・・・」的な声掛けに対して「デイリーでお穿きになりますか?」妹が就活で穿くストッキングを頼まれて来店したコトを明確に伝えているにも拘らず、それをガン無視して普通に接して下さるのでお買い物を楽しむコトができたのです。

それ以来、思わず人恋しい初冬の11月から近い春を今や遅しと待ちわびる厳冬の2月に掛けて110デニールから160デニールのタイツを穿き、水温む春うららかな早春の3月から里山の木々が黄色く色着く晩秋の10月に掛けてはパンティストッキングを穿くなど、季節の移ろいによって厚みは勿論のコト、冠婚葬祭の行事によってお色はもとより発色を変えるなどレッグアイテムは楽しみがイッパイです。
厚地のタイツの時は気にも留めなかった紳士モノならではのブリーフの縫い目もパンティストッキングを穿くようになってからものすごく気になって婦人モノのショーツを穿いてからパンティストッキングを穿く様になったのですが、ズレ防止でガードルを穿くよりもボディスーツを着るコトにしたのです。
肌着女装家を名乗る以上、興味が無いからとブラジャーを着けないワケにもいかないのと器械体操時代にレオタード(ユニフォームのズボンを脱ぐと男子もクロッチのあるレオタードスタイルです)なら普通に着ていたコトからボディスーツはとても身近な婦人肌着なのでした。
ママ曰くブラジャーとショートガードル、ウエストニッパーの3アイテムが一体化(オールインワン)したボディスーツは出産を機に産後の体型補正を目的に助産婦さんに勧められて着る様になったとのコトで早朝起き出したボディスーツ姿のママがお部屋の中をうろつく姿を今でも忘れません。
クラシックバレエ由来の真性タイツフェチから肌着女装家として叩き上げのパンストフェチにシフトアップしたのは、元メジャーリーガー井口資仁氏を始め沢山のJリーガーやラガーメンを輩出した國學院大學久我山高校の第2学年次、推理作家故松本清張の3男、松本隆晴先生に世界史Bを教わった頃の出来事でした。

肌着女装がイイのは老若男女を問わず人に優しくなれるコトです。全ての男性介護職員が肌着女装にハマれば老人虐待の半分はなくなるし、全ての男性が肌着女装にハマるコトでDVに苦しむ女性もいなくなるでしょう。婦人肌着あるあるとして身に着ける楽しみは勿論、日頃頑張ってる自分へのご褒美として自ら購入する喜びを知るコトで卑劣な下着ドロボーもいなくなるコトでしょう。
もっと言えばテロリスト集団のリーダーの足下に目をやると薄汚れたつま先がストッキングの薄生地に優しく包まれていたらあの忌まわしい【9.11】だってなかったハズです。

この様に高校2年生から婦人肌着に親しんできたボクは自分で言うのも何ですが、下着姿の女性の身体に興味がある一般男子に対して女性が身に着けている肌着に高い関心が有るコト、そしてそれを身に着けたいと思うコトという点で大きく異なります。
それは、バストサイズ(トップバスト)とカップサイズの両方を聞きたがる男子のオスならではの思考回路です。バカ丸出しとしか言いようがありません。
10歩譲って「どうしても聞きたいのであればアンダーバストとカップサイズだろうが!!」と私は言いたい。
バスト88cmでアンダーが73cmならカップサイズはCカップというコトを知らなければカップの間隔が2.5cmというコトさえきっと知らないのでしょう。
何よりも本人を目の前にしてスリーサイズを聞きたがる男子の存在は同性としてみっともないとしか思いません。
國學院大學で登山関係のクラブに所属していたボクはいわゆる本格的な登山は初めてのコトで初合宿第1日目の夜に超感動したのは夜空に瞬く満天の星でした。この無数の星の中には恒常的にその位置に留まって自らエナジーを放つ恒星とその光を反射しながらその周囲を回る惑星があって、つまり【ソーラーシステム(太陽系)】に於いて【ザ・サン】という名の恒星を中心にインサイドからアウトサイドに向かって順番に【マーキュリー】【ヴィーナス】【アース】【マーズ】【ジュピター】【サターン】【ウラヌス】【ネプチューン】という8個の惑星から成り立っていますが、太陽系にたった8個しかない惑星の中に我々が住む地球が存在するという確率の高さを思いながら夜空に輝く満天の星を見るとボクらが存在する太陽系と同じ条件の恒星群が無いなんて断言できるワケないし、太陽系と全く同じ条件下に於いては複数の地球が存在していてボクらと全く同じ生活を送っているコトさえ否定できません。最新の地球人の科学をもってしても考えられない条件下で快適に生存する生命体の存在、それこそ宇宙人の存在を否定するコトは自分自身の存在さえも否定するコトを意味します。即ち、宇宙人は存在して当たり前であって、寧ろ宇宙人が存在しないワケがないと思うのでした。「そもそもボクら自身が宇宙人だし」とかいうベタな言い方はしません。
太陽系を構成する恒星と惑星の名称を敢えて英語名にしたコトにお気付きでしょうか。日本語表記にすると【水星】【金星】【火星】【木星】【土星】【天王星】【海王星】など7個の惑星の名称に【星】が付くのに対して恒星である【太陽】と惑星の【地球】には【星】が付いていないというだけでこの2つは星とは別物と思い込んでしまってこの手の話にスムーズに入り込めないであろう人たちを気遣ってのコトです。

さて、卒業を控えた1981年9月、横浜のIBS石井スポーツ㈱(2009年10月廃業)に就職しました。
大学でのボクの専門は西洋史です。
就職先は登山用品専門店です。脈絡を無理やりこじつけるとするなら登山と言ってもピンと来ない英国ですが、インドを植民地としていた時代、インドヒマールなどの山脈を盛んに探検したコトから世界的に有名な【カリマー】というザックメーカーが発達したのだろう程度のコトです。
つまり、大学で専門分野を研究したボクでさえ専門とは無関係の会社に就職してしまうと学校で学んだコトなど全く役に立ちません。
その一方で企業は学校の成績が【オール優】【オール5(5段階評価)】という成績優秀な学生、生徒を求めています。
文系ないし普通校を卒業した学生、生徒が一般企業に就職した場合、学校で学んだ知識は一切役に立ちません。何故なら、就職して与えられる業務は初めて経験するコトだらけだからです。でも心配無用。業務を遂行するに当たって充分な研修期間があります。

現役東大生はおろか、OB&OGまでがクイズ番組で雑学をひけらかしている今だからこそ義務教育として学校で沢山の科目を勉強しなければならない意義は将来クイズ番組で雑学をひけらかしてクイズ王に輝く為であると明言できるけど、それを断言してしまうと「だったらボクは大丈夫!!」という子供は必ずいるハズで、それでは①【文系や普通校を卒業した学生、生徒が一般企業に就職した場合、全く役に立たないのに小・中学校で沢山の科目を勉強しなけれはならないのは何故?】という普遍的な疑問に加えて②【文系大学や普通校で学んだ知識など全く役に立たないのに企業は成績優秀な学生、生徒を求めるのは何故?】という疑問を重ねた上に③【念願叶って第一志望の企業に就職したけど業務内容が思っていたコトと違うから転職したい】というバカタレの存在を
加味すると小・中学校で沢山の科目を勉強する意義が見えてきます。

ボクなりに無難な言い方をすれば【沢山の科目に触れるコトで物事に興味を持つ心を育むコト】【初めて触れる物事に対する興味の持ち方を学ぶ為】というコトだと思います。
しかしながら文科省の連中に誰一人ボクの教育論を理解している者が居ないコトが我が国の教育界の不幸です。
物事に興味を持つ為には楽しい対象でなくてはなりません。
つまり、楽しい授業が出来ない教師
しかいないということ。
各科目の教育指導要領が諸悪の根源であるにも拘らず、それに気づくコトなく、寧ろそれに基づいて授業を進める限り日本の未来は無いでしょう。
我々企業サイドは学校の成績の中に【良以下】【4以下(5段階評価)】が有るとこの学生、生徒は興味の無い物事については努力をしない人物であると評価します。即ち与えられた業務内容が初めてのコトであれば、
その中から興味を掻き立てる要素を引き出すのです。
つまり、与えられた業務内容が思い描いていたモノと違うから辞めたいとか言われても我々大人は困ってしまうのです。

さて、中高年の登山ブームに乗じて話題になったアイテムがスポーツブラ&スポーツショーツなどのスポーツ肌着です。
当店ではレジっ子娘と呼ばれるレジ専門に配置した女子がブラジャーの試着を希望するお客様を接客するのですが、GW目前になるとレジも立て混んで3つある試着室が空いたままフィッティングアドバイスを待つお客様で溢れています。
そんな日が続いたある日のコト、当時出始めて間もないワープロで作成したそれらしいIDカードを首に提げてブラジャーやショーツの棚を整理していると60代後半戦と思しき小柄なお客様から「これも試着できるのかしら」とスポーツショーツを手に取って聞かれるので「ショーツは衛生上ご遠慮頂いてます。」というやり取りを見ていた他の50代と思しきお客様から「お勧めのブラジャーは有りますか?」とのお尋ねに自分ならこれを着けてみたいとかねがね思っていたWacoalのスポーツブラをその辺抜け目なくジャストサイズであるコト、お色も無難なサンタンブラウンであるコトを確認しながらお出ししつつ試着室にご案内すると一緒に入るコトに成功したのでした。
ここまで来たら実務的に淡々と業務をこなすだけです。
メジャーは使いません。5cm間隔のアンダーバストなど一目見れば分かります。2.5cm間隔のカップサイズだって乳房の張り具合(垂れ具合)を一目見れば分かります。
メジャーを使ってmm単位で知る必要など無いのです。
即ち、接客するお客様の乳房のカップの形状はWacoalのcwxタイプかジェーンリバータイプかノースフェイスタイプか。登山用品店で取り扱うブランドは3〜4程度なのです。けれど、高校2年生から婦人肌着に目覚めたボクはランジェリーなりファンデーションに慣れ親しんでいたお陰でお客様が着けているブラジャーについてもアドバイスできたり、お客様から質問が有れば即答できるモノはその場で、即答出来ないモノは次回のご来店までペンディングとして持ち帰らせて頂くコトで、母娘3代を含む100組以上のカルテを作成させて頂くなど、普通の男性店員では有り得ない楽しい思いをさせて頂きました。
お客様のパターンとして把握したコトは1着目でジャストフィットさせてしまうと納得して頂けないコト。
厳密に言うと1着目では納得したくなさそうという感じです。
こちらとしては1着目で決めたいというプロ意識があるのですが、ボクのフィッティングアドバイスを聞きたいというお客様の気持ちが伝わってきたので、先ず1着目に合わないサイズをご試着頂いて合わない感覚を体感して頂きます。次にジャストフィットのブラジャーをご試着頂くと納得してご購入頂けるという流れです。お店側としては正直めんどくさいと言えばめんどくさいのですが、ご年齢も五十路から還暦過ぎのお客様にとってみれば息子ほど年の離れた異性のフィッティングアドバイスを受けられるとなれば、これも肌着購入のお楽しみとして理解しています。
それはお客様の同意の上というより、ボクがお客様の要望に応える形で一緒に楽しませて頂いているというコトだと思います。
狭いながらも中には腰掛けが一脚有って、お客様とフィッティングアドバイザーの関係とは言え、異性同士が二人して誰にも言えない秘めゴトを楽しむには狭いながらも丁度イイ空間だったと思います。
初回こそお客様と2人して試着室から出て来るとスポーツブラの試着を待ってたお客様からは怪訝な目で見られたり、丁度居合わせたレジっ子娘からは「厚木野係長(当時)何してるんですか!?」と言われるや「田部さん、こちらのお客様にジェーンリバーのLサイズをご試着頂いて!!」と間髪入れず指示するコトで不審感を持たせる余裕を無くすなどボクも大変です。するとご試着を終えたお客様から「有り難う、具合が良かったらリピートするわ」という一言に安心された様子で「私も試着お願いします」、「次、わたしもイイかしら」と言うようにボクのフィッティングを受けたいお客様は後を断ちませんでした。
勿論、ボクのフィッティングアドバイスを断固拒否するお客様もいらっしゃったコトは事実です。
1980年代はセクハラ発言自体が問題視されたコトはないし、好感の持てる異性からのセクハラなら誰もがノリノリだったりした時代です。
初めて受ける異性のフィッティングアドバイスに上ずりながら試着室に入る様子が息遣いからも分かります。
大事なコトは淡々と業務をこなす誠実性です。メジャーは使いません。一目見ればアンダーバストは分かります。乳房の張り具合(垂れ具合)を一目見ればカップサイズは勿論のコト、どこのカップの形が心地よくフィットするかも明確に分かります。なんなら乳房の形次第では取り引きの無いブラジャーを客注品扱いにして市販で購入、感激して頂いたコトも数知れす。ボディスーツの相談に乗ったコトもあります。衛生面を理由に試着をご遠慮頂いているショーツの試着については強いご要望が有れば極薄の尿取りパッドを陰部に当てて頂くコトを条件に非公式に応じていました。
せっかく来店したのに店内を覗いたらあいにくボクの公休日の為に無念の思いで帰ったお客様から毎月のシフト表のコピーをねだられてお渡ししたこともあります。聞けば同性のフィッティングアドバイザーならそんな気持ちにはならなかったとのコトでした。
ボクが立てた仮説【女性の真理】とは正にこういうコトだと思います。
即ち下の句に曰く「異性である男性の前ではイッパイ✕2恥ずかしくなりたいと思っている」と。

就職して間もなく結婚願望が湧き上がったボクはCP相性診断の草分け的存在、今や伝説の【アルトマン】に登録したのです。本気で結婚を考えていたボクは肌着女装にハマっているだけでなく、趣味と実益を兼ねてスポーツブラを代表とするスポーツランジェリーのフィッティングアドバイザーとして母娘3代を筆頭に100組以上のカルテを作成しているコトなどを相手の女性に偽りなく伝えて頂くようお願いしたのです。
すると、相性診断の結果良好である女性に肌着女装家だけれども教育学や天文学に精通した好青年であるコトを了承頂いたお相手は25才(1983年当時)のボクに対して32才から54才まで8名の女性とお見合いデートをセッティングして頂いたのですが、「どの様な肌着がお好きですか?」とか「ブラジャーは何カップかしら?」など婦人肌着の話題を女性側から振って頂けたので会話が途切れて気不味い空気が流れるコトはありませんでした。お買い物デートでお揃いのショーツを買ったり。
その時に思ったのは紳士肌着の新たな生産並びに販売を廃止して婦人肌着の大きいサイズ設定の新設です。
全ての紳士肌着メーカーの生産ラインを止めて、代わりに婦人肌着の今までの規格に無い大きいサイズを新規に生産、販売するのです。つまり、せいぜい【4L】【5L】までの婦人肌着のサイズをそれ以上、【nL】サイズ(n=自然数)まで生産します。全ての婦人肌着に設定するコトでまるで大容量冷蔵庫やドラム式洗濯機など大型白物家電を思わせるような体型の女性でもわざわざ両国界隈まで出向いてお相撲さんとお揃いの肌着を購入するコトなく可愛らしい肌着を着けて楽しむコトができます。そしてボクら男子はお気に入りのランジェリーやファンデーションが有れば、既成の婦人肌着のサイズに自分の身体を合わせて楽しませて下さい。

「穿かなければならないストッキングから穿きたくなるストッキングへ」とはボクが大好きなキャッチコピーですが、無頓着とまでは言いたくないのですがパンティストッキングに対する意識が低い女性が多い印象が強い現状がウソの様に思えるほどパンティストッキングは勿論タイツのお話でも盛り上がってとても楽しい時間を過ごすコトができました。
アメコミヒーローを代表する「スーパーマンやバットマンが着用するヒーロースーツは何故全身総タイツなの?」という話題になったとき、「1935年に米国のデュポン社(当時)が開発したナイロンはストッキング用の繊維として使用されたポリアミド系繊維の商品名で【鋼鉄よりも強く、クモの糸よりも細い】というキャッチコピーは太平洋戦争の終結以来【女性とストッキングは強くなった】という文言をアピールする手段として米国が生んだ無敵のヒーローたちに厚手の全身タイツをヒーロースーツとして着用させるコトは絶好のチャンスだったのでは?」と結んだのでした。

本文は『パンティストッキングのお部屋〈前編〉』より抜粋、一部加筆したモノです。




『パンティストッキングのお部屋〈前編〉』(幻冬舎刊)は教育書です。



タキシードwithタイツ姿は2021年9月下旬(当時63才)、著者近影としてダイナシティウエスト3階のスタジオアリスで折しも七五三の記念撮影で賑わう中、沢山の若いお母様方にガン見されながらの楽しい撮影会でした。



器械体操の男子だってユニフォームのボトムスを脱ぐとこんな感じです。






スポーツブラなど、フィッティングアドバイスの為に利用したテキスト類です。

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