数年ぶりにもう一度、口径何cmでシリウス伴星が観察できるか実験観察・撮影しました。
2月18日夜、薄雲のある晴れ。風も治まりシリウスのまたたきも少ないようでしたので、20cmドブソニアン望遠鏡を使ってシリウス伴星の実験観察・撮影することにしました。
時間的に日課のウォーキングは取りやめて、シリウス伴星の実験に専念しました。
実験は口径20cmドブソニアン望遠鏡で次に示す内容を実施します。
1.筒先を8cm、10cm、15cmに絞ってシリウス伴星が眼視観察できるかどうか
2.絞った口径で動画撮影してシリウス伴星が写るかどうか
実験1.の結果を示します。(倍率は×200倍です)
口径8cm: エアリーパターン(回折リング)の間から伴星が何とか時々チラチラ
観えた
口径10cm: 口径8cmの時よりもエアリーパターン(回折リング)の間から伴星
がよく観えた
口径15cm: エアリーパターン(回折リング)らしい像はなく伴星が
すぐに観えた
口径20cm: エアリーパターン(回折リング)像はなく伴星が光球のように
観えた(伴星は出目金の眼玉のように観えた)
伴星はピントをわずかにずらした方が観察し易い
注.口径絞りはボール紙で円形であり、絞り端を通る光が回折して
エアリーディスク(中心の円盤像)とエアリーパターン(回折リング)が
できているようです。
次に実験2.の撮影結果を示します。
口径8cm: 観察結果から写らないと思って撮影せず
口径10cm: エアリーパターン(回折リング)の所に何とか伴星写った
口径15cm: 伴星写った
口径20cm: 伴星ハッキリ写った
結論: 口径10cm以上の反射望遠鏡の時、シリウス伴星(角距離11.3秒)は
分離観察・撮影できることが判りました。
屈折は口径8cm以上の望遠鏡の時、分離観察できます。(2019年実験済)
屈折での撮影は実施していませんので、判りません。
実験撮影した写真4コマとイメージスケッチを添付します。
どうぞご覧ください。
シリウス伴星の2022年の位置角は64.1度(公称値)です。
写真④の南中頃のシリウス伴星は公称値通り約64度で一致します。
写真①~③のシリウス伴星は角度補正してあります。位置角は約64度です。(位置角は北から反時計回りの角度で表示します)
尚、写真①~④の拡大率は同じにしてあります。
①シリウス主星と伴星(口径10㎝に絞る)
2022年2月18日20時16分~19分
露出47ms×250/500フレーム×5コマ
20㎝ドブソニアン望遠鏡 f1200㎜(口径10㎝に絞る)
ASI290MC IR/UVカットフィルター GAIN350 動画撮影
RegiStax6+ステライメージ9 トリミング自宅 気温5℃
※キャプチャエリア544×548、伴星の位置角と角距離チェック済
②シリウス主星と伴星(口径15㎝に絞る)
2022年2月18日20時25分~28分
露出30.5ms×250/500フレーム×5コマ
20㎝ドブソニアン望遠鏡 f1200㎜(口径15㎝に絞る)
ASI290MC IR/UVカットフィルター GAIN300 動画撮影
RegiStax6+ステライメージ9 トリミング自宅
※キャプチャエリア544×548
③シリウス主星と伴星(口径20㎝)
2022年2月18日20時07分~09分
露出18.6ms×250/500フレーム×5コマ
20㎝ドブソニアン望遠鏡 f1200㎜ ASI290MC
IR/UVカットフィルター GAIN300 動画撮影
RegiStax6+ステライメージ9 トリミング自宅
※キャプチャエリア544×548
④南中頃のシリウス主星と伴星(口径20㎝)
2022年2月18日20時31分~32分
露出40.7ms×250/500フレーム×3コマ
20㎝ドブソニアン望遠鏡 f1200㎜ ASI290MC
IR/UVカットフィルター GAIN300 動画撮影
RegiStax6+ステライメージ9 トリミング自宅
※キャプチャエリア544×548、伴星の角度補正無
⑤シリウス伴星眼視観察のイメージスケッチ