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木ノ脇道元 ブログ

フルート奏者木ノ脇道元

夕方クインテット

2009-10-23 17:32:40 | Weblog
最近、外から帰ると録画しておいた「You gotta クインテット」を見るのがすっかり楽しみになっています。
 
このNHKの音楽教育番組、一見チープな人形劇仕立てで、演奏もクインテットという名の通りバイオリンとチェロ、クラリネット、トランペットそしてピアノという五人編成で全ての曲を演奏しています。

いわば超ローテクを使って制作されてる番組なのですが、選曲のセンスが良い事、楽曲のアレンジがすごく気が利いてること、曲の合間にゆる~い小ネタのギャグが挟まる構成になってることなどが、アコースティクかつローテクな雰囲気とうまく響きあってて非常に良く出来てるのです!

 人形や小道具、アニメーションがポップなセンスに満ちてるのも楽しいです。

音楽番組の中にネタが挟まるのは昭和のテレビ番組に良くあった気がしますから、ノスタルジー的な雰囲気を添える目論見もあるかもしれません。

NHKのこの時間帯の他の教育番組も良く作られてるのが多いです。

子供向けのプログラムも実験を重ねるうちに洗練されてきたと言うことでしょうか。


 先日アンサンブル・ノマドで行った新小岩の小学校も、五年生を対象に、一クラスづつ40分みっちり演奏を聴かせるという贅沢なものでした。
体育館や講堂ではなく、間近で、しかも同じクラスの仲間で、というリラックスできる環境で聴く音楽は子どもの耳にどのように響くのでしょうか・・・・。

マニアックな音楽活動とは対極の配慮を要するこういう演奏は、自分が目指す表現やメッセージを自ら、客観的に理解するのにも役に立つ気がします。
 
音楽をやっていく以上、たずさわっていきたい活動の一つですね。

どうしたの?何があったの?

2009-10-22 22:07:20 | Weblog
おおきなイベントが終わって更新サボってしまいました。

前回の更新から、北陸の某オーケストラ公演にエキストラとして出演し、アンサンブルノマド初の試みで、新小岩の小学校に子供向けの演奏にいくなど色々ありました。

 今日はやはりアンサンブルノマドのリハーサル。来月、中国は北京へのツアーです。

今日練習したのは福士和夫さんの「ケスキスパス」。フランス語ですが日本語では「どうしたの?何があったの?」になるそうです。

ユーモアがあって、仕掛けバリバリ、昨年の韓国ツアーでもすごく盛り上がった曲です。
 曲の冒頭10人近い演奏者のうち4人が出てきて、ボディパーカッション的なパフォーマンスをするのですが、本日はその部分練習。
作曲の福士さんは具体的な指定をせず、演奏者が自由に演出できる余地を残してくれていますが、アンサンブルノマド版では、自らダンスカンパニーを主宰する村上クラーラさんが振り付けを担当してくださり、ダンサーばりの複雑な動きを要求される部分で、二時間みっちりクラーラさんに指導してもらいました。

北京のプログラム、なかなか刺激的なのですが、そのなかでも目玉になる作品でしょう。

演奏の様子などアップしますのでお楽しみに。

写真はやはり冒頭に登場する四人の中の一人でヴィオラ奏者の甲斐さんが、今日誕生日で「自分で買ってきた」ケーキを練習の後、みんなで食べたのでした。

「海辺のノマド」終了

2009-10-16 00:40:32 | Weblog
昨日東京オペラシティでのアンサンブルノマド定期ならびに本日、京都同志社大学・寒梅館での演奏無事終了しました。

 来て下さった方々ありがとうございました。

今回作った「海辺のノマド」は、今までの作曲と違って音響作家、種子田郷さんとの共同制作という形をとってるということで非常にエキサイティングでもあり、またプレッシャーでもあるコンサートでした。

結果的には、役者の揃ったアンサンブルノマドの演奏で、僕自身が目論んだ以上の結果を出せた事と、種子田さんの音響とのコラボレーションが非常にうまくいっただけでなく今後、更なるコラボレーションの可能性に勝手にいろんな妄想をしてしまうほどで本当に楽しかった。
 
 種子田郷さんとは今年二月の「森山開次作品集」で一緒になり、ものすごくテンションの高い舞台にいっしょに参加しているというシンパシーもあって「一緒に何かやりたいですね」なんて言ってたのですが、そういうのは大体実現しないまま社交辞令に終わることが多い中、かなり早いタイミングでひとつ共同でものをつくることが出来て喜んでます。

 機会を作ってくれたノマドと(まあ、僕も普段は演奏に携わるメンバーの一人なのですが・・・)ディレクターの佐藤さんに感謝ですね。

 
 今回のコンサートのテーマはリュック・フェラーリでした。

奥さんのブリュンヒルト・フェラーリさんが来日していて、ずっとにこにこ嬉しそうにリハーサルもコンサートも付き合ってくれただけでなく、自分から寄ってきてくれて「I like your piece so much! Why did't you make it more longer!?」
なんて言ってくれて感激でした。
 ご高齢にもかかわらず実に魅力的でかわいい人でした!!

告知

2009-10-14 08:27:58 | Weblog

アンサンブル・ノマド定期演奏会#35

 時代を創造するパイオニア達 vol.1

~美しき異端児の耳=リュック・フェラーリ~

10月14日(水)  18:30開場 19:00開演 

東京オペラシティ・リサイタルホール

リュック・フェラーリ:ディダスカリー2、あるいは音符を探す3人の登場人物(2002)

リュック・フェラーリ:パリ-東京-パリ(2002)

木ノ脇道元:海辺のノマド(2009)

リュック・フェラーリ:失われたリズムを求めて(1978)  

  種子田郷:les silences sonores(2009)

  出演者

メンバー:木ノ脇道元(fl)、菊地秀夫(cl)、野口千代光(vn/va)、甲斐史子(vn/va)、佐藤洋嗣(eb)、中川賢一(pf)、宮本典子(perc)、佐藤紀雄(gt/cond)

ゲスト:林憲秀(ob)、塚原里江(fg)、松本卓以(vc)、小坂圭太(pf)

主催/アンサンブル・ノマド(http://www.ensemble-nomad.com/)

音響/国立音楽大学楽器制作・音響コース

チケット:一般3000円 大学生2000円 高校生以下1000円チケット

お取り扱い:東京オペラシティ・チケットセンター03-5353-9999

お問い合わせ・ご予約:キーノート0422-44-1165 keynote_music@fol.hi-ho.ne.jp


久々のインプロセッション

2009-10-14 00:58:14 | Weblog
西荻窪の「アケタの店」でベースの吉野さんたちと久々のセッションでした。
ヴァイオリンの太田恵資さんは名前と演奏は良く聞いて知ってたのですが、競演は初めてでした。

 アラブ音楽の素養を生かした演奏で音を出した瞬間、その人の空気を出せるアーチストです。
 8時からほとんど譜面なしの2セットのステージでしたが楽しんで演奏できました。

ぬらりひょん

2009-10-12 22:53:38 | Weblog
CD「Perfect World」が、共同プロデューサー中川統雄氏の運営するレーベル「ぬらりひょんレコード」のサイトでネット販売されています。

 アドレスは↓

http://www.nurarihyonrecords.com/

 中川氏の前作「Death Mask」と、僕も大きく関わってる「Mah Vairocana」も買えますよ!

 他にはムラマツ楽器のサイトでも買えるし↓

http://www.muramatsuflute.com/shop/goods/cdsearch.aspx

上野に来るついでがある人は、東京芸術大学美術学部の中にある藝大アートプラザでも買うことが出来ます。

 あと前の記事でも書きましたが私に直接連絡いただいてもお送りします。

明日は西荻窪「アケタの店」でジャズベースの吉野弘さん、ヴァイオリン太田恵資さん、ドラムス田中徳崇さんとセッションです。

んで、明後日はいよいよ「海辺のノマド」です。

リハーサル二回目

2009-10-09 00:43:48 | Weblog

いっや~、東上線が止まって帰れない帰れない。

7時にリハーサル終わってるのに家にたどり着いたの1時近くっす。
志木より遠くは、実質振り替え輸送の手段が車以外ないので、たまにストップすると大変な事になります。
 
んなわけで、リハーサル二回目。



今日、全員揃ったわけではないのですが、初めて種子田さん制作の音響部分とすり合わせることが出来て、かなり全体の形が見えてきました。

作曲してるときもそうですが、この「完成の形がうっすら遠くに見え始める」辺りがいちばんわくわくするところ。

もちろんこれから最後まで諦めずに手を入れ続けるわけですが・・・。

写真手前は音色に特殊な効果を与えるために、ファゴットのベルにセロファン紙を巻きつけたところ。

しかし結局この方法はボツになり、別のやり方で効果を出すことになりました。

どういう方法かは・・・・・。

コンサートのお楽しみです!
 

コンサート

2009-10-07 09:23:00 | Weblog
昨日は、オペラシティリサイタルホールでソプラノの坂本知亞紀さんのコンサートのサポート出演していました。

ソプラノのコンサートとはいえ、ジョージ・クラムとルチアーノ・ベリオという現代音楽の作曲家二人の作品でプログラムを組む、意欲的な内容でした。

僕の出演はジョージ・クラムの「ルクス・エテルナ」と「マドリガル」。
「ルクス・エテルナ」は「永遠の光」と言う意味で、元はラテン語の祈祷文だったと思います(確か・・・)
同じテキストを使ったものとしては、やはり20世紀の作曲家リゲティが合唱曲にしてるのが有名で、スタンリー・キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」でも使われていますが、クラムのほうは知りませんでした。

ひたすら清冽な響きを積み重ねるリゲティのものとは正反対の音楽で、編成は打楽器二人、ソプラノ、バスフルート(ソプラノリコーダー持ち換え!)、シタール(!!)、そして昨日はやりませんでしたがオプションでダンサーが入ってもよいと言う指定があります。
 演奏者もダンサーもみんな黒ずくめで目の部分を覆う黒いマスクをし、照明は赤で暗め、ろうそくを持って入ってきたソプラノ歌手が最後にそれを吹き消して暗転して終わるという、これら全て楽譜に指定されているのです。
いわば過剰にエキゾチックで秘教的な雰囲気を演出する仕掛けが施されていて、祈祷文の静謐な内容を際立たせているように感じました。

なかなか面白い体験でしたよ。

Perfect World

2009-10-03 20:40:40 | Weblog
「海辺のノマド」の譜面上がったので、ここ二日くらいなんとなく無為に過ごしてしまってます。

昨日は中川氏とミーティング。
といっても、七輪囲んでビール飲みながらだべってただけに近いのですが・・・・。

我々の打ち合わせ、大体いつもこんな感じになるのです。

それでも近いうちに「コックローチイーター」の次の展開をここで報告できるかもしれません。
期待せずお待ちください。(^^;;


しかし炭火で焼くとなんでも3割り増しくらいには旨くなるね。


10.Perfect World

アルバム全体を象徴する作品にして、複雑に入り組んだミクロコスモスを静かに閉じる働きをしてるようにも思えます。

 中盤に出てくる凄まじい金属音は、彼が手ずから鉄パイプをぶっ叩いて録音した音を編集して作ったというこだわりの音響です。

 今年の1月にアンサンブルノマドが六本木スーパーデラックスで行った定期演奏会では、やはり中川氏作曲の「Perfect Imperfect World」という曲を演奏しました。

内容的に直接のつながりはないのですが、タイトルは(「完全なるいびつな世界」とでも訳せばいいでしょうか)当時製作中だった「Perfect World」を明らかに意識したもので、完結した世界観に対する強いこだわりを感じます。

 ここでもなんども書いてるとおり、「ミクロコスモス」がアルバムの隠れたテーマで、それぞれ全く質感の違う迷宮世界の中の目立たない小径が、実は他の作品につながってるような錯覚を起こさせる統一感があるように・・・・・僕は勝手に思ってるのですが、聴いてくれた人はどう思ってるのでしょうねー。

 曲の紹介は終わり。

ブログは出来るだけまめに更新しますよ。