木ノ脇道元 ブログ

フルート奏者木ノ脇道元

維新派

2009-10-31 23:18:44 | Weblog
関西の老舗演劇集団「維新派」の公演を観に行きました。

「維新派」の名前は知っててずっと気になってたのですが、現在西巣鴨でやってる公演にやっと行くことが出来ました。

 「演劇」とはいえあらすじのようなものはなく、どちらかと言うと舞踏の公演のように一つのアイデアで展開する10数分のシーンがいくつか集まって、プログラムを構成しています。
全体を通じたテーマは「路地」或いは「人々の営み」と言ったところでしょうか。
「ろじ式」というタイトルはおそらくつげ義春の「ねじ式」を意識していると思われ、衣装や道具立てのイメージは昭和30~40年代風。
 そしてクラブミュージック風の音楽に乗せてラップ風にまくし立てるのは、関西弁の厳選され、緻密に構成された詩。

ひとことでいうとそんな世界でした。

1時間40分にわたる長大な詩を覚えるのも大変だなと感心し、いろんな方法論の実験があるものだなと思いました。
 
 面白かったです。

指揮者のコンクール

2009-10-29 23:42:23 | Weblog
東京オペラシティで、民音主催の国際指揮者コンクールの審査のための演奏。
 今日は二次予選で、課題曲はラヴェルのスペイン奇想曲「祭り」と、武満徹のフルートコンチェルト「Water Dreaming」

一次を勝ち抜いた参加者は、日本人2人。韓国人1人、フランス人1人、ロシア人1人。

最初にラヴェルを順番に演奏し、終わった人から、僕の楽屋に武満作品の打ち合わせに入れ替わり立ち代わりやってきます。
 僕も同じ曲のパート譜を5通準備して対応します。

人によってこんなに違うもんかなあ~、とつくづく感じるほどいろんな人がいます。

こまかく指示する人、



大雑把な指示だけで終わる人



 武満徹後期の色彩感にあふれた世界をいろんな指揮者で演奏できたのは楽しかったのですが、演奏の回数を重ねればどうしてもうまくなってくるから、最初のほうの人は不利だなー、なんて思ってしまいました。

あと指揮者のコンクールなら、オーケストラの人にも投票してもらったほうが絶対良いやろね。

かなり、客観的な評価が得られると思うけどな。

ノマド教育活動其二

2009-10-28 21:40:18 | Weblog
先週演奏しに行った、新小岩の小学校に再び出向きました。

今週は福士則夫作曲の曲を縮小したバージョンを作り、子どもたちが準備したボディパーカッションとセッションをするという内容。

 対象は先週と同じ五年生3クラス。
まず内容の濃いコンサートを至近距離で聴かせ、一週間空けてその同じ演奏家たちとコラボレーションするという、これは普通なかなか経験できない贅沢なプログラムだと思います。

学校関係の方、いかがでしょうか?

 先週も今週もノマドのディレクターの佐藤紀雄さんが進行を担当していました。

普段の活動や会話の中で、佐藤さんが考えているノマドの音楽的なスタンスや方向性は理解しているつもりでしたが、子供向けの、しかもある意味では非常に真摯なプログラムを作って進行していく姿を見ると改めて、佐藤さんが同世代の聴衆、特に子どもたちのような「普通の聴き手」を視野に入れての演奏活動をイメージしていることが分かります。

 普段やっている現代音楽のプログラムにしても、「研究発表」的なコンサートとは一線を画そうとしていることは、先日のリュック・フェラーリ特集からもうかがい知れます。


 NHKの番組で「ようこそ先輩」という、ブレークスルーな仕事をしてる人が母校の小学校に出向き自分の専門分野に関する授業をするという番組がありますが、それを見ていると、自分の手の内を隠さずに明かしていかないと、子どもとは真摯に向き合えないという事が良く分かります。

 今回のノマドの小学生向けプログラムも同じことが言えるでしょう。


 明日は、指揮者コンクールで武満徹の「Water Dreaming」というフルートコンチェルトを一日に5回演奏します。(ToT


夕方クインテット

2009-10-23 17:32:40 | Weblog
最近、外から帰ると録画しておいた「You gotta クインテット」を見るのがすっかり楽しみになっています。
 
このNHKの音楽教育番組、一見チープな人形劇仕立てで、演奏もクインテットという名の通りバイオリンとチェロ、クラリネット、トランペットそしてピアノという五人編成で全ての曲を演奏しています。

いわば超ローテクを使って制作されてる番組なのですが、選曲のセンスが良い事、楽曲のアレンジがすごく気が利いてること、曲の合間にゆる~い小ネタのギャグが挟まる構成になってることなどが、アコースティクかつローテクな雰囲気とうまく響きあってて非常に良く出来てるのです!

 人形や小道具、アニメーションがポップなセンスに満ちてるのも楽しいです。

音楽番組の中にネタが挟まるのは昭和のテレビ番組に良くあった気がしますから、ノスタルジー的な雰囲気を添える目論見もあるかもしれません。

NHKのこの時間帯の他の教育番組も良く作られてるのが多いです。

子供向けのプログラムも実験を重ねるうちに洗練されてきたと言うことでしょうか。


 先日アンサンブル・ノマドで行った新小岩の小学校も、五年生を対象に、一クラスづつ40分みっちり演奏を聴かせるという贅沢なものでした。
体育館や講堂ではなく、間近で、しかも同じクラスの仲間で、というリラックスできる環境で聴く音楽は子どもの耳にどのように響くのでしょうか・・・・。

マニアックな音楽活動とは対極の配慮を要するこういう演奏は、自分が目指す表現やメッセージを自ら、客観的に理解するのにも役に立つ気がします。
 
音楽をやっていく以上、たずさわっていきたい活動の一つですね。

どうしたの?何があったの?

2009-10-22 22:07:20 | Weblog
おおきなイベントが終わって更新サボってしまいました。

前回の更新から、北陸の某オーケストラ公演にエキストラとして出演し、アンサンブルノマド初の試みで、新小岩の小学校に子供向けの演奏にいくなど色々ありました。

 今日はやはりアンサンブルノマドのリハーサル。来月、中国は北京へのツアーです。

今日練習したのは福士和夫さんの「ケスキスパス」。フランス語ですが日本語では「どうしたの?何があったの?」になるそうです。

ユーモアがあって、仕掛けバリバリ、昨年の韓国ツアーでもすごく盛り上がった曲です。
 曲の冒頭10人近い演奏者のうち4人が出てきて、ボディパーカッション的なパフォーマンスをするのですが、本日はその部分練習。
作曲の福士さんは具体的な指定をせず、演奏者が自由に演出できる余地を残してくれていますが、アンサンブルノマド版では、自らダンスカンパニーを主宰する村上クラーラさんが振り付けを担当してくださり、ダンサーばりの複雑な動きを要求される部分で、二時間みっちりクラーラさんに指導してもらいました。

北京のプログラム、なかなか刺激的なのですが、そのなかでも目玉になる作品でしょう。

演奏の様子などアップしますのでお楽しみに。

写真はやはり冒頭に登場する四人の中の一人でヴィオラ奏者の甲斐さんが、今日誕生日で「自分で買ってきた」ケーキを練習の後、みんなで食べたのでした。

「海辺のノマド」終了

2009-10-16 00:40:32 | Weblog
昨日東京オペラシティでのアンサンブルノマド定期ならびに本日、京都同志社大学・寒梅館での演奏無事終了しました。

 来て下さった方々ありがとうございました。

今回作った「海辺のノマド」は、今までの作曲と違って音響作家、種子田郷さんとの共同制作という形をとってるということで非常にエキサイティングでもあり、またプレッシャーでもあるコンサートでした。

結果的には、役者の揃ったアンサンブルノマドの演奏で、僕自身が目論んだ以上の結果を出せた事と、種子田さんの音響とのコラボレーションが非常にうまくいっただけでなく今後、更なるコラボレーションの可能性に勝手にいろんな妄想をしてしまうほどで本当に楽しかった。
 
 種子田郷さんとは今年二月の「森山開次作品集」で一緒になり、ものすごくテンションの高い舞台にいっしょに参加しているというシンパシーもあって「一緒に何かやりたいですね」なんて言ってたのですが、そういうのは大体実現しないまま社交辞令に終わることが多い中、かなり早いタイミングでひとつ共同でものをつくることが出来て喜んでます。

 機会を作ってくれたノマドと(まあ、僕も普段は演奏に携わるメンバーの一人なのですが・・・)ディレクターの佐藤さんに感謝ですね。

 
 今回のコンサートのテーマはリュック・フェラーリでした。

奥さんのブリュンヒルト・フェラーリさんが来日していて、ずっとにこにこ嬉しそうにリハーサルもコンサートも付き合ってくれただけでなく、自分から寄ってきてくれて「I like your piece so much! Why did't you make it more longer!?」
なんて言ってくれて感激でした。
 ご高齢にもかかわらず実に魅力的でかわいい人でした!!

告知

2009-10-14 08:27:58 | Weblog

アンサンブル・ノマド定期演奏会#35

 時代を創造するパイオニア達 vol.1

~美しき異端児の耳=リュック・フェラーリ~

10月14日(水)  18:30開場 19:00開演 

東京オペラシティ・リサイタルホール

リュック・フェラーリ:ディダスカリー2、あるいは音符を探す3人の登場人物(2002)

リュック・フェラーリ:パリ-東京-パリ(2002)

木ノ脇道元:海辺のノマド(2009)

リュック・フェラーリ:失われたリズムを求めて(1978)  

  種子田郷:les silences sonores(2009)

  出演者

メンバー:木ノ脇道元(fl)、菊地秀夫(cl)、野口千代光(vn/va)、甲斐史子(vn/va)、佐藤洋嗣(eb)、中川賢一(pf)、宮本典子(perc)、佐藤紀雄(gt/cond)

ゲスト:林憲秀(ob)、塚原里江(fg)、松本卓以(vc)、小坂圭太(pf)

主催/アンサンブル・ノマド(http://www.ensemble-nomad.com/)

音響/国立音楽大学楽器制作・音響コース

チケット:一般3000円 大学生2000円 高校生以下1000円チケット

お取り扱い:東京オペラシティ・チケットセンター03-5353-9999

お問い合わせ・ご予約:キーノート0422-44-1165 keynote_music@fol.hi-ho.ne.jp


久々のインプロセッション

2009-10-14 00:58:14 | Weblog
西荻窪の「アケタの店」でベースの吉野さんたちと久々のセッションでした。
ヴァイオリンの太田恵資さんは名前と演奏は良く聞いて知ってたのですが、競演は初めてでした。

 アラブ音楽の素養を生かした演奏で音を出した瞬間、その人の空気を出せるアーチストです。
 8時からほとんど譜面なしの2セットのステージでしたが楽しんで演奏できました。

ぬらりひょん

2009-10-12 22:53:38 | Weblog
CD「Perfect World」が、共同プロデューサー中川統雄氏の運営するレーベル「ぬらりひょんレコード」のサイトでネット販売されています。

 アドレスは↓

http://www.nurarihyonrecords.com/

 中川氏の前作「Death Mask」と、僕も大きく関わってる「Mah Vairocana」も買えますよ!

 他にはムラマツ楽器のサイトでも買えるし↓

http://www.muramatsuflute.com/shop/goods/cdsearch.aspx

上野に来るついでがある人は、東京芸術大学美術学部の中にある藝大アートプラザでも買うことが出来ます。

 あと前の記事でも書きましたが私に直接連絡いただいてもお送りします。

明日は西荻窪「アケタの店」でジャズベースの吉野弘さん、ヴァイオリン太田恵資さん、ドラムス田中徳崇さんとセッションです。

んで、明後日はいよいよ「海辺のノマド」です。

リハーサル二回目

2009-10-09 00:43:48 | Weblog

いっや~、東上線が止まって帰れない帰れない。

7時にリハーサル終わってるのに家にたどり着いたの1時近くっす。
志木より遠くは、実質振り替え輸送の手段が車以外ないので、たまにストップすると大変な事になります。
 
んなわけで、リハーサル二回目。



今日、全員揃ったわけではないのですが、初めて種子田さん制作の音響部分とすり合わせることが出来て、かなり全体の形が見えてきました。

作曲してるときもそうですが、この「完成の形がうっすら遠くに見え始める」辺りがいちばんわくわくするところ。

もちろんこれから最後まで諦めずに手を入れ続けるわけですが・・・。

写真手前は音色に特殊な効果を与えるために、ファゴットのベルにセロファン紙を巻きつけたところ。

しかし結局この方法はボツになり、別のやり方で効果を出すことになりました。

どういう方法かは・・・・・。

コンサートのお楽しみです!