スポイチ編集長日誌

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SSD+eBoostr+USBメモリ複数挿しで旧式ノートの起動を爆速化

2009年10月11日 | ネット・PC
今回はタイトルの方法で、以前に内蔵HDDをSSD化した古いノートPC(VAIO NOTE Z1/P)の起動をさらに爆速化してみた。

このZ1(先日発表された「VAIO Z(VAIO type Z)」ではなく、2003年発売のもの)は、内蔵ハードディスクドライブをSSDに交換してあるため、ただでさえ無音な上にHDDよりも高速化して、旧式ながらもこれまでまあまあ快適に使用できていた。
しかし、SSDの空き容量が残り10GBを切ったあたりから状況は一変。いわゆる「プチフリ(プチフリーズ)」と思われる現象が頻発するようになった。

例を挙げると、メールやウェブページを連続して開こうとすると、3~4回に1回ずつくらい、数十秒間アクセスランプが延々と点きっ放しになって、その間操作を受け付けなくなるなどだ。

旧型のパソコンにIDE接続のSSDという組み合わせでは、OSの起動などの単純な読み出し作業では確かに圧倒的に速くなる。しかし、何かの作業でアクセスランプが点灯しているときに、うっかり別の作業をしようとすると、たちまちアクセスランプ点きっ放しのプチフリ状態に突入し、その状態でさらにウィンドウを閉じようとしたり別の作業をしようとすると、ますますプチフリ時間が長くなるという、「プチフリスパイラル」ともいうべき状態に陥ってしまうことが多い。
挙動としては、シングルタスク(擬似マルチタスク)時代のOSを使っているような感覚だ。さすがにアプリやOSが落ちるというようなことは無いが…。
ハードディスクの場合は、たとえゴリゴリアクセスしているような状態でも、遅いながらも処理は進んでいる。一方、SSDでは一時的に処理がほぼ完全に止まってしまう感じだ。
最新のtype Z+SSD-RAIDの組み合わせでは、こんなプチフリ現象など皆無なだけに、このような特性は、旧機種+廉価版SSDの組み合わせに特有のものかもしれない。


結局のところ、旧機種+IDE SSDが真価を発揮するのは、軽量ノートPCに省電力版のCPUという組み合わせで、HDDや冷却ファンなどの騒音に煩わされずにウェブブラウズやメールなどの軽い作業をしたいという場合だろう。
少なくとも、バックグラウンドでゴリゴリプログラムを走らせながら同時に入力もするといった、複数の作業を同時に行なう人には向いていないと言える。
結局、P-ATA接続のSSDを導入するメリットは、高速化よりもむしろ、可動部が無いことによる静粛化とバッテリーの長寿命化につきるかもしれない。


前回の換装後、さらに高性能なIDE SSDの新製品が出たら再び乗り換えてもよいと思っていたのだが、その後はIDEの新製品はぱったりと発表されなくなり、プチフリ問題を抱えた既製品ですら軒並み値上がりしている(2009年10月現在)。廉価版は安いから廉価版というのであって、プチフリがあると分かっている旧モデルに3万も4万も出せんわなあ…。ていうか、ネットブックが買えてしまうではないか。


ここのところメールを開くたびにプチフリ、ウェブサイトを移動するごとにプチフリ、という状態にいらついて、発作的に大容量のハードディスクを買ってきて、こうなればビッグドライブ実験の人柱たるべし、とまで思いつめていたのだが、その前に、プチフリ防止策を調べているうちにふと見つけた「eBoostr」というソフトを試してみることにした。



このeBoostrは、簡単に言って、Windows Vistaで搭載されたReadyBoostを、XPでも実現できるようにする市販ソフトである。
VistaのReadyBoostは、「USBメモリを仮想メモリとして使用する」と紹介されたりもしたが、eBoostrの場合はどちらかというと、ドライブのキャッシュを強化するソフトだ。これがキャッシュを持たない廉価SSDには有効なのではないかと考えたわけだ。

このeBoostrには試用版もあり、公式サイトからダウンロードできる。
この体験版がなかなか便利で、試用版とは言いながら機能制限は無く、4時間の時間制限つきながら再起動すればまた普通に使える上に、メインメモリをキャッシュに割り当てることも出来る。
しかも、Windows VistaのReadyBoostとは違い、このeBoostrでは同時に最大4つまでのデバイスをキャッシュとして指定できる。つまり、デバイスの数を増やすほど高速化するわけだ。

Windows Vista純正のReadyBoostでは、使用できるUSBメモリに要求される条件が結構厳しく、割と新しい製品でも速度条件ではねられて使用できないことがある。
一方、eBoostrでは、一応条件はあるものの、かなり低速なデバイスでもキャッシュに指定することができる。
また、USBメモリだけでなく、SDカードやメモリースティック、果ては他のHDDまで、あらゆるストレージをキャッシュに指定することが可能だ。
「余ったUSBメモリの有効活用にもなる」という通り、引き出しの奥で放置されているような低速小容量のUSBメモリでも効果があるのは嬉しいところだが、ここは高速なデバイスを使ったほうがやはり効果は大きい。

このeBoostrを導入して、いろいろ試してみた。SSDにeBoostrは意味が無いとも言われるが、私の環境では「高速なUSBメモリを」「複数使用する」限りにおいて、起動速度の向上と各処理速度の体感的な向上、またプチフリ軽減にも一定の効果が認められた。
高速なUSBメモリを使用したとはいえ、SSDよりははるかに低速なはずのUSBメモリにキャッシュして起動速度が向上するのは謎だが、高速USBメモリ2本挿しでのWindows XPの起動速度はやばい。
例えば、Windows XPの起動時のロゴ画面では、Windows XPのロゴの下に緑色のインジケータが左から右へと流れるアニメーションが表示されるが、これがたったの1回しか表示されずにデスクトップが起動する。まさに馬鹿馬鹿しいまでの起動速度だ。
ちなみに私のZ1の場合、このアニメーションはeBoostrを使わないSSD単体での起動だと3回、5400回転のハードディスクの時は9回、デフォルトの4200回転のHDDでは11回表示されていた。


私の環境でSSDがプチフリを起こすパターンとしてはいくつかあり、

1.ある程度重い作業をさせるとアクセスランプが激しく点滅するが、それが一定限度を超えたり、作業中に別の作業をするなどでこれが限界を超えるとアクセスランプ点灯しっぱなしで突入するプチフリ。

2.大量または大容量のファイルを書き込む場合(ダウンロードも含む)、一定量を書き込むとアクセスランプが点きっ放しで作業がピタリと止まってしまい、また数秒すると動き出す、の繰り返し時に見られるプチフリ。

3.ユーザーの操作に関係なく不意に起きる原因不明のプチフリ。


上のeBoostrの画像で言うと、一番下のバーが右端まで行ってしまうとプチフリ状態突入になるのだが、「1.」のときはこのバーが右端まで行こうとすると、eBoostrのキャッシュ(真ん中のバー)が伸びてきて、SSDにかかる負担をうまく「引き取る」感じでプチフリを回避しているようだ。

プチフリ頻発だった頃は、フォルダを開く際にも、フォルダの中身が何も表示されないまま、「1.」のアクセス集中型プチフリで待たされる、ということが非常に多かったが、このソフトを導入してからは、通常のエクスプローラの操作で引っかかることはほぼ無くなった。

基本的なプチフリ対策としては、「3.」はおそらくバックグラウンドで動いているプログラム(ウィルス対策ソフトやページングファイル、インデックスや復元ポイント作成など)の処理によるものなので、これらの作成をオフにし、さらに空き領域のデフラグもしてやれば、長期使用後の書き込み速度低下もある程度は回復できるはずだ。


…とは言うものの、普通の人はSSDへの交換も含めて、よほど愛着が無い限りは旧機種にお金をかけてあれこれとあがくよりも、新しい機種を買ったほうが幸せになれると思います。



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大変わかりやすい説明でした。 (kou)
2012-01-17 02:16:39
とても役に立ちました。
起承転結、文章がまとまって気持ちよく拝読いたしました。

また参考にさせてください。
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