大昔のファインモールド製。たしか、96戦は数年前に更新されたがこのタイプは手付かずだったはずだ。エンジン、プロペラなどはホワイトメタルで、どちらかと言うと簡易キットに近い印象。その昔、何故か作ろうと買い込んだは良いが、あっこんなに隙間が、おっこっちは段差が、これどどう付けるで、手に余って放ってあったに違いない。机の下に積んで有ったハセ・ゼロ21型の箱に同居していたのを発掘、いや、面倒なゼロ戦のキャノピーマスクが今では金で解決できるので、せっかくだから成仏させるかと引っ張り出したら一緒に出てきた。運が良いのか悪いのか。
士の字にはなっていたが、自分の目で見ても、なんとも荒っぽい工作。昔は気持ちが先走っていたのだなー。とは言え、翼を薄くして有ったり、最近は使わない黒瞬間で大きな隙間を埋めていたりで、手荒いがやる事やりたい気持ちが見えて面白かった。今の目で見るとまだまだ気になる所も残っていたが、それほど入れ込みの無い機体だし、素性が素性なのでとりあえずの完成を目指した。年取ったなー。
エンジンカウリングの取り付けなど知恵の輪的な所も有ったがなんとか飛行機になった。仕上げは飴色とか諸説有るようだが、無塗装だと錆びてアルマイト弁当箱風になるはずだし、錆止め処置をしても同じなのでそのようにしてみた。
結構焦ったのは、ホワイトメタルのプロペラ。梨地を磨いて薄くなると極端に柔くなりちょっと力が入ると、曲がる。シャフトも何時の間にかぐにゃっとなっていたしで、折らないように形を整えてやるのに苦労した。今でも油断して触れると、曲がる。
助かったのは、接着剤の進歩ででゴム系、水性透明系のお世話になって組み立てられた。
尻尾の赤は日の丸に合わせてハーマンレッドに色の素のマゼンダを足して、えぐく。骨董品のデカールが素直に貼れたのは予想外の幸運だった。なんとも牧歌的な戦闘機。結構派生型が有るのは急激な技術の進歩が有った時代故なのかもしれない。ただ、これが引き込み脚だったら以後の展開は変わってきたのだろうな。