恋うさ空

最後の記憶

最後の記憶
あれは制服から見て冬だった
図書館に行くバスに乗る為に藤沢駅を走って走って 階段降りて小田急の改札前を通って外へ
乗れたのかわからないけど 
それが最後の記憶

その日がクリスマスなのか全然違う日なのか 多分違う
何もないとこでいきなり記憶が飛ぶなんて あったのかな わからないな

あんなに長く記憶がなくなるなんて思いもしなかった 
気がつけば病院で 
私は結構年取ってた
その間の私はどうしてたんだろう
普通にくらしてたんだろうか
記憶がなくなるだけで時空を飛んだわけじゃないので まぁ普通よね

人は苦手だったけど バドミントンもやってたし 溺れそうなスイミングも少ししてた
男の先生は嫌い気持ち悪かった 
電車の男の人も
それでも電車はゲボしながら乗れてた
人混みは走って
夜は海岸まで長いお散歩
言葉は紡ぐのが下手で
空と海が好きだった

子供の頃からちょくちょく記憶がぷつっと消えて 違う場面ってのはあったことなので 特に何も思わなかった 普通なのかなって
そんなに恐怖を感じた事はなかったのに

走って走ってバス停までって 
そこから何歳まで飛んだんだっけ
20歳だっけ?
もう忘れたな
え?私年取ったって思ったんだから 自分の顔を見るのが嫌いなのに鏡というものをまじまじとみた

それから鏡は見てない 
苦手なもの 自分の身体と鏡 
自分の身体を見ると衝動が抑えられない 手はスマホするのに見てしまうけど 身体は本当なら見たくない
傷があるからじゃなくて 傷をつけたくなる
死んでしまえって 
汚い汚いって 
あ 記憶の話なのに また逸れてしまった

そう記憶がなくなる恐怖
そうならないように ショックなこと 刺激的なことを避けてきた

私も何が原因で記憶が飛ぶのかわからないんです 
なので穏やかに穏やかに 
興奮しないように

また長く記憶がなくなったら そう考えると恐怖でしかない
もう2度とみなを忘れたくない
この今の気持ち忘れたくない

人生まだ30年だけど その半分以上はみなとの記憶 まだ思い出してない記憶もあるけど 私の半分はみなで生きてるっていっても過言ではない気がするな

そんな私達だけど やっぱりこの先お互いが接点を持ちつつ一生懸命生きていく道を選ぶわけで それがいいよね 

忘れたくないなとここに記録してます

嘘のようなホントの話でした

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