亜季の思い出しノート

日々頭に浮かびつつも日常に紛れて,いつのまにか消えていく「よしなしごと」を,後から思い出しつつ書き留めているブログです。

チェリー/スピッツ

2006-10-31 00:45:34 | 音楽
 「チェリー」は,言うまでもなくスピッツの代表曲の一つですが,この曲には個人的に二つの思い出があります。

 一つ目はもう10年も前。この歌のサビの「愛してるの響きだけで/強くなれる気がしたよ」という部分を聴きながら,友人がしみじみと「そう思ったんだよなあ」と,過去につきあった女性とのことを思い出して言っていたことです。たしか青森の飲み屋さんだったなあ。遠距離でしかも年上の女性だったって言ってたよなあ。

 二つ目は,3年前に父親が亡くなって葬儀なども済ませたあとのこと。通勤途中に「二度と戻れない/くすぐりあって転げた日」というフレーズを聴いて,本当にそうだなと思ってひそかに泣けました。別に父親との間に「くすぐりあって転げた」ような思い出があるわけではないのだけど,一緒にいられた時間に決して戻れないということが,ひしひしと感じられたものでした。

 そういえば(と,全然関係のない話になりますが),スピッツのシングルでいえば,この「チェリー」の後は「渚」「スカーレット」と続きます。これってどう考えても「史上最強の三連発」じゃないかと勝手に思っています。ホント,どれもいい曲ばかりです。ちなみに,私自身の好きな順番は「スカーレット」>「渚」>「チェリー」です。

レースの行方

2006-10-30 23:42:42 | 子供
 以前,たいやきちゃんとたこやきちゃんがかけっこする歌について書きましたが(こちらの記事),その勝敗の行方についてです。(考えるだけ無駄という話もありますがそれはさておき)私としては何度考えても結論が出ませんでした。そこで,先日,次男に「ねえ,ところで,たいやきちゃんとたこやきちゃんはどっちが早かったの?」と聞いてみました。すると,はぐらかされるかと思いきや,意外や意外,「たこやきちゃんだよ」と即答されました。
 「え? そうなの?」
 「うん」
 「ねえねえ,やっぱり転がるから早いのかなあ?」
 そう聞いた時には既に別な遊びに興味が移っていて,回答が得られませんでした。むむむ,残念。このレース,なんというか,細かいところが妙に気になります。

銀河鉄道999

2006-10-29 23:53:22 | 日々雑記
 長男が昨年「6年生を送る会」で歌ったのがこの歌。(「何で下級性がこの歌?」とは思ったものの,それはおいておいて)そんな経緯があって,我が家にその簡単な楽譜があります。それにギターコードも書いてあるので,先日,長男に歌わせつつ弾いてみました。
 簡単なコードをさらに簡単にして(分数コードを無視)弾いたのですが,結構聴き映えがして気分がよかったです。長男も面白かったようで,終わった後で「お父ちゃん,けっこう上手だね」と誉められました。サンキュー,ベイベー!

ふしぎな夢/星新一

2006-10-28 23:50:50 | 本(読書)
【評価:竹】

 久しぶりに作者のショートショートを読んだが,高校生の頃と同じように面白く読めた。さすがに初期のSFモノは設定の古さが目についたものの,変に時代がかっているわけはなく,作品自体が意外と古びていないことは驚きだった。短いながらも,練られたアイディアを凝縮して書くことで,読者の年齢により,また読まれる際の時代背景によって,いろいろなふうに読むことが可能なせいなのだろう。その意味で,簡単に読めるものの,読み捨てられない面白さがたしかにある。
 また,これを読む中で作者の文章力というものというか,わりと一つの文章が短い中で,内容が簡潔明瞭に語られていることにあらためて感心した。いわゆる最近の小説にあるリズム重視で内容のない言葉が書かれるのとは全く違い,無駄のなさがリズムを引き寄せている印象だった。ショートショートという短い形式で書き続ける中で,作者の文章力もまた鍛えられたということだと思って興味深かった。

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手書きメモ

2006-10-28 02:16:34 | 仕事
 業者と打合せの際,言葉で話しているだけだと何となく同じ用語を使いながらも,両者の解釈に違いがありそうな気がすることがありました。そこで,裏紙で作ったメモ用紙に簡単な図を書きました。そして,それを使ってどこに何を持ってきて,最終的に何がしたいかを説明しました。業者も納得したようでした。
 でも,帰り際,そのメモを「それ,もらってもいいですか?」と聞かれたのにはびっくりしました。大した内容でないのは別にしても,もともとその場限りのつもりで書いているので適当というか汚いというかなので,渡したものの却ってこちらが恐縮してしまいました。
 それにしても,あの適当な絵柄の図を見ながら,「こんなふうにしたいんだってさ」なんていうふうに別なところでも打合せがあるかと思うと,図が別な意味で独り歩きしているようで,ちょっとおかしいです。

エコノミカル・パレス/角田光代

2006-10-27 23:15:38 | 本(読書)
【評価:梅】

 つまらなかった。「お金」にだらしない男女が描かれているが,要はそれに限らずだらしないだけの話。何か何処かにいいことがあるんじゃないか,とあてもないのに思いながら判断を停止して生きてきた(生きている)だけのことにしか思えなかった。若さも失われつつある中で,そのだらしなさは戯画にもならない。笑えるわけでもない。同情,あるいは感情移入できるものでも当然ない。読んでいてつまらないだけである。
 その意味で, こんな話をわざわざ書く必要があるのか最後まで分からなかった。また,浮浪者の挿話など,いちいち底が見えるようで興ざめだった。

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天然理科小年/長野まゆみ

2006-10-25 23:12:20 | 本(読書)
【評価:梅】

 この作者にしては自己耽溺風の部分が少なく,その意味では読みやすかったように思う。しかし,内容的には特に見るべきものはなく,自分と同じぐらいの年齢だった頃の父に出会うなんて,いろんな場所でよく見かけるストーリーにすぎない。そして,そのストーリーが良くも悪くもこの話のすべてというあたりで,やはり小説としては成り立っていないと判断せざるを得ない(作者がどう考えているかは知らない)。
 ただ,今回前述のストーリーとの関連で,ということだとは思うが,父親がいわゆる世間並ということとは別に,そのだらしなさも含めて,割ときちんとした大人として出てきていたと思う。そして,その様子は納得できるというか,読んでいてちょっと面白かった。

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異物混入

2006-10-25 00:52:40 | 日々雑記
 数年前,夕食後に「かりんとう」を食べていた時のこと。急にガリッと硬いものがありました。かりんとうの硬さとは明らかに異質でした。口から出して見ると,銀歯でした。
 見た瞬間,「うわあ」と思いました。「これが世間でよくある異物混入だ」と。そしてまたたく間に頭の中では,新潟の工場(製造場所に記載されていた)で製造中にパートのおばさんの口から入れ歯が落ちて,かりんとうの中に入り込む様子が映し出されました。
 ...でも,何となく口の中が変です。舌で触ってみると,歯があるべきところが空いている部分がありました。そう,自分が以前治療した歯が抜け落ちたものでした。抜けたことはちっとも良くはないのだけど,ほっと安心したものでした。新潟のおばさん(誰?)疑ってすみませんでした。

 それ以来,かりんとうに限らず同じようなことが何度かあります。でも,真っ先に疑うのは自分の口の方。今のところ,幸いに(?)異物混入の事態には遭遇しないですんでいます。

X01HT発売開始

2006-10-24 20:14:11 | エレクトロニクス
 ソフトバンクから,スマートフォン「X01HT」が出ました。まあ,購入するつもりはないのですが,モックを見た感じでは,これすごくいいです。普通の携帯よりは大きいものの,意外と小さめなので胸ポケットに入れても違和感がなさそうがし,内蔵キーボードは,出方もシャキーンと小気味良いうえに,キーが大きめで押しやすそうだし。それに無線LAN機能や,1.8Mbpsの高速通信にも対応しているなんて,結構使いでがありそうに感じました。それに端末の値段が2万円くらい(スーパーボーナス併用時)というのも正直すごいです。
 まあ,携帯風のプッシュメールに対応していないとか,月々の料金が高そうなんていうのはありますが,使い倒すつもりで買って損はないと思わせました。というよりも,単純に「へえー,結構いいじゃん」という感じがすごくしました。まあ,個人的にはQVGAというのが致命的なので買いませんが,それでもフラフラと行ってしまいそうな魅力があります。危ない危ない。

 それにしても,この端末が普通に携帯売り場にたくさん並べられているという光景というのは,何というかPDAユーザの私としてはビックリするものでした。同じような端末では,Willcomの「W-ZERO3」があったものの,やっぱりPHSのせいか隅の方にちょこっとある程度だったので,余計に(というかとても)感心しました。

 ...感心したといえば,展示用のモックが立派だったこと。だって,ちゃんとキーボードがスライドして出てくるんですよ,シャキーンって。Willcomのは出しっ放しで固定されているので,肝心なところがどんなふうなのか分からなかったのだけど,こちらは違いました。ホント,あのモックだけでも欲しいです。

ザ・サブウェイ・レコーディングズ/スーザン・ケイグル

2006-10-23 00:20:56 | 音楽
 日頃,外国の女性シンガーを聴くことはめったにないのだけど,駅の構内で赤いギター(Epiphone「Riviera」)を抱えた本人というジャケットが格好良くて聴いてみました。結果...いやあ,とっても良かった。
 駅の構内で録音しただけあって音の抜けが悪いところもあるけれども,その分そこにいて聴いているかのような臨場感は抜群です。そして,何よりも曲が本当にいいです。長い曲でも4分ちょっという長さで,無駄だったり冗漫だったりする部分がなく,言葉を越えて伝えたいことがストレートに伝わってくるような気がしました。そう感じました。
 「言葉を越えて」とは書いたものの,このアルバムでは歌詞もすごくいいんです。たとえば1曲目「シェイクスピア」のサビの部分の歌詞はこんなふう。

 シェイクスピアは好き?/ジェフ・バックリイは?/日曜日に映画を見るのは?
 雨の日にキスをするのは好き?/駅で顔をしかめるのは?
 あなたが何を好きなのか,すごく知りたいの
 あなたが何を好きなのか/あなたが行ってしまう前に

 テロとの関係から読めばそうとも読めるし(特に最後の部分),普通の出会ったばかりの男女として読めばそう読めるし...自分が好きなものを相手はどう思うんだろうかという,ストレートな思いが素直に描かれていて,何というか心を揺らされました。ホント,いい歌詞です。心にしみました。

 個人的には1曲目「シェイクスピア」と2曲目「ステイ」が特に好きですが,どの曲もいいです。ぜひ,一聴あれ。

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