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ひとりごとです

市川拓司 「そのときは彼によろしく」

2021年06月13日 | 読書

市川拓司 「そのときは彼によろしく」

 
現代のおとぎ話。
それはつまり、「私の紅茶」ではなかった。
 
「『いま、会いにゆきます』の著者による最高のロマンチック・ファンタジー!」と、西加奈子さんの紹介文が背表紙に印刷されていた。
 
ピュアな愛の世界。
ケーキバイキングのように、甘い甘い世界だった。
 
「死」というものは、身を切り裂かれるような永遠の別離ではなく「いつかまた会える」暫しの別れ。眠ること、夢を見ることと同じと、言われているように感じた。胡蝶の夢のように、現実世界と夢(死)の世界の境が曖昧な、たゆたう感覚で読了。水の中の水草になったような気分だった。
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