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ひとりごとです

U-NEXT MOVIE ■■ロリータ■■

2020年07月31日 | 映画

「時計じかけのオレンジ」の監督、スタンリー・キューブリックのもう一つの監督作品。キューブリック繋がりで観てみた。あとは題名に惹かれて(笑)

 
ロリコン(ロリータ・コンプレックス)とか、ロリータ・ファッションの語源となった、ロシア系アメリカ人の小説家ナボコフの同名小説の映画化。(ロシア文学だと思ってたけど、英語で書かれてたんですね。)ロリータは登場する少女の名前。
主人公のハンバート・ハンバートはロリータに出会った瞬間に一目惚れするのだが、原作ではロリータは12歳。しかし映画では、年齢は明かされていないけど、16〜17歳くらいかな?更にアメリカ人は日本人よりも大人びて見えるので、20代か…今の日本人はみんな若々しく見えるので、30代と言われても驚かないくらいに見える。少女ではあるけど、既に落ち着いた大人にも見える。だから、日本語のロリコンから想像される小児性愛者の物語には見えなかった(なんだ?ガッカリしてるのか?)。調べてみたら、当時アメリカ映画界にはいろいろ表現上の倫理的規制が多くて、12歳の少女への恋愛感情を描くことは無理だったのだそうです。だいたい、小説の方もまずフランスで出版されたとか。やはりかなり問題をはらんだテーマだったのだ。
 
 
U-NEXT MOVIE  ■■ロリータ■■
⭐︎⭐︎⭐︎
 
かなり評価は高いようだが…
 
 
ここからはネタバレ感想で…
 
 
 
10歳前後の美しい少女に心奪われた中年男性が、満たされない心に苦しみ、破滅していくストーリーなのかと思ってましたが、ちょっと違いました。
 
でも、大人の男性が、少女に片思いすることの危うさを感じました。
 
一つは、対等の関係ではないこと。大人の男性の方が圧倒的に有利。絶対的な力を握っているということ。社会的にも、経済的にも、肉体的にも。少女の希望をことごとく否定し、自由を奪い、自分の思い通りに連れ回すことが出来る。そんなのは対等な関係ではない。暴君による支配だ。これは愛ではなくて、無力な存在を思い通りに支配したい残酷な欲望なのでは?卑怯なやり方で精神的快感を得るいじめやDVと同じだと思った。
 
 
二つ目は、2人の時間軸が違うということ。
男性は日々老いに向かい、少女は大人になる。一方は死へと衰退していくが、一方は成長し充実していく。関わる人も増え、世界が広がり、学び、仕事を手に入れ…果てしない未来が待っている。
しかし男性は、そんな成長する少女を否定し、いつまでも保護下に置いておこうとする。
でもそれは不可能なこと。
時間が流れ、ハンバートは老い、ロリータは自由を求め旅立ち、大人になり、母親になる。どんなにハンバートがロリータに拘っても、二人の間の「時間」の差は開くばかりだ
 
 
よく、こういうロリコンの男性が描かれるたび、支配欲の強い男性であることが多い気がする。
本当に少女を愛しているなら、健やかに成長することを願い、少女の将来のためにいろいろ力を尽くす筈だ。
 
瑞々しい若さ、初々しさを失っていくこと
知恵を付け、嘘をつき、無垢を失っていくこと
経験を積み、自立していくこと
それらは「成長すること」であり、ピュアではなくなることかも知れないが、どの子どもにも訪れることだ。それが受け入れられないというのは、とても利己的な感情だ。
ハンバートのようにロリータの「成長」を否定し支配しようとする感情は愛情ではなく、問題があると感じた。
 
「ピュアさ」や「若さ」に大きな価値を見出して、それ故に恋に落ちた人は、いつか相手がそれらを失った時、もはや何の興味も感情ももたなくなるかも知れない。挙句、他の若い人に気持ちが移るかも知れないね。そしてそれを延々と繰り返す…
それは愛した人も愛された人も不運な気がする。
 
若いことは無条件で素晴らしいことだけど、そこだけを見たり、それを恋愛対象の条件にするのは、人間として不完全な気がする。
 
そして私自身、若く見られることに取り憑かれている気がする。「若さ」というものに振り回され苦しめられている。
 
でも今、新型コロナウィルス感染症のせいで、それどころじゃなくなってきているかな?どんな風に見えるか、よりも、生き延びることの方が大切。
ある意味この非常事態で、私は若さの呪縛から解き放たれた気もする。
 
そんなことも感じた。まとまらなくてすみません。
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