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ひとりごとです

奥田英朗 「サウスバウンド 下」

2021年06月24日 | 読書
奥田英朗 「サウスバウンド 下」
 

上巻の東京編を読んだ時は、元過激派で騒動ばかり起こす父親に嫌悪感を感じた。

「税金は払わない」とか「修学旅行の積立金が高すぎる。旅行会社との癒着だ。」と吠え立てる、こんな人は社会の秩序を乱す迷惑な存在。「こんな父を持つ二郎は可哀想」と。
 
それが下巻で西表島に一家で移住してからは見方が180度変わってしまった。
国家権力に反発するのは相変わらずだが東京では偏固としか思えなかった持論が、島ではしなやかな説得力を帯びてくる。
 
終盤は目が離せない展開で、早くページを進めたくて気持ちが弾んでいた。
 
他の作品も読みたい。
 
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